看護師の勤務形態には、日勤のみ、そして日勤と夜勤を組み合わせた二交代制、三交代制のほか、夜勤だけにつく「夜勤専従」という選択肢があります。さらに雇用形態として、常勤、パート、アルバイト、派遣があります。
看護師の働き方のひとつである夜勤専従の常勤看護師について、勤務の特徴や、求人の現状、夜勤専従常勤で働く際の注意点などについて紹介します。どんな方にとってメリットがある働き方なのか、夜勤専従常勤の看護師になる方法など、情報を参考にしてみてください。
目次
夜勤専従の常勤看護師とは?
夜勤専従という働き方
夜勤専従というと、日勤の仕事と掛け持ちのダブルワークであったり、いったん定年になったベテラン看護師がパートとして勤めているイメージがありますが、なかには常勤で夜勤専従という勤め方を選んでいる看護師もいます。
例えばシングルマザーの場合、24時間託児所完備の病院であれば、子供が託児所で眠っている間に働くことができ、勤務日の合間の連休はゆっくりと子育てができます。病児保育や学童保育完備の求人も見られ、頼れる親族がいない場合に助かります。
給与条件の良さもまた、大きなメリットです。子供が小さくなくても、効率的にお金を稼ぐ必要があるから、という理由で夜勤を増やしたい方もいるでしょう。
「昼間は資格取得のために学校に通って夜に働きたい」「目標のためにお金を貯めたい」など明確な目的がある場合や、交代制よりもいっそ夜勤専従の方が体力的に楽などの理由で、夜勤専従という働き方が選ばれています。
かつ「常勤」として働くことで、基本給が手厚くなること、ボーナスや福利厚生が得られること、パートでは利用できない院内託児所も、常勤になることで利用可能になるケースがある、といった魅力があります。
「子供がいるから日勤だけで転職先を探すと、給与や待遇が合わない・・・」という場合に、こうして夜勤専従常勤として働くことができると知っていれば、選択肢が広がります。
夜勤専従常勤の勤務条件は?
勤務先によって異なりますが、夕方5時~翌朝9時の16時間勤務が一般的で、勤務開始時間が5時半、6時、終業時間が9時半などの条件も見られます。
1ヶ月の勤務日数は少ないところで7回、多いところでは12回程度という実態もありますが、多くの病院で「夜勤は月9回、144時間まで」と決められており、夜勤で集中して働いて、勤務間の連休をしっかり取ることが可能です。
夜勤専従のパートの場合、夜勤手当1回3万円といった求人内容もよく見られます。ただしこれが常勤となると、手当がその半分の15,000円に減ったり、なかには夜勤手当無し、というところもあり、勤務先によって規定は様々です。
ただしその分、基本給は手厚い傾向があります。常勤で夜勤専従の場合、手当込みで少なくとも30万円、経験やスキル、実績の評価があれば50万円も夢ではありません。さらにボーナスが加算されて、年収では450万円~650万円という例もあります。
長時間の夜勤、というデメリット要素を除けば、休養を充分にとって働きながら常勤の恩恵を受けられ、とても効率のいい働き方と見ることができます。さらに、夜勤はスタッフ数が少ないために、看護師特有の人間関係の煩わしさからくるストレスの軽減も期待できます。
夜勤専従常勤の看護師求人の特徴
求人がとにかく少ない
様々な事情から夜勤専従、しかも常勤で働きたいと望む看護師は存在しますが、一方で病院側からの求人は常にあるものではありません。求人情報でも「タイミングが合えば夜勤専従常勤の求人もあり」といったコメントにとどまっている場合があります。
求人数が少ない理由として、同じ夜勤専従であれば、常勤よりもパートを雇用したほうが人件費が安く済ませられるという病院側の事情が挙げられます。また常勤看護師の雇用では、夜勤専従よりも日勤・夜勤双方をこなせる看護師を雇用したほうが、病院にとって効率で気で患者へのケアを密にできる、という考え方もあります。
少ない求人に対して一定数の応募者がいることから、公開募集では応募が殺到する恐れがあり、夜勤専従常勤の求人は主に非公開で行われています。
「夜勤常勤」と「夜勤専従常勤」の違い
夜勤常勤、というキーワードで看護師求人を探すと、その内容は夜勤専従ではなく、日勤も含め夜勤をこなす常勤看護師、という意味で用いられているケースがあります。その求人が、夜勤専従でかつ常勤なのかどうかをしっかりと確認する必要があります。
夜勤専従常勤の看護師を目指すときに注意したいこと
効率よく高収入を得ることができる夜勤専従の常勤看護師ですが、安易に応募するのにはいくつかのリスクを伴います。
健康面のリスク
普通に健康な方であっても、いざ昼夜が逆転した生活を送るとなると、様々に心身への影響が出るものです。ましてや平均16時間の連続勤務は、相当な体力・精神力を必要とします。
健康面への影響の調査では、夜に光を浴びる生活を続けることでがんの発症リスクが高まったり、ホルモンバランスの乱れから無月経や不妊につながる可能性がある、といった結果が見られます。
もちろん体質には個人差があり、月に数回の夜勤でこういったリスクがあるかを一概に判断することは出来ませんが、「夜型の生活に慣れている」「昼夜が逆転してもさほど辛く感じない」といった充分な自信が無い場合には、それなりの健康リスクが存在することを考慮するべきです。
ある程度の看護スキルが前提
病床の数によっては、夜勤は専従常勤看護師一人というシフトもあり得ます。夜勤で行わなければならないトイレ介助や体位交換、点滴管理などの基本的な業務はもちろんのこと、急変時にも素早く適切に優先順位を判断し、対応できるスキルが求められます。
しかも16時間という長時間、緊張感を持って仕事をするには、ある程度の経験に裏打ちされた自信も必要となります。まだ経験が浅い看護師がいきなり夜勤専従常勤を目指すのは、荷が重すぎる可能性があります。
夜勤専従常勤を目指すには
まずは夜勤専従のパートとしてはじめ、ある程度勤務を続けて一定の実績と信頼を得られたところで、病院側に常勤雇用を交渉するという方法があります。
病院側が「人材として失いたくない」と判断すれば、常勤としての雇用を期待できますが、病院側の状況や実績不足によって交渉が上手くいかない可能性があります。また、交渉までの期間はパートとして、給与額や待遇が制限されるリスクもあります。
もう一つの方法は、非公開求人に強い看護師専門の転職サイトに登録するなどして、夜勤専従常勤の求人をいち早くキャッチし、転職に繋げていくという選択肢です。こちらの方法であれば、現状の勤務を続けて生活レベルを維持しながら、夜勤専従常勤への転職機会を待つことが可能です。
- 常勤の恩恵を得ながら、夜勤として効率のいい勤務が可能
- 病院側の事情で夜勤専従常勤の求人数は少ない
- 夜勤常勤のキーワードに注意、単なる常勤の場合もあり
- 昼夜逆転の長時間勤務に耐えられる体力、自信が必要
- パートから常勤へ交渉するのにはリスクがある
- 非公開求人に強い転職サービスの力を利用する方法も
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