専門看護師とは日本看護協会(JNA)により、10種類の専門分野に関して卓越した看護実践能力を持つと認定された看護師を指します。
その専門看護師として認定される10種類の専門分野の内訳は
「がん看護」、「精神看護」、「地域看護」、「老人看護」、「小児看護」、「母性看護」、「慢性疾患看護」、「急性・重症患者看護」、「感染症看護」、「家族支援」
です。
これらはいずれも専門性の高いジャンルであると同時に、卓越した看護能力を有する看護師が必要とされる分野といえるでしょう。
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資格認定制度 | 日本看護協会 » 審査に関するご案内 専門看護師
日本看護協会では専門看護師について「より高質な看護提供のための知識と技術を備えた看護師」と規定していますが、実際の医療現場や就職・転職に関してのメリットなどはあるのでしょうか?
実は現状では専門看護師の資格は、必ずしも就職や転職を有利に導いてくれるとは限りません。というのは、看護師はすでに国家資格である看護師資格を取得しているわけで、多くの病院やクリニックはそれ以上の資格を求めていないためです。
むしろ専門看護師の資格よりも、看護師としての病棟経験や診療科の経験などを重視する現場が主流となっています。これは未だ専門看護師という資格の社会的な認知度が低いことと、病院やクリニックでは資格よりも現場経験を重要と考える傾向があるためと考えられます。
では専門看護師の資格には何のメリットもないのかといえば、実際にはそうとばかりは言いきれません。
日本看護協会による調査では、専門看護師の資格取得後の変化として「専門看護師手当てが付いた」、「職位が上がり昇給した」、「職位や給料が上がり、専従ポジションを獲得した」などの結果が出ています。
専門看護師については、病院やクリニックなどに資格取得者が勤務していると「当院(当クリニック)には専門看護師が○○名います」というような宣伝を行なうことができます。
これは病院やクリニックにとって信頼性や専門性を示す格好の材料となるところから、積極的に専門看護師を雇用したり在職中の看護師の資格取得を支援するケースも見受けられます。
当然のことながら、こうした病院やクリニックへの転職では専門看護師資格が大きなメリットとなるだけでなく、給与や待遇などにもメリットが期待できるでしょう。
専門看護師になるには
この専門看護師の資格を取得するには、看護系大学院修士課程修了者で所定の単位を取得していることと、看護師国家資格を取得して実務経験5年以上(うち各専門分野の実務経験3年以上)であることを条件としたうえで、日本看護協会による認定試験に合格する必要があります。
上記の資格試験受験条件のうち看護系大学院の修士課程は約2年間ですが、この期間中は授業料や教材費だけでも200万円以上が必要といわれており、さらに生活費などを含めるとかなりの出費になることは間違いありません。
その後も専門分野(3年間)を含めた実務経験が5年以上必要になりますので、就業先に関しても充分な考慮が必要となってきます。もし専門看護師の資格を目指すなら、専門看護師資格の支援制度が整っている病院に転職するという方法もあります。
支援制度の内容は病院によって異なりますが、費用の一部負担や身分保証、研修日の職務免除といった体制を整えているところもあり、このようなバックアップがあればかなり有利ということができるでしょう。
なお、専門看護師の下位資格として「認定看護師」があります。詳しくは下記をご覧ください。
認定看護師を目指すなら
下記は、専門看護師に関連する記事です。よかったら参考にしてください。
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専門看護師をサポートする病院に転職しましょう
先ほども書いた通り、専門看護師を独力で目指すのはかなり困難です。
その後の転職のことも考えると、もし専門看護師を目指すなら、そうしたサポート体制が
整った病院に転職をした方が、長い目で見るとよいかもしれません。
下記では、おすすめの看護師求人サイトを紹介していますので、サイトに登録した上、担当エージェントに、その旨相談してみるのもよいかもしれません。
看護師の転職サイト、おすすめは?
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