看護師のキャリアアップ資格、ACLS

『ACLS』という言葉を聞いたことがあるでしょうか？

これは看護師がキャリアアップとして取得することができる資格の名前のひとつです。耳慣れないという人のために、ここではACLSについて掘り下げ、解説していきたいと思います。

『ACLS』とは

救命処置に関する資格

『ACLS』は救命処置に関する資格のひとつで、『日本ACLS協会』が運営しています。『AHA（アメリカ心臓協会』という協会のガイドラインに沿った形で作られた資格ですが、AHAが運営しているACLSの資格もあります。

救命処置関連の資格には『BLS』と『ACLS』があり、BLSは一次救命処置におけるプロに向けたコースになり、BLSは一般の人も受講が可能ですが、ACLSは二次救命処置を学ぶ医療従事者向けの資格です。そのため、医師や看護師といった医療従事者が多く取得しています。

心肺蘇生法など、救命処置についてはいざというときに不安になってしまうことがないよう、自信をつけたいもの。ACLSの取得を通して救命処置についてしっかり学ぶことで、いざというときの不安を解消することができるという人が多く、資格取得者は年々増えているようです。

ACLSは2年ごとに更新する必要がある

医療関係の資格は、定期的に更新を行い、それに伴って講座や研修を受けなければならないと決められているものが多いですが、ACLSも同様で、2年ごとに更新の必要があります。

心肺蘇生法などの救命処置に関しては、医療の進化とともに変更が入ることもままありますので、更新にともなってこうした訓練を再度受講するのは重要なことです。

受講について

ACLSを受講する人には内科医や循環器医などの医師が多く、受講内容もレベルが高いといわれています。

医師ではない看護職ももちろん受講が可能ですが、トレーニングは複数名でグループになって行われるため、看護師の方で医師に囲まれて受講することに緊張してしまう人、抵抗があるという人は、日本ACLS協会が看護職向けのコースを展開しているようなので、そちらを受講するのもひとつの方法です。

『ACLS』を学べるコースとその内容について

ACSLの資格を取得するための講座は、日本ACSL協会とAHAの2つの団体が展開しています。また日本ACLS協会では、看護職向けのACLS取得コースを解説しています。

以下に各協会が運営しているコースの概要をまとめました。

ACLSプロバイダーコース（AHA）

AHAが運営するACLSプロバイダーコースは、受講前にBLSの資格を取得し、カードの提示ができることが受講条件となります。二次救命処置における脳卒中や心血管エマージェンシー対しての処置法などを学びます。

グループでトレーニングがあり、受講後に実技試験と筆記試験を受験し、合格すると認定カードが発行され、ACLSプロバイダーコース資格取得者として認められます。

受講時間は7時間で、ACLSプロバイダーコース同様AHA監修のテキストが必要です。
予習の必要性においてもACLSプロバイダーコースと同じですので、テキストをしっかり読んでおきましょう。

ACLSプロバイダーコース（日本ACLS協会）

資格取得における受講内容については、AHAと大きな違いはなく、受講期間も2日間です。日本ACLS協会のACLSプロバイダーコースでは、マネキンを使用して行なう人工呼吸など、救命処置の実技があります。

受講についてはAHAが監修したテキストが必要で、こちらは事前に受講者が自分で用意し、予習しておく必要があります。

受講においても必ず持参し、テキストがないとコースの受講ができないので注意しましょう（ただし、当日販売をしているセンターもあるようです）。

ACLSインストラクターコース（日本ACLS協会）

こちらは、前述した日本ACLS協会のACLSプロバイダーコースを取得した人で、さらにスキルアップしたいという方が目指す資格です。ACLSプロバイダーコースのほかに、BLSインストラクターコースを取得している人も受講できます。

そのほか、これまで資格を取得したトレーニングサイトのサイト長からの推薦を受けた人も受講が可能です。

そのほか、前述した日本ACLS協会が展開している看護職向けのACLS取得コースなどもありますので、ご自身の適性や受講内容をよく検討し、コースを選ぶとよいと思います。

＜看護師のキャリアアップ資格、ACLS・まとめ＞