ひとくちに「看護師のキャリアアップ」といっても、その内容は実に多岐にわたっています。
キャリアアップとは能力や資格を身に付けてより高い経歴(=キャリア)を獲得することをいいますが、看護師がキャリアアップを目指す場合、どのような方法があるのでしょうか?
管理職(師長、看護部長)を目指す
看護師のステイタスの一つといわれるのが、看護師長や看護部長といった管理職です。師長は看護部の現場の要ともいうべき存在で、看護師の人事やスケジューリング、看護職に対する教育や指導、医療事故防止などの業務を担当します。
一方、看護部長は師長よりも上位の管理職で、看護部全体の目標や方針を定める、医療事故防止の責任的立場となる、院内の他部署との連携を図るなどの役割を担っています。
ちなみに看護師には師長や副看護部長、看護部長などの職位で管理経験が一定以上ある等の条件を満たしたうえで認定審査を受けられる日本看護協会による認定看護管理者(CNA)という資格もあります。
認定看護師、専門看護師を目指す
日本看護協会が審査および認定するのが、看護のプロフェッショナルである認定看護師と専門看護師の資格です。認定看護師は緩和ケアやがん化学療法看護など21分野、専門看護師は小児看護やがん看護など10分野があります。
いずれも高スキルで熟練した看護技術や卓越した看護実践能力を持つとされる看護師と認められた資格で、実践のみならず他の看護職へのコンサルテーションや医療チーム内のコーディネートなどの役割も担っています。
各看護分野の専門化や需要レベルに変化により、今後さらに分野数が増えることも予想される認定看護師や専門看護師はキャリアアップには欠かせない資格の一つといえるでしょう。
介護ケアのスペシャリストを目指す
看護師として働くうえで、介護ケアは避けて通れない分野の一つです。超高齢化社会といわれる現在、看護業務に関する知識や技術に加え、介護ケアに関する資格を取得したいと考える看護師も少なくありません。
介護ケアのキャリアアップに役立つ資格としては、心身に障害がある人の介護と指導を行なう介護福祉士、要支援・要介護認定を受けた人のケアプラン作成や調整を行なう介護支援専門員(ケアマネージャー)などがあります。
語学力で外資系企業社員を目指す
キャリアに加え大幅な収入アップが期待できるのが外資系企業への転職です。看護師資格の所有者の外資系への転職先としては、CRCやCRA、MR、DIなどの職種で求人が多い医療機器メーカーや製薬会社などが挙げられます。
その主な業務内容としては治験コーディネートや臨床開発モニタリング、医薬情報担当、クリニカルアドバイス、クライアント向けコールセンターなどがあり、いずれも看護知識や経験に加え語学力、コミュニケーション能力などが必要とされます。
上記のほかにも看護大学や看護専門校の教授や教員、日本看護協会の役員や理事などを目指すことも看護師としてのキャリアアップの一つの方法といえるかもしれません。
以上見てきたように、一口に看護師のキャリアアップといっても、その方向性が実に色々あります。下記では、看護師キャリアップ関連の記事を紹介していますので、よかったら参考にしてください。
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看護師のキャリアアップ資格は他にも・・・!!
看護師のキャリアアップ資格は他にもあります。看護師の資格や経験を活かして、新たなフィールドで活躍したい、とお考えであれば、やはり助産師や保健師が挙げられるでしょう。
助産師を目指す
助産師は、出産における女性たちのサポートや、赤ちゃんの誕生をお手伝いする重要な職業です。
異常分娩など、困難を極める出産の場合は産科医が対応する必要がありますが、正常分娩の場合は助産師が主体となって取り組むことができるため、看護師とはまた違った責任感ややりがいを感じることができるでしょう。
近年は少子化が叫ばれていますが、それに伴い産院や助産師が不足してきていると言います。
とは言え、助産師は、命の誕生が続く限り需要が高い仕事でもありますので、求人倍率は依然として高く、転職における間口が広いという点でも、看護師のキャリアアップとして人気の職業です。
保健師を目指す
保健師は、地域の人々の病気やケガを予防し、健康を維持するための指導や健診を行うお仕事です。なんと、6割の保健師が公務員として働いており、医療系資格の中でも安定性の高い職業として知られています。
最近では、職場におけるパワハラや過酷な労働環境によって、うつ病を発症する人が増えてきました。そんな従業員たちの心と体を守るべく企業で活躍しているのが、産業保健師です。
このように、保健師の職場は、行政機関や企業がほとんどで、土日休みで残業が少なく、定時で上がれる職場が多いことから、女性看護師に人気のスキルアップ資格となっています。
キャリアアップを見据えた転職を!
看護師の職場でも、キャリアアップを図れる職場と、そうでない職場があります。たとえば、認定看護師のような資格を取ることを積極的にバックアップしてくれる職場もあれば、そうした資格を取るためには退職を強要されるような病院もあります。
自分のキャリアプランを持つことは大事ですが、それを実現できる環境に身を置くことも大事です。もし、ご自身の職場がキャリアアップの実現に向いてないのであれば、転職を考えた方がいいでしょう。
以下では、看護師のためのオススメの転職支援サイトを紹介していますので、よかったら参考にしてください。
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