看護師の働き方は正社員だけでなく、パートや派遣、契約社員もありますし、特殊なものでは夜勤専従という選択があります。
そんな働き方のひとつである常勤で働く場合のメリットやデメリット、また夜勤専従とはどのような働き方なのかについてまとめてみます。
目次
常勤・正社員で働くメリット、デメリット
メリット1:社会的安定
非常勤の場合、企業側の都合で契約が打ち切られたり解雇されるという可能性がありますが、常勤・正社員であれば、一度採用されれば倒産などよほどのことがなければ解雇されることはありません。
「仕事がなくなったらどうしよう」と不安になることなく、収入を得ながら安心して生活ができます。これは同時に社会的信用が得られるということであり、融資を受ける際にもより大きいローンを組むことが可能です。
メリット2:より高い収入を期待できる
基本給に各種手当が付き、多くの場合はボーナスも支給されるため、非常勤と比較して高収入を期待することができます。もちろん施設やスキルによる差がありますが、同条件で見れば、確実に常勤が有利です。
頑張りによって資格を取ったり役職が付けば、それだけ昇給が見込める点も、正社員ならではの利点です。
メリット3:福利厚生を受けられる
住居手当や通勤費支給、寮や保養所の利用といった施設ごとに決まっている福利厚生を、正社員であれば全て利用することができます。非常勤では全く利用できないか、できたとしても一部にとどまります。
例えば院内保育の利用でも非常勤より常勤が優先される場合が多く、小さい子供がいる場合には重要なポイントです。
メリット4:キャリアアップ
非常勤ではいくらベテランであっても役職につくことができませんが、正社員では頑張り次第でステップアップを目指すことが可能です。知識やスキルの習得も制限されることはありません。
資格取得や勉強のための奨学金制度、修学中の賃金の保証なども、ほとんどの場合常勤のみが利用可能となっています。
デメリット1:プライベートとの両立の難しさ
病床がある職場では、日勤常勤でない限り夜勤シフトに入る必要があります。また残業が発生した際には、正社員でカバーしあい業務を片付けることになります。
忙しいことが多い医療現場の常勤は、こうして勤務時間が比較的長く内容の濃いものとなり、心身にそれなりの負担がかかります。家庭との両立やプライベートを充実させたい方にとってはデメリットと感じられることが多いでしょう。
メリット2:心身の負担
夜勤と日勤を繰り返すことで生活のリズムが崩れやすく、疲れがとれにくかったりストレスが溜まって、うつ状態になるなど体を壊してしまう看護師が珍しくありません。夜勤や残業を断るのが難しく、研修や勉強会への参加などでも忙しい常勤ほど、心身への負担は大きくなりがちです。
メリット3:人間関係の悩み
看護師の仕事の多くはチームワークであり、たくさんの女性が集まって長時間一緒に働くことで、どうしても人間関係のトラブルが発生しやすくなります。常勤では特に人間関係が濃いものになりやすく、それだけ悩む機会も増える傾向があります。
- 生活が安定し社会的信用が得やすい
- 福利厚生を受けられる、キャリアを積める
- 夜勤や残業が多く家庭やプライベートとのバランスがとりにくい
- 心身への負担や人間関係の悩みが多い
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夜勤専従という働き方について
夜勤専従ってどんな勤務?
文字通り夜勤のみで働く看護師のことで、日勤はありません。夕方から明朝までの16時間など1回の勤務時間は長いですが、月のシフトは7~10回程度なので、間にしっかりと休養を挟むことができます。出勤は17~18時頃、勤務明けは9~9時半頃が一般的です。
収入アップの目的で日勤常勤と夜勤専従パートを掛け持ちする、というケースもありますが、夜勤専従だけで働くことを選ぶ看護師もいます。
交代制のシフトより生活リズムが作りやすく、休日をしっかり確保できること、給与条件がいいので効率よく働けること、夜勤はスタッフ数や業務が限られるので人間関係の煩わしさが減る、といったメリットから夜勤専従が選ばれています。
例えば、頼れる親族がいないシングルマザーで24時間託児所完備の病院での夜勤専従であれば、子供が託児所で眠っている間に効率よく働き、休日は子育てに充てられます。資格を取るために昼間は通学し夜勤専従で働く方もいます。
夜勤専従のお給料
看護師の給与そのものが高水準ですが、夜勤専従ではさらに高収入を目指すことが可能です。時給、日給での支払いが多く、施設によって条件や待遇が異なるものの、1回あたり18,000円~30,000円のお給料となっています。
常勤であれば、手当込みで少なくとも30万円、スキルによっては50万円という看護師もいます。ボーナスが加算されて年収600万円も可能であり、日勤や交代制の看護師、さらにサラリーマンの平均と比較しても好条件です。
法律的な問題は?
夜勤専従の「1日16時間」という長時間労働は、労働基準法的に問題はないのだろうか、という疑問もあるでしょう。
この点は、日単位、週単位で規定時間を超えてしまっても、月の労働時間を超えなければ大丈夫という「変則労働時間制」の採用によってカバーでき、夜勤時間の上限が守られている限りは、夜勤専従は違法にはなりません。
夜勤専従で働く時の注意点
・一定の看護スキルが必須
限られたスタッフで、施設によっては1人でこなす夜勤では、全ての業務をカバーし、しかもテキパキと処理できる能力が必要です。患者さんが就寝中にも異常がないか気を配り、急変時には医師が到着するまで的確な対応を求められます。
ある程度のトラブルにも対応できる経験、ベストな判断ができる知識、スキルがあることが前提です。
・体調管理が重要
夜勤への対応力には個人差があり、夜勤専従が苦でない方もいれば、なかなか慣れずに体調を崩しやすくなる方もいます。
休日にはできるだけ日光を浴びて体内のリズムを整えたり、体を動かしてしっかり食事を摂るなど、健康管理がより大切になります。
・求人探しのコツ
求人情報に「夜勤常勤」とある場合、これは夜勤専従の常勤ではなく、夜勤有りの常勤看護師という意味で書かれている場合があるので、両者の区別に注意が必要です。
夜勤専従での常勤看護師求人はかなり限られ、ほとんどはパートでの募集となります。収入や雇用安定の理由で常勤で探したいという場合には、希少な求人の機会を逃さないように準備することが大切です。
働きながら転職活動し、希少な求人を逃したくないときには、看護師の転職サイトを活用しない手はありません。
応募者が殺到する夜勤専従募集は非公開で行われることが多く、転職サイトではそのような求人も多く扱っています。自分に代わってエージェントが求人をキャッチして知らせてくれたり、各種交渉を代行してもらうこともできます。
- 約16時間の夜勤を月に7~10回程度こなす
- 1回3万円の求人もあり高収入を目指せる
- 変則労働時間制によって違法ではない
- 一定レベルのスキルが必須で、体調管理が大切になる
- 夜勤専従常勤は求人数が少なく、機会を逃さないことが重要