数年の時間をかけて勉強し取得する看護師免許。国家資格であって収入も良く、どうせ働くのならば資格を活かして看護師として働きたいところです。
十分な知識とスキルを必要とする医療現場であるからこそ、何年かブランクが空くと復帰するのが不安、という看護師の声は多く聞かれます。事情によっては「常勤での勤務は難しいけれどパートだったら・・・」という気持ちもあるでしょう。
ここでは、パートと常勤どちらがいいのか、それぞれにブランクあけで復帰するメリット・デメリットを確認します。退職理由から考えるより良い選択や、ブランクあけにおすすめのパート求人の探し方のコツについても記述しますので、復帰を検討するときの参考にしてください。
目次
ブランクあけにパートで復帰するメリット・デメリット
常勤で働くことが可能な環境であっても、ブランクあけの復帰では「まずはパートから」と考える看護師が多くいます。その根拠となるパート復帰のメリットから確認してみましょう。
パート復帰のメリット
・一定の業務量、責任のなかで働ける
・勤務時間の調整をしやすい
・少しずつ勘を取り戻していける
常勤とパートの大きな違いとして「責任」があります。これはミスがあった場合の責任ということではなく、リーダーになったり何らかの責任者や係りになる、突発的な仕事を優先的に受け持つ、と言う意味の責任です。
誰かが残業をしなければならなくなったときには一般的に常勤から残るものです。また継続して看護が必要な患者さんを短時間勤務のパートが受け持つのは難しく、やはり常勤よりも「責任の軽い仕事」を任される傾向となります。
ブランクあけでいきなりリーダーになったり、残業をするのは難しいパート看護師にとって、限られた時間と責任で働けることがメリットといえます。
子育て中、介護中や、家事を優先させたい場合では、週末に休んだり早退や遅刻をしなければならないことがあります。そんな時も、パートであれば常勤よりは都合をつけやすくなります。
体力的に自信がない方は、可能な範囲で出勤回数や時間を調整することができるので、無理をしなくて済み安心です。
パート勤務に慣れてくれば、だんだんと看護師としての勘が戻ってきて自信が取り戻せることでしょう。そのうちに常勤できる環境が整えば、常勤への変更を申し出てみたり、常勤への転職を考えることができます。
パート復帰のデメリット
・収入が抑えられる
・社会保険に加入できないことも
パートは時給制であり、ボーナスは出ないことも普通で、出たとしても寸志程度です。夜勤専従などを除き夜勤手当はなく、残業手当もほとんどつかず、その他の手当ては対象外であったり減額されます。常勤で働いていた時のような年収は期待できません。
フルタイムで週5日など多く働くほどに、常勤とパートとの収入差が辛く感じられデメリットとなります。
病院内が落ち着いているにもかかわらず人手が多い日には、調整としてパートが急遽休みになったり早退してほしいと言われることがあり、収入に響きます。
また、社会保険加入の条件として一定時間以上の勤務が定められています。ケースバイケースですが、この条件から漏れてしまうパート看護師は、自分で国民保険に加入して高額な保険料を支払わなければなりません。その場合、給料全額が手元に残るわけではないということを知っておく必要があります。
ブランクあけに常勤で復帰するメリット・デメリット
常勤復帰のメリット
・収入の安定
・福利厚生を利用できる
・看護師としての成長、やりがい
常勤では一定の給与額が保証され、残業や夜勤の手当て、さらに年2回のボーナスが支給されます。看護師の平均給与は高めであり、収入が安定してゆとりのある生活をすることも可能です。
社会保険はもちろんのこと、社員寮や保養施設の利用、住宅手当、育休手当、退職金や各種祝い金、社員旅行など、施設ごとに決まっている福利厚生を受けられる点も常勤のメリットです。また院内保育では、パートよりも常勤が優先的に利用できるところが多いようです。
責任ある仕事を任されたり、勉強会や研修、委員会への参加など大変さはありますが、その分自分自身の成長を期待できます。看護師として患者さんに感謝され、貢献しているというやりがいも感じられるでしょう。
常勤復帰のデメリット
・勤務時間が長くなりがち
・家庭との両立が難しいことも
常勤看護師は残業が多くなりがちで、病床がある病院では夜勤があります。そのほかにも、委員会や勉強会への参加のために勤務時間が伸びたり、休日にも出勤や勉強をしなければならないことがあります。
こういった通常勤務外の出勤の多少は施設によりけりですが、仕事時間が長くなり、家事や子育てに思うように時間がとれず、悩む看護師もいます。
勤務時間の増加はプライベートを犠牲にするだけでなく、心身の疲労が溜まってしまい体調を崩してしまうケースが見られます。
退職理由によって復帰の仕方が変わる?
前職を退職する時の理由によっては常勤での復帰は避けた方が良いケースがあります。それは、ストレスや過労が原因で心の病気になって退職をしていた場合です。
うつ病やパニック障害といった心の病気は、数年といった長い時間をかけて治していくものです。そのため、十分に休養して回復しているように見えても、いざ職場に復帰して以前と同じ環境になったとたん、再発してしまうことがよくあります。
症状が起こってからそれほど時間が経過しないまま、いきなり常勤に復帰すれば症状が再発し、またすぐに退職せざるを得なくなってしまう可能性が高いと考えられます。無理をせず、まずは少時間のパートから復帰して様子をみる方がよいでしょう。
【ブランク復帰時のメリット・デメリット比較】
パート看護師 | 常勤看護師 | |
---|---|---|
シフト調整 | 可能 | 難しい |
業務量 | できる範囲内 | 断わりにくい |
家庭との両立 | 可能 | 大変 |
復帰時の不安 | 少なめ | 大きい |
収入 | 低めで不安定 | 高めで安定 |
福利厚生 | 限定される | 利用可能 |
成長・やりがい | 物足りない | 十分 |
※黄色いラインはメリット
ブランクあけパートにおすすめの求人先は?
ブランクあけの復帰が不安な場合、自治体や病院が開催する復職・再就職のための研修・セミナーを受講することはおすすめです。看護知識や技術を再確認したり、同じく復帰を目指す仲間と出会って情報交換なども期待できます。
また、求人を探すと「ブランク可」「ブランクあけ看護師歓迎」といったコメントを見ることがあります。実際にプリセプター制度や復職支援研修などを実施している施設であれば、ブランクあけでも安心して仕事に慣れていくことができます。
まだ小さい子供がいる間の復帰では、子供を預けられるような院内保育施設、できれば病児保育もあればさらに働きやすくなります。
このような条件を絞って看護師パートの求人を探すなら、看護師専門の転職支援サイトが利用できます。扱う求人数が豊富なだけでなく、ブランクあけの不安について専任コンサルタントに相談することもできます。
- パートでは一定の責任内で無理なく働ける
- パートでは収入が抑えられ、社会保険に加入出来ない場合もある
- 常勤では安定収入や福利厚生、やりがいがメリット
- 仕事に時間を取られ家庭との両立が難しいことも
- 心の病気で退職した場合、パートから復帰した方がいい
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看護師パートの求人サイト、人気ランキング
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