看護師になりたいけれど、ココが不安、ココが分からない、といった疑問があると思います。看護師になった後のキャリアについても、しっかり考えておきたいものですよね。
そこで、看護師の試験や学校に関してよくある質問についての回答、そして看護師のキャリアアップ資格のなかから、いくつかを簡単に紹介します。
目次
看護師を目指す人のためのQ&A!
中卒でも看護師になれる?
中卒でも看護師になることができます。最も早い方法では、2年制の准看護師学校で学ぶことで准看護師試験を受けられます。その後3年間准看護師として働いたのち、2年制の専門学校を履修することで正看護師の受験資格が与えられます。
高校の衛生看護科に進学し、3年間修学して准看護師になる方法もあります。さらに高校併設の専門科で2年学ぶことで正看護師受験資格が得られます。
中卒で看護師になるメリットは、いち早く看護師となって収入を得ることができる点です。中卒だから就職に不利、ということはありませんが、入職後に収入格差や働きにくさを感じるケースはあるようです。
学校の成績は関係あるの?
基本的に、学校での成績は就職にはほとんど影響ないと言えます。ただし学生から人気が高い病院や、大学付属・国立など成績を比較的重視する施設では、採用の可否に成績が考慮されるケースがあります。
そのような病院では、就職希望者に履歴書、卒業見込み証明書のほか、成績証明書の提出を求めています。成績の良し悪しだけでなく、バランスよく学んでいるかどうかを重視するという施設もあります。
採用担当からは「成績よりも人柄ややる気、面接を重視する」という声が聞かれ、採用時に問題になるほど成績が悪いような場合を除いて、気にし過ぎる必要はないようです。
資格を取るのにいくらかかる?
学費は、専門学校よりも大学の方が、国公立よりも私立の方が高額となります。看護学校では、国公立150万円に対し私立では300万円、そして大学では国公立200万円に対し私立では500万円が平均的な学費です。
当然費用を抑えられる国公立の方が入試倍率は高くなります。国公立の施設数は限られるため、通学の都合で私立に通うケースもあるでしょう。准看護師になった上で正看護師を目指す場合、日中は働きながら通信や夜間で学び、費用負担を減らす方法があります。
日本学生支援機構のほか、各病院で実施している奨学金制度があり、その病院で働くことで返済が免除されるシステムもあり、事前にしっかり調べてから利用したいものです。
看護師になる年齢制限はある?
看護師免許を取得できる年齢の下限は、准看護師では17歳から、正看護師では20歳からとなります。そして免許取得年齢の上限は設けられていません。実際に看護学校では、10代~60代の幅広い学生がいます。
とはいえ看護学校の入試倍率の高さや、入学後の学科や実習、入職後の業務内容はかなりハードなものであることから、高齢になるほど大変に感じられます。職場では、年長であっても謙虚な姿勢で、年下の先輩から学ぶ環境におかれます。
求人情報に年齢制限が書かれていなくても実際には上限があることがあり、新卒未経験で高齢の場合、選べる求人は限られてくるでしょう。
社会人から看護師になれる?
いったん社会人になった後に改めて看護師を目指すことは可能であり、実際にそうして看護師になる方はたくさんいます。准看護師か正看護師かを選び、通学する学校を決めて入学試験を受け、必要な年数を学んで免許を取得します。
看護学校では、面接と小論文のみの社会人入試がありますが、倍率が高いので一般入試との併願がおすすめです。女性でも安定して高収入を目指せる看護師は魅力的な職業ですが、勉強の過程や業務内容は決して楽なものではありません。
自分の適性を判断し、入職後様々な困難があっても目標をもって進んでいけるかどうか、まずはよく考えてみてください。
- 中卒で看護師になるには2つの進学法がある
- 学校の成績は基本的に関係ないが、なかには配慮する病院もある
- 学費は150万円~500万円まで学校により様々、奨学金制度もある
- 免許取得に年齢制限の上限はないが、高齢になるほど大変
- 社会人から看護師になれるが事前によく検討しよう
以下では、看護師の資格・学校・試験に関する記事をまとめています。詳しく知りたい方は、ぜひ下記の記事もあわせてご覧くださいませ。
看護師の資格・学校・試験に関する記事
- なぜ看護学科が増えているの?
- 看護助手のキャリアアップ、看護師を目指すには
- 中卒でも看護師になれるの?
- 看護師の就職で学校の成績は関係あるの?
- 社会人から看護師になる、注意点は?
- 看護師の資格を取るのに費用はいくらかかる?
- 看護師資格に年齢制限はあるの?
- 看護師の奨学金って全額を一括返済すべきなの?
- 集中ケア認定看護師の仕事と役割
- がん看護専門看護師の仕事と役割
- 救急看護認定看護師の仕事と役割
- 不妊症看護認定看護師の仕事と役割
- 皮膚・排泄ケア認定看護師の仕事と役割
- 感染症看護専門看護師の仕事と役割
- 母性看護専門看護師の仕事と役割
- 糖尿病看護認定看護師の仕事と役割
- 新生児集中ケア認定看護師の仕事と役割
- 手術看護認定看護師の仕事と役割は?
- 精神看護専門看護師の仕事と役割は?
- 小児看護専門看護師の仕事と役割は?
- 認定看護師の支援制度について
- 地域看護専門看護師の仕事と役割は?
- 透析認定看護師の仕事と役割は?
- 認知症認定看護師の仕事と役割は?
- 訪問看護認定看護師の仕事と役割
- 緩和ケア認定看護師の役割は?
- 老人看護専門看護師の仕事と役割
- 看護師資格の試験と学校
- 正看護師の資格と仕事について
スキルアップしたい!看護師資格も色々あります!
看護師のスキルアップ資格としては、日本看護協会が制定する専門看護師、認定看護師があります。2016年時点で、看護ケアのスペシャリストとなる専門看護師では11分野、臨床現場におけるエキスパートである認定看護師では21分野が特定されています。
ここでは6つの分野について紹介しますが、いずれの資格を取るためにも専門分野での実践を積め、修学支援のある環境が必要です。そのような職場探しには、転職サイトの利用が便利です。
ガン看護専門看護師
質の高いがん看護を提供し、患者や家族のQOLを尊重した治療、緩和ケアに努めます。がん看護チームをコーディネートし、セミナーや勉強会などでがん看護の知識を普及する役割を持ちます。
研究意欲や指導力、コンサルティング力のほか、強靭な精神力が必要とされる仕事です。がんセンターや急性期病棟、がん相談支援室を含めあらゆる病棟での活躍が可能で、役職に就くためのアドバンテージ資格にもなります。
母性看護専門看護師
産前産後のナイーブな時期のお母さんたちを対象に、メンタルケアを含め幅広い面で看護、サポートをします。子供に対する愛情だけでなく、出産、流産や死産を経ての妊娠など、サポートの時期、内容は多様です。
メンタルケアだけでなく妊娠、出産に関する幅広く専門的な医療知識、看護技術を身につけること、ホルモンバランスの影響で不安定になりがちな患者やその家族を支えるコミュニケーション能力が求められます。
精神看護専門看護師
精神分野看護のプロフェッショナルとして、精神疾患の患者に高水準の看護を提供します。リエゾン精神看護の役割として、他の診療科の患者の精神看護を行ったり、看護師やケア提供者ら院内スタッフへのコンサルテーションをするのも仕事です。
患者やその家族を支える医療福祉関係者のコーディネーションを行ったり、精神看護知識・技術向上のための研究を担います。
救急看護認定看護師
迅速に最善の処置が行えるよう、先を読んだ行動力で救急看護を行うのが第一の役割です。あらゆる臓器に関する全症状を扱うため、多様な部署経験があること、得意分野があることが強みになります。
患者の家族や親族のケア、緊急対応教育や災害医療マニュアルの作成、訓練の企画、啓蒙活動も業務に含まれます。高度救急救命センターや救急指定の病院、災害拠点病院などで主に活躍しています。
皮膚・排泄ケア認定看護師
患者のケアで欠かせない褥瘡などの創傷管理、ストーマ、失禁などの排泄管理、さらには患者やその家族の自己管理・セルフケア支援に関して、高い専門知識、技術を持つ看護師です。
外科や内科だけでなく、介護施設やデイサービス、訪問看護分野でも専門性が活かされ、入院期間短縮化の影響でストーマケアの重要性が増しています。人間の尊厳に関わり、患者のQOL向上に欠かせない分野です。
手術看護認定看護師
術前~術中~術後の周術期に渡りトータルに継続した看護を行います。患者を主体とた手術環境の調整、手術スタッフとのコミュニケーションやサポート、一般看護師の指導を行います。
患者の主体的な意思決定や行動が、術後の回復に大きく役立ちます。手術という患者が受け身にならざるを得ない状況に関し、できるだけその主体性をサポートするのが認定看護師の役割です。
- がん看護専門看護師はあらゆる病棟での活躍が可能
- 精神看護専門看護師は他診療科や医療スタッフのケアも行う
- 救急看護認定看護師は多様な分野での経験、強みがあると良い
- 皮膚・排泄ケア認定看護師の担当分野は重要が増す傾向