産科看護師への転職の注意点は？

病院やクリニック勤務の看護師は、それぞれの病棟に配属されて働くことになりますが、看護師によって希望する配属先があるようです。

ここでは、産科病棟で働くににあたってのさまざまなポイントや注意点について解説します。

産科で働く看護師の仕事

産科・産婦人科・婦人科の違い

以前は産科と婦人科が分かれている病院は少なく、ほとんどが『産婦人科』としてお産も、婦人科系疾患についても取り扱っていましたが、今は産科と婦人科どちらかのみの診察をしている、という病院も少なくありません。

大きく分けて、産科は妊婦さんやお産を扱う病院、婦人科は婦人科系疾患の診療を行なっている病院、産婦人科はその両方を診る病院になります。

ここで注意したいのが、産婦人科と看板が出ていても、必ずしも産科と婦人科の両方を扱っているわけではないという点です。

例えば、以前は産婦人科として両方の診察をしていたけれど、お産を担当する院長などが高齢になってお産に対処できなくなったため、妊婦健診と婦人科系は扱うけれど、お産はしないというと病院もあります。

産科で働きたい場合には、産科でどのような看護業務を行いたいかを明確にした上で、病院の行っている診察内容と照らしあわせるとよいでしょう。

産科の仕事内容

産科で働く看護師は、妊婦の定期検診やその他検査の補助業務、分娩の補助、妊婦が受けた診察に対しての看護や説明、帝王切開手術の補助業務などがあります。

お産や妊婦健診など、妊娠に関しての看護業務のほかは、ほかの病棟とだいたい同じような看護業務が入ると考えてよいと思います。

ただし、妊婦でも風邪やそのほかの疾患で病院にかかることも多々あり、その場合はお腹の赤ちゃんのことを考慮して、まずは産科に訪れるという患者も少なくありませんので、その場合には妊婦であるということを踏まえた上での看護業務を行わなければなりません。

例えば妊婦が風邪をひいて診察を受けた際、服薬する薬が胎児に影響がないかということを心配する妊婦は多いので、それについて妊婦が不安にならないよう説明するなど、メンタル面を考慮した看護が必要になります。

また、産科には必ず助産師が在籍しています。お産や妊娠に関することは、専門的に勉強している助産師が主に対応するケースが多いです。

産科で働くメリット・デメリット

赤ちゃんが好きな人は楽しく仕事ができる

産科では、赤ちゃんを心待ちにしている穏やかな妊婦さんや赤ちゃんに触れ合う機会がたくさんありますので、赤ちゃんが好き、産科の雰囲気が好きという方は、楽しみながら業務を遂行できるというメリットがあります。

これはどの病棟でも同様ですが、特に産科の場合、お産に携わった看護師や助産師はその存在を覚えてもらいやすく、感謝されることも多いので、やりがいをもって仕事に臨めるでしょう。

助産師との兼ね合いが難しい

前述した通り、産科には妊娠や出産について多くを学んでいる助産師が必ず在籍しています。

バースプランを立てたり、検診において専門的な知識を必要とする場合にはほぼ助産師が主導権を握るようですので、看護師としての自尊心が傷つくと感じる看護師もいるようです。

また病院によっては「助産師は看護師の下」という目で見られてしまうこともあり、助産師とのコミュニケーションの図り方が難しいという人も。

それぞれの専門性を発揮することで素晴らしい看護ができる

とはいえ、看護師には看護師の、助産師には助産師の役割がありますので、看護師のニーズが高い分野もあります。

また助産師との兼ね合いが難しい病院がある反面、逆にそれぞれが協力し合ってよりよい産科を運営している病院も多いので、自分の持っている能力を発揮しながら、やりがいを持って働いている看護師もたくさんいます。

産科への転職、注意点は？

自分が産科で対象としたい看護について考える

産科ではお産や妊婦健診、切迫流産の処置、妊婦の体調不良などさまざまな場面での看護が必要になります。

お産はいつ起こるかわからないため、急にお産が入り、難産であれば夜通し看護を行なうことになるため、かなりハードな業務をこなさなければならないことも。産科でどのような人を対象に看護を行いたいのかをよく考えた上で、自分に合っていると思われる産科を探しましょう。

助産師とのコミュニケーション方法を心得る

産科での助産師との兼ね合いは、看護師にとって頭を抱えることのひとつですが、自分が産科でいきいきと仕事をしていくために、助産師とのコミュニケーションは円滑に行いたいところですね。

助産師でなければできない仕事と、看護師の仕事をしっかり理解し、助産師より妊婦さんとの関わりが少なかったとしても必要以上に考えこまないなど、柔軟に業務を遂行していくよう心がけるとよいと思います。

転職先を探す際に転職サイトを活用してみる

看護師の求人は数多くありますが、産科に的を絞って探すとなるとなかなか近隣での求人情報を見つけられないこともあるようです。

その場合は、転職サイトを活用することでより効率よく必要な求人情報を探すことができます。条件を絞って求人情報を絞り込むことができるなど、便利な機能がたくさんありますので、ぜひ活用してみましょう。

この記事のまとめ