看護師の転職のきっかけは様々ですが、人間関係で悩んでいたり待遇に不満があるときには「すぐにでも転職したい」という方もいると思います。
しかしいい加減に転職先を見つけてすぐに辞めてしまっては、現在の職場に迷惑をかけてしまいかねませんし、転職が不成功に終わる可能性が高まります。
では転職活動はいつ頃始めたらよいのか、活動の流れやいくつかの注意点を交えて確認しておきましょう。
目次
勤務先の退職規定をまず確認
退職はいつ頃申し出る?
転職活動の時期を考えるには、必然的に退職はいつにすればよいのか、さらに退職意思ををいつ勤務先に伝えればよいのか、だいたいの時期を決めておく必要があります。
この「勤務先にはいつ頃辞めることを伝えたらいいのか?」というのはよく聞かれる質問です。一般的には、退職を申し出る時期は1~2ヶ月前というのが社会常識と考えられています。が、この「申告時期」は、実は職場によるのです。
申告時期は就業規則で確認
病院などに正社員として就業している場合には就業規則に沿って勤務することになり、退職届を出すべき時期もこの規則に記載されています。
転職活動を開始するときには、何ヶ月前に退職を申し出る必要があるのか、まずは就業規則で確認しましょう。これは、転職先の面接でいつから来られるかを聞かれたときの回答のためにも必要になる情報です。
インターネットで転職マニュアルを見て「1~2ヶ月前に退職意思を伝える」と書かれていたからと言ってそのまま実行してみたら、実は就業規則には「3ヶ月前」と規定されていた、という可能性もあります。
さらに、病院内の規定では「1か月前」とあるものの、病院内の独自ルールで「3か月前には申し出ること」としている所もあります。
決められた期間を過ぎてから退職の申し出をした場合には退職金を減額するといった罰則が設けられている職場もありますし、職場の独自ルールに反した退職の仕方をすると、退職時に色々なトラブルに巻き込まれます。
就業規則を確認するのはもちろんですが、同僚や上司に「退職の申告時期」について、事前に確認しておくとよいでしょう。
看護師の転職活動の流れ
以下では、看護師が転職活動を行うにあたって、どういう手順を取るべきか流れを説明します。
①勤務先の退職規定確認
先述のように就業規則を確認し、いつまでに退職を申し出ればよいのかを確認します。ただし、単に規則を確認するだけでなく、実際に同僚・上司にも確認してください。
②転職条件の整理
転職条件を整理しておくのには2つの理由があります。ひとつは転職を成功させるため、もうひとつは面接の際に明確な回答ができるように準備するためです。
転職を成功させるためには、希望に合った職場環境・勤務条件の求人を見つける必要があります。例えば忙しすぎて休めないのであれば、勤務時間にゆとりがある職場を探すことに、キャリアアップのために資格を取りたいのであれば支援環境が整った職場が必要です。
これらの希望条件を書きだし優先順位をつけておくことで、希望に合う求人が探しやすくなります。面接では必ず志望動機を聞かれます。しっかりと希望理由を述べることで、面接担当者に好印象を残すことができます。
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③活動開始~情報収集
希望条件をもとに看護師求人を探します。おすすめはインターネットで効率的に情報を探せる、看護師専門の転職サイトの利用です。まずはおおかまに、希望の勤務地の求人数や施設の規模や種類はどうなのか、年齢制限やシフトなどをチェックしてから、求人を絞っていきましょう。
求人には書かれていない残業時間や職場環境など、より詳しい情報が知りたい場合には、転職サイトの専任コンサルタントに確認してもらうこともできます。
④求人応募~面接
応募する求人を決めたら、履歴書や職務経歴書、看護師免許の写しのほか必要書類を用意します。面接準備として求人先の病院の方針を調べたり、面接での質問を想定し回答を準備します。
書類作成や面接のコツなどを先に紹介した転職サイトで教えてもらえ、仕事で忙しい場合に手続きを代行してもらえるサービスもありますよ。
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⑤退職届を提出する
しばらく休暇をとってのんびりしたい、という方もいるかもしれませんが、すんなりと希望の転職先に採用されるかどうか、その保障はありません。リスクを避けるためには、次の職場が決まってから退職届を提出します。
就業規則に沿った時期に退職を申し出ることは大事ですが、職場に迷惑がかからないよう、計画的に仕事を引き継ぐことも大切です。特にスタッフ数の少ない職場や、忙しい職場では配慮が欠かせません。
なお、職場の人手不足を理由に退職をなかなか認めようとしない病院が時々あります。こういう時は、「次の職場の入職時期もすでに決まっていて、1~3か月後の退職を認めてもらえないと、先方にも迷惑がかかる」と伝えましょう。
これでもまだ、上司が強引に退職を引き留めようとするなら、転職エージェントか外部の専門家に一度相談することをオススメします。
⑥円満退職、就業開始
次の職場で働き始める期日までに、余裕をもって前職を円満に辞められるように余裕をみてスケジューリングします。転職時には保険や年金の手続きなど、受け取りや提出が必要な書類がいくつかあるため、忘れずに確認してください。
看護師の転職活動時期と注意点
転職活動期間の目安
転職の活動自体にかかる時間は、求人探しや書類・面接の準備、そして退職までの引継ぎを考え、だいたい2~3ヶ月程度が目安です。
ただし退職の申し出が3ヶ月前の場合、さらに早めの転職活動が必要になります。看護師の仕事を続けながら求人のリサーチ、活動をする手間を考えれば、5~6ヶ月ぐらい前から転職サイトに登録するなど、できることを始めておくに越したことはありません。
「一刻も早く職場を移りたい」「辞めることを考えたまま働き続けることに違和感がある」という方もいると思います。
かといって、早々に退職してしまってから転職活動をするとなると、収入面のリスクだけでなく、焦って転職先条件を妥協してしまうリスクがあります。まずは落ち着いて、転職のスケジュールを考えることから始めましょう。
入職までの期間は?
3ヶ月前に退職の申し出が必要で転職先を決めてから退職を申し出る場合、転職先で働き始めるまでに、面接から3~4ヶ月の期間が必要になります。
そこで「そんなに長い期間(入職を)待ってもらえるものでしょうか」という看護師からの質問が聞かれます。
これに関しては、求職者と転職先とのタイミングによるでしょう。クリニックなどの小規模な職場では一刻も早い人員補充が必要とされ、それほど待ってはもらえないかもしれません。
一方でより優秀な看護師を採用するためなら半年でも一年でも待つ、という求人もあります。
「いつから働けますか?」という質問では、実際にいつから戦力になるのかを確認するほか、入職への意欲を確認する意味があります。ぜひ働きたい職場であれば、待ってでも採用したいと思われるように面接でしっかりアピールしてみてください。
入職時期は多少余裕をみて伝えることも大切です。退職を申し出てもすぐに受理されるとは限りません。交渉や引継ぎの時間をきちんと考えておきましょう。
ボーナスの支給時期もポイントの一つ
いいタイミングは逃したくないものですが、後になって「もう少し退職を遅くすればボーナスをもらえたのに」と後悔することのないよう、ボーナス時期との兼ね合いも考えてみてください。
大学病院や公立病院では、4月の新卒採用と研修を合わせるため、中途採用では1月から早めに試用として採用してくれるケースがあります。面接の際に相談してみるといいですね。
円満退職を心がけよう
法律と現実の違い
多くの施設では退職を申し出るべき時期を就業規則で定めていますが、法律では、2週間前に退職意思を伝えれば退職が可能としています。しかし現実的に、2週間で1人スタッフがいなくなってしまうというのでは困ってしまう職場がほとんどですよね。
かといって「辞めます」と言ってから長々と勤めているのもおかしなものです。引き留められることはあるかもしれません。
そんな時には今の職場で転職理由を解決できないかどうか改めて考えてみたうえで、その事情をしっかり伝えて退職の意志を分かってもらうようにします。
円満退職の大切さ
忙しかったり人手不足の職場では、就業規則で定める時期より早くても、転職のめどが立った時点で師長に退職時期を相談するなど、ケースバイケースで行動するようにしましょう。
例えば地方の病院では相互の病院スタッフが知人同士であることは多く、自分の口から退職を伝える前に転職のことが伝わっていたり、問題のある辞め方をすると他の病院にもその噂が伝わってしまうということがあるといいます。
看護師はいったん退職したところに再就職する「出戻り」も多い業界です。気持ちよく転職を成功させるためだけでなく、転職先が希望と違ったときにまた元の職場に戻れるようにするためにも、円満退職を心がけることは大切です。
- まずは就業規則で退職申告時期を確認する
- 転職理由の整理は求人探しと面接に役立つ
- 求人情報の収集や面接準備に転職サイト利用がおすすめ
- 活動は2~3ヶ月が目安でも早めにリサーチを開始する
- いつから働けるかという質問には多少余裕を見て回答
- 円満退職を目指しケースバイケースで行動する
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