准看護師はそもそも、戦後の看護師不足を解消するために設けられた資格制度です。半世紀以上の時間が流れた今、「将来的に准看護師制度が廃止されるのでは」という話も聞かれますが、それでもなお准看護学校では多くの学生が学び、資格の取得を目指しています。
准看護師資格のメリットとして「働きながら免許取得を目指せる」という点が挙げられます。准看護師の資格は本当に働きながら取ることが可能かどうか、准看護学校の通学時間や費用面から検証します。
准看護学校の通学時間は?
准看護学校になるには、2つのルートがあります。
・中学卒業後、高等学校衛生看護科へ3年、定時制では4年通学
・高校卒業後、准看護師学校へ2年通学
これを修了することで、准看護師試験を受けることができます。
普通科の高校生は平日は毎日朝から夕方まで通学しますが、准看護学校ではよりゆとりのある通学時間となっています。厚生労働省の基準では、準看護学校の授業時間は1,890時間以上と定められていて、これに沿って下記のような2つのコースから選ぶことになります。
①週3日・全日制
8:30~17:00など、朝から夕方まで週に3日通学します。残りの4日間は休みなので、アルバイトやパートとして働くことができます。大学生のような生活イメージです。
②週5~6日・半日制
時間は学校によって違い、午前や午後、まれに夜間もありますが、多いのは13:00~17:00といった午後の時間で週5日もしくは6日通学します。午前中や夕方以降の時間を勤務時間に当てることが可能です。
2年目のカリキュラムには病院実習があります。時間割は学校によって様々で、都道府県によっても学習要綱が違ってくるので、近隣の学校について資料を見比べてみると良いかもしれません。
では准看護学校に通う場合、いくらぐらいの学費を準備する必要があるのかを見ていきましょう。
准看護学校にかかる費用は?奨学金は使える?
准看護学校に通うにはいくらかかる?
准看護学校には公立や医師会立などがあり、学校や受講形式によって学費が違います。月に25,000~40,000円、年間では30~48万円程度となっています。このほかに教材費、実習費用等が必要で、だいたいの目安としては年間50万円ほど、2年制では約100万円を準備する必要があります。
多くの方にとって100万円は、手軽に用意できる金額とはいえません。しかし3年制の私立短大で正看護師を目指す場合には、3年間で300~450万円程度が必要となります。比較してみれば准看護師の場合、費用を抑えて看護師資格を得ることができます。
准看護学校で利用できる奨学金
①都道府県や自治体の奨学金、生活扶助
准看護学校へ通う多くの方が利用している奨学金で、一般的に毎月の授業料程度の金額が支給されます。卒業後指定病院で、決められた期間就労することで返済が免除されます。
②病院付属学校の奨学金、生活扶助
病院によって制度は様々で、一定期間その病院に勤務することで奨学金がもらえたり、奨学金を受けたからといって、必ずしも卒業後その病院で働かなければならないというわけではない場合もあります。
しかし心理的に、奨学金をもらったからにはお礼奉公としてその病院に就職するという方が多いようです。返済免除の制度も学校によるので、しっかり確認しておきましょう。
③日本学生支援機構の奨学金
准看護学校の場合、専修学校区分で申請します。返還免除はなく、卒業後働きながら返済していくことになります。月額3万円からといった少額融資もあります。
そのほか医師会所属病院で学費減免、生活扶助を受けることができたり、複数の奨学金を同時に利用できるケースもあるので、学校を選ぶ段階でしっかり確認しておきたいですね。
働きながら准看護師資格を取れる?
奨学金の利用がおすすめ
准看護師を目指して通学する際には、学費だけでなく生活費も必要です。例えば時給800円で1日5時間、週に4日つまり20時間のアルバイトをし、さらに奨学金を利用すれば、毎月の学費、生活費をまかなうことは十分に可能です。
准看護師を目指す人の環境はそれぞれです。中学や高校卒業後すぐ働きながら通学する方、社会人として働いたのち改めて准看護師を目指す方、子育てが落ち着いた専業主婦が目指す場合もあり、学費に充てられる貯金額、工面すべき金額は人それぞれです。
あまり貯金がないという方でも、奨学金とアルバイト・パートで工面が出来ないか調べてみてください。
働きながら学ぶ学生が多い
実際にパートやアルバイトとして働きながら准看護学校に通っている方は大勢います。通学時間以外で働けるバイト先を自由に探してもいいですし、系列病院での看護助手、医療事務のアルバイトなら、勤務時間の希望にも応えてもらいやすくなります。
准看護師になった後には、10年以上の実務経験を積んだのち、通信制の学校で学んで正看護師資格を目指すこともできます。
看護師のなかでいち早く医療現場で働くことができる准看護師は、働きながら目指しやすい資格でもあります。夢を諦めることなく、まずは通える学校や奨学金制度について資料を集め、計画を立ててみてください。
- 准看護学校は全日制、半日制を選べる
- 平均して100万円程度の学費が必要(学校による)
- 自治体や付属学校など、いくつかの奨学金制度を利用できる
- 奨学金とアルバイトで学費、生活費をまかなえる可能性
- 実際に働きながら准看護学校へ通う方は多い
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