24時間体制の病院では、当然看護師も24時間業務にあたる必要があります。看護師シフトとして代表的なのが、二交代制と三交代制です。
この2つの勤務体制は、実際に働く看護師にとって大きな違いがあり、それぞれにメリット・デメリットが存在します。いずれのシフト制とするかで企業側の事情も変わってきます。
目次
二交代制のメリット・デメリット
24時間を12時間ずつに2分割し、2チームのローテーションによって看護シフトを組むのが二交代制です。始業時間に前後はありますが、日勤が8:30~20:30、夜勤が20:30~翌8:30というのが一般的です。
病院の繁忙時間ほかの事情に合わせ、二交代制でも夜勤と深夜勤で16時間勤務、日勤早出、日勤遅出、長日勤といった変則的なケースもあるので、事前に詳しく確認しておく必要があります。
二交代制のメリット
・疲れがとれやすい
・連休を取りやすい
・自分の時間が確保できる
・業務が比較的スムーズ
・夜勤手当がつく
日勤→夜勤であれば、20:30~翌日の20:30まで間隔が空きます。この間にゆっくりと休むことができ、夜勤明けの翌日は休日になることが多いため夜勤の疲れもとれます。また、日勤、夜勤、休日の組み合わせで、休日が多く感じられるといいます。
1ヶ月に最低1回は連休があるうえ、さらに長めの連休を取りやすい点でもリフレッシュしやすいですね。繁忙時間のスタッフ数が多くなる点、申し送りを頻繁に行う必要がない点から、業務がスムーズに行えることもメリットです。
三交代の準夜勤・深夜勤手当に比べ、二交代の夜勤手当が高額になる傾向があります。一回当たり2~3万円の夜勤を月に4回こなせば、10万円程度の手当を期待できます。
二交代制のデメリット
・長時間勤務が体力的にきつい
・休憩が充分取れないと負担が大きい
・集中力が散漫になりミスの不安がある
・長時間拘束で家族の協力が必要
一般的なサラリーマンの8時間労働の1.5倍である「12時間」働くことになるため、勤務後はゆっくり眠れるとはいえ、働いている間の疲れは大きなものになります。
もちろん途中で休憩を取りますが、急変や急患で忙しかったりスタッフが足りなかったりして休むことができなければ、体力的負担はさらに増大します。
看護の現場では欠かせない集中力・緊張感も、長時間勤務で薄まりがちです。なかでも業務になれていない新人看護師では、看護ミスが起きてしまうのではないかと不安になるという声が聞かれます。
疲労して夜勤を終えた後、朝方そのまま帰宅して眠るかと言えば、長時間の緊張で精神的に興奮状態となり、そのまま遊びに出かけたりレストランでビールを飲む・・・といった看護師が少なくなく、体にとっては過酷な状態です。
日勤、夜勤ともに拘束時間が長く、特に夜勤では朝まで帰宅できないため、家族の協力が欠かせない点もデメリットとなりえます。
二交代制は病院側にもメリットがある
・少ない看護師数でシフトを組める
・準夜勤スタッフ分の残業代がカットできる
・夜勤後のタクシー代の負担がなくなりコストカットできる
二交代なら三交代よりも必要人員を減らせ、準夜勤がなくなる分の夜勤手当支給がカットでき、日勤・夜勤ともに勤務明けにタクシーを利用する必要がなくその分の費用負担が減らせます。二交代制にはこのように、病院側にとって大きなメリットがあります。
三交代制のメリット・デメリット
三交代制は、24時間を8時間ずつ3つの時間帯に分け、3チームでローテーションを組む看護シフトです。
30分程度の前後はありますが、日勤が8:00~16:00、準夜勤が16:00~0:00、深夜勤が0:00~8:00で、日勤→深夜勤→準夜勤→休日を繰り返すのが標準パターンとなります。
三交代制のメリット
・勤務時間が短く集中できる、体が楽
・準夜勤の後の休日で生活リズムができやすい
一般的なサラリーマンと同じ8時間勤務で集中力・緊張感を継続できることは、人命にかかわる看護業務にとって大きなメリットです。特に新人看護師では、いきなり12時間の勤務から始めるよりも8時間の方が無理がないと言われます。
二交代制の病院から三交代制の病院へ転職した看護師からは、本当に勤務時間があっという間に感じられ、最後まで頑張れる、という感想が聞けます。
三交代制のデメリット
・残業が入ると休息ができない
・慌ただしく疲れがとれない
・連休が取りづらい
・引継ぎに時間を取られる
二交代制では次の勤務まで20時間以上あるため、例えば2時間の残業をしても十分な休息時間を確保できます。
一方三交代制では、例えば日勤→深夜勤のシフトで、16:00に勤務を終え18:00まで残業するとなると、次の出勤時間の0:00まで6時間しかなく、仮眠もなかなか取りづらくなってしまいます。
ただし残業に関しては、二交代制の場合には業務量自体が増えがちで残業で記録作業をこなすことが多かったものの、三交代制では就業時間内に終えられるよう業務量自体が減り、残業がなくなった、という体験談もあり、病院の状況による部分があります。
育児中の看護師では子供の世話をしているうちに次の勤務時間になってしまい、深夜勤の間に睡魔に襲われてしまうこともあるといいます。
そうでなくても次の勤務まで8時間の間隔では、用事や食事、入浴を済ませているうちに時間が経ち、眠ろうと思っても寝過ごすのが怖くて結局よく眠れない、という声も聞かれます。
ちょっとした仮眠程度で出勤時間を迎えれば、慌ただしさや疲労感の持越しが気になるところです。申し送り回数は必然的に多くなり、相手によってはかなりの時間を割かれてしまうことも問題点です。
二交代制と三交代制、どっちがいいの?
看護協会による調査では、1999年には病院のシフトは三交代65%、二交代35%という状況であったのが、2002年にはそれぞれが50%ずつに、2010年では割合が逆転し二交代47%、三交代31%と変化しています。
看護師の希望としては、二交代希望が47%、三交代希望が31%、どちらでもOKという方が22%と、三交代の1.5倍の方が二交代を選んでいます。
しかし実際のところどちらの勤務体制がいいかは、看護師による部分が大きいですね。
「これまで三交代でしんどかったので二交代制がいい」という方もいれば、「長時間勤務の二交代よりもあっという間に仕事が終わる三交代制がいい」「育児中なので長時間家を空けられず、三交代でなければ勤務が難しい」という方もいます。
このような看護師側の事情だけでなく、急性期の病院では夜勤が忙しくなるため、三交代でないと看護師の負担が大きくなり過ぎてしまう、といった病院側の事情もあります。
家庭環境や体力、好みに合わせ、自分が望む勤務体制の病院を選ぶのが、最も納得できる選択となるでしょう。
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看護師専門の転職サイトでは、「二交代制」「三交代制」など希望の勤務体制に絞った求人を探せるだけでなく、「夜勤入り17:00以降」「休憩3時間」などより細かい条件を担当スタッフに伝え、求人紹介してもらうことが可能です。
休暇数など福利厚生面は、病院の規模や成り立ちによっても大きく違っています。勤務時間とともに体力・精神面に大きく関わることなので、こちらも転職サイトでしっかり確認しておきたいですね。
- 二交代制では長めに休息ができる
- 二交代制は長時間勤務が体力的・精神的負担になる
- 二交代制で病院側は大きくコストカット可能
- 三交代制は短時間で集中して勤務でき体力も楽
- 三交代制は慌ただしく休息が難しい
- 二交代が選ばれることが多いもののどちらがマッチするかは看護師による
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