看護師の転職体験談(25):精神科病院から訪問看護ステーションへの転職


(写真はイメージです)

(神奈川県・30代前半・男性)


転職前の仕事

転職前は精神科単科病院の急性期病棟で働いていました。業務内容としては日々のリーダー業務、入退院の対応、隔離室の対応(ES療法補助も含む)、採血、バイタル測定、外出付添い、通院付添い、作業療法補助など様々な業務内容がありました。

また、病棟の中ではAチーム、Bチーム、Cチームと3チームに分かれており、チームで業務改善や看護研究などを行います。業務改善は毎日15時になると短時間カンファレンスが開かれ、業務改善が提案されます。

例えば、患者さんの自己管理能力を上げるにはどうしたら良いか。病棟内の5Sを進めるにはどうしたらよいか。など患者視点、スタッフ視点双方を考えた業務改善がなされています。また、看護研究では行動制限をいかにして少なくするか。

水中毒の患者へのサポートをいかにしていくか。などが挙げられ、チームで考えて、なおかつ病院内で実践報告会があるのですが、そこで発表したりしてプレゼンテーション能力も養っていました。通常の業務だけではなく、日々の改善、研究を同時にできる病院であったので非常に働き甲斐があり、この病院では約5年間働いていました。

転職を考えた転帰

5年間働いていた病院から転職するきっかけになったのは以前病棟で一緒に働いていたとある看護師さんの一言でした。「一緒に訪問看護やってくれないか?」と言われたのです。初めは何を言われたのかをあまり理解できずにいたのですが、要はスカウトでした。

今まで5年間働いて、今からようやく昇進したり、後輩が徐々に増えてきてプリセプターなどを行えると考えていた矢先の事だったので、そう言われた時は非常に迷いました。


まず相談したのは同じ看護師でもある妻だったのですが、妻の意見は『あなたの好きなようにすればいいのではないか?』でした。それから自分の今度の事を考えたのですが、今後は子供も出来た生活を想像すると夜勤があったりして子供と中々会えない日々があると思うと訪問看護のような主に17時に終わる仕事も良いのではないかと感じました。

ただ、転職の結論を決めるには中々決め手がなく、悩んでいたところ、働いている病院の上司からこう言われました。「色々な経験をすることは非常に良いことだし、もし経験をして失敗してもこの病院は君を待っているよ」と。

元々信頼感が熱く、誰からも慕われる上司だったのですが、その言葉でとりあえずは訪問看護でやっていこうと決意が出来ました。

転職活動

転職活動としてまず行った事は、訪問看護はどのぐらいの給料を得るのが妥当なのかを調べる事でした。いくら知り合いの誘いだからと言って給料が低かったらそれはどうしようもありません。

給料が低かったらそのまま今の病院へいることも考えていたのですが、給料を調べていくと、残業なしでも手取りで28万円程度になるところも割とあり、訪問看護でも十分な給料を得ることが出来るのではないかと感じました。


現在の病院の給料は夜勤4回入って手取りが26万円ほどだったので転職を前向きに捉え始めました。次は実際に転職先となる訪問看護の知り合いの看護師へ連絡し、どれぐらいの業務量でどれだけの給料が得られるかを尋ねてみました。

すると1日8件ほどの訪問で給料は手取りにすると29万ほどになると言うのです。業務量も今の病院と比較すると断然少なく、訪問してもバイタル測定をして家族と近況を話して終了となる場合も結構あるそうなので、知り合い曰く「おいしい仕事だよ」と言われました。


ただ、かなり小規模で行っている事業所であったので福利厚生は整っておらず、寮などももちろんなく、住宅手当などもありませんでした。以上の事を再度妻に伝えて家族会議を行ったのですが、妻も「やってみてダメだったらまた転職すればいい」と背中を押してくれました。

元々在宅に興味があり、働いていた精神科病院でも訪問看護要員として駆り出されていたこともあったので少しだけ経験はありました。

働くと決めるとそこからは段取りが早く、事業主(こちらも看護師)との面接を行いましたが、まずはどの程度の業務内容を想像しているかを聞かれたので、自分が精神科病院で取り組んでいた訪問看護の様子を伝えましたが、「そんなに忙しい業務ではないですよ」との返答があり、基本的な業務内容を伝えられました。


希望する給料額も聞かれたので以前の病院で頂いていた給料額以上を提示しましたが、「それ以上にはなりますし、適宜昇給もしていきますよ」と言われました。そして、20分程度の面接が終わりに差し掛かると、「一緒にやっていきましょう。仲間も沢山いるので心強いですよ」と採用を決めていただきました。

面接当日に働いているスタッフへ紹介してくれたり、面接の時間が就業近かったので「このまま食事でもどうですか?」と誘われたりと全面的に受け入れてくれたので非常にうれしく感じました。

転職後

面接で採用が決まってから2か月後に入職となったのですが、まずは2週間の研修期間が設けられて、訪問看護の中でも重要な接遇から身体管理・精神管理の見方など様々な研修メニューがあったので、訪問看護でも身に着けられるスキルは沢山ありそうだなと期待を寄せました。

その期待通り、研修後の臨床を体験してからは毎日勉強の日々で内科を中心とした疾患の方もいれば、整形を中心とした疾患の方、2次的な障害で精神症状を悪化させている方など、通常の看護では味わえない患者さんを看護することが出来たり、家族の方と話す事で家族の方が日頃悩んでいる事を知り、その中で患者さんだけでなく家族にも援助できることはないかと考えさせられています。


特に関心があったのは精神科疾患を持ち合わせながらも脳梗塞になってしまった患者さんで、統合失調症を発症している60代の男性だったのですが、幻聴や幻覚を持ち合わせており、いつもアベックの声で家の周囲をパトロールしろという声が聞こえているそうです。

その患者さんには精神科の服薬管理と片麻痺に対するリハビリを一緒に行ったのですが、それも在宅ならではと感じました。

また、訪問看護なので訪問先から次の訪問先までは談笑できるので、そこで患者さんの情報交換や評価のすり合わせが出来るので非常に有意義な時間となっています。給料も事前の説明通り手取りで29万円だったので家計的にも助かっています。

まとめ

転職を考える上で第一候補となってくるのはやはり病院や老人保健施設が中心となってくると思います。ただ、訪問看護など在宅で看護を提供すると言う事も今後の日本を考えると非常に重要です。

訪問看護はスキルアップが難しいイメージや何をしているか分からないというイメージもあるため、そのような状況を改善して幅広く看護の働く場が増えてくれればと願っています。

私のような知人から職場を紹介されてそのまま転職する人も多いと思いますが、業務量と給料、業務量とやりがい、やりがいと給料をよく天秤にかけて自分が何を重視しているのかを吟味しながら転職を目指していってもらえればと思います。

また、転職を考えた上で大事なのは人間関係です。看護は人と人のつながりで支援していくものだと思うので、人間関係がよい職場環境をいかにして見つけて定着していくかが長く勤めていくには必要です。人間関係で悩んでいる方も多いと思いますが、転職活動をうまく利用して人間関係の円滑な職場を探していってもらいたいです。

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