准看護師は、中学・高校卒業後に専門的な教育を受けて資格を取得するのが一般的でしたが、近年資格取得や医療現場で働くことを目的とした社会人受験者も増えてきています。
そのため受験生の年齢層の広がりを見せ、資格取得までの経路・経緯も多彩になりつつあります。今回は准看護師を目指す方々のために、複数存在する准看護師になる方法についてご説明していきましょう。
准看護師になる方法
准看護師となるためには、都道府県知事の行う准看護師試験の受験資格を取得した上で受験に合格し、准看護師の都道府県知事免許を取得する必要があります。そのため、まず行わなければならないは、受験資格をえるための専門教育をうけることとなります。
准看護師の試験資格を取得する方法には、以下の2つがあります。
2.中学卒業後、高等学校衛生看護科を卒業する
1の准看護師学校は教育課程の日程が2種類あり、全日制の場合は週3回、半日制の場合は週5回の通学となります。
看護師学校は2年間のカリキュラムを修了することで准看護師免許の受験資格が得られ「中学卒業後准看護師学校に入学→卒業して准看護師試験受験資格を取得」というコースが、准看護師への最短コースとなっています。
2の高等学校衛生看護科は中学卒業後に入学でき、准看護師養成コース(2年課程)と正看護師養成コース(3年課程)が併設されているケースが多く見られます。
しかし、准看護師養成コースを選択すれば2年で卒業して受験資格が得られるかというとそうではなく、高校であるため3年間在籍する必要があります。そのため、中学からすぐに准看護師学校へ入学するよりも、受験資格取得まで1年の遅れがでることとなります。
准看護師学校、高等学校衛生看護科を無事修了できれば受験資格を得ることができます。なお、特殊なルートとして「自衛隊の准看護師養成所施設でカリキュラムを受ける」「医療刑務所における循環技師養成施設で教育を受ける」といったものもあります。
受験資格を得た後は、准看護師試験(都道府県知事試験)を突破することで准看護師免許が取得できます。
准看護師の学校に通う、入学費用など
准看護師の受験資格を得るためには、准看護師学校もしくは高等学校衛生看護科で専門的な教育を受ける必要があります。しかし、准看護師学校も高等衛生看護科も国公立・私立・医師会立などがあり、卒業まで必要となる費用も学校によって様々です。
相場としては
- 准看護師学校(准看護師養成所):200~300万円前後
- 高等学校衛生看護科:200万円前後
とされていますので、参考にしてみて下さい。
なお、准看護師は正看護師よりもカリキュラムを修了までの費用が少なくて済むというイメージを持つ方も多いかもしれませんが、そういったことはありません。むしろ、国公立の看護専門学校には公的資金が入っているため、無料もしくは割安というところも少なくありません。
入学や卒業までの費用だけを考慮して准看護師を目指すという方は、通学可能な範囲の准看護師学校(養成所)だけでなく、国公立看護専門学校なども確認し、費用についてしっかり調べてみることをおすすめします。
また、私立の准看護師養成所や看護専門学校はホームページなどで必要となる入学金や費用を公表している所が多いですが、国公立の学校の場合は直接問い合わせたり資料を請求したりしないと、確認できないケースが多いので注意が必要です。
准看護師学校のカリキュラム
准看護師学校のカリキュラムには色々な形式がありますが、全日制のものと半日制のものが一般的となっています。また全日制は週3回、半日制は週5回というケースが多いですが、全日制でも週5回以上授業している場合もあり、日程については統一されておらず、学校によって変わってきます。
もし、社会人になった後に働きながら准看護師資格を取得したい、といった場合は、志望する学校の時間割を確認し、仕事を持ちながらでも無理なく通えるかどうか確認しておきましょう。
学習カリキュラムには
- 基礎科目
- 専門基礎科目
- 専門科目
- 臨床実習
の4科目があります。
准看護師教育のカリキュラムは平成14年に大幅に改定され、より専門性が高く密度の濃いものとなりました。従来総時間数は1500時間と規定されていましたが改訂後は1890時間に増加され、特に専門科目の内容が充実し、医療現場で即戦力となれる実践力を養う教育体制へと変化しました。
准看護師の資格試験について
准看護師試験は例年2月中旬に開催されます。准看護師免許は正看護師の国家資格とことなり都道府県知事免許となります。そのため、試験日も試験場所も、各都道府県知事が指定した日時・会場となるため注意が必要です。
合格基準は保健師助産師看護師施行規則によって「各合格者の得点がいずれも満点の100分の60を下回らないことと」と定められています。簡単に言ってしまえば、満点中60%以上の得点率で合格ということですね。
合格率は比較的高く94%ほどとされています。専門学校・専門養成コースでカリキュラムを修了した人だけが受験するため、例年合格率は高めで推移しています。
試験内容と設問数は以下の通りです。
- 人体の仕組みと働き 9問
- 食生活と栄養 3問
- 薬物と看護 3問
- 疾病の成り立ち 6問
- 感染と予防 3問
- 看護と倫理 2問
- 患者の心理 3問
- 保健医療福祉の仕組み 2問
- 看護と法律 2問
- 基礎看護 43問
- 成人看護 36問
- 老年看護 14問
- 母子看護 12問
- 精神看護 12問 (出題形式:客観式)
これを見てもお分かりいただける通り、試験科目・問題数共に多く、問題数に至っては150となっています。そのため、試験時間は一問につき1分程度と想定されています。
試験は一日で終了し、合格発表は例年三月中旬から下旬の都道府県知事の指定日となります。
准看護師から正看護師になるには
准看護師から正看護師になる方法には、次のようなものがあります。
これらの学校で専門のカリキュラムを修了すると国家試験受験資格が与えられ、試験に合格すると晴れて正看護師となることができます。
准看護師から正看護師を目指す方の多くが、医療現場で働きながら看護学校へ通学したり通信教育を受けたりなさっています。働きながらのキャリアアップは大変ではありますが、学費や生活費などを仕事の収入で賄うことができるというメリットがあります。
しかしながら、働きながら看護学校へ通うことには、上司や同僚、職場の協力が必要となってきます。とはいえ、近年日本看護協会が准看護師に向けて、正看護師になるためのバックアップを行うという姿勢を見せていることから、以前に比べると理解は得られやすい状況にあります。
また、経済的な理由から看護学校へ通学することをためらっている方、断念している方は、受けられる奨学金制度などがないか調べてみることをおすすめします。
准看護師の受験資格を取得する看護学校や養成所には、特に年齢制限などがないため、社会人として働きながらでも通えるのが大きな特徴です。
最近は、学校に通うことに理解を示す職場も増えてきていますし、就業支援を行っている病院なども少しずつ増加しています。これから就職・転職して看護学校や養成校へ通おうと考える方は、職場の体制もチェックしてみると良いでしょう。
ただし、就学支援つきの求人は一般的な求人情報サイトなどでは非常に見つけにくいというのが実情です。そういった時は、同じ看護師仲間から情報を集めたり、転職支援サイトのキャリアアドバイザーに条件付きで求人を紹介してもらったり、色々と工夫すると良いでしょう。
- 准看護師になるには、准看護師学校に通うか、高等学校衛生看護科に通うかの二通りある!
- 准看護師の試験、合格率は94%と高め!
- 准看護師から正看護師へキャリアアップする人も多い!
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