緩和ケア病棟への転職の注意点は?



看護師として働いている方は、『緩和ケア』という言葉を一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。緩和ケアとは、患った疾患の完治が見込めない患者に対し、終末医療を施しながらその疾患における多方面の苦痛を緩和するためのものです。

海外では緩和ケアと終身医療は別のものとして扱っていますが、日本では多くの医療の場面で『緩和ケア=終身医療』という表現を用いています。


現在の看護師は、新卒から同じ職場で定年もしくは何らかの事情で退職するまで働く、ということは少なく、転職を経てスキルアップを図ったり、結婚や出産といった事情で退職した後、それまで勤めていた診療科とは別の場所で活躍するケースが多く、緩和ケアでの看護業務を検討する看護師も少なくありません。

そこで、緩和ケアでの仕事内容や収入、転職にあたってのポイントなどについてここでご紹介していきたいと思います。


緩和ケアで働く看護師の仕事内容


一般の看護業務とは目的が異なる

緩和ケアでは、患者の疾患を完治させるのではなく、苦痛をやわらげながら終末医療を施すことを目的としているので、一般的な看護業務とは目的がかなり異なってきます。具体的な仕事内容として、バイタルチェックや服薬管理といった看護業務は一般病棟と同じように行われます。

しかし治療をする、疾患を治すということではなく、痛みを和らげてあげる、苦しまずに生活するための看護をするという点が大きな違いです。患者にストレスを感じさせないように心を配るというのが仕事内容のメインだと考えてよいでしょう。

緩和ケア病棟と緩和ケア外来

緩和ケアには入院しながら終末医療を行う『緩和ケア病棟』と、最期は自宅で迎えたいという方のための『緩和ケア外来』があります。

それぞれが患者の苦痛を和らげるための医療を施すことに違いはありませんが、緩和ケア外来は患者の看護を行っている家族のケアも行うというのが特筆すべき点です。

また緩和ケア外来では、患者や家族の必要に応じて緩和ケア病棟に入院することもあるほか、在宅を希望する患者に訪問での緩和ケアを行う施設もあります。


緩和ケアで働くメリット、必要なスキルは?


緩和ケアで働く上で必要なスキル

緩和ケア病棟では、食事の時間や入浴の時間についてもそれぞれの患者に合わせた流れで行われますので、患者一人ひとりに合わせたコミュニケーションが必須になります。

そのため、コミュニケーションスキルにおいてはかなり高度なものが求められると考えてよいでしょう。加えて、言葉をうまく発することができない患者も少なくありませんので、その患者が今どんなことを求めているのか、何を欲しているのかを察知する洞察力も重要です。

看護における医療スキルは必須

外来、病棟共に緩和ケアにはさまざまな疾患を持つ患者がいるため、幅広い看護スキルが必要になります。

患者の容態が急変することもありますし、言葉にしていないけれど苦しんでいるなど、その状況に応じて臨機応変に、かつ迅速に対処する能力は、一般の看護業務でも必要とされていますよね。こうしたスキルは緩和ケアでも大きく役立ちます。

緩和ケアならではのやりがいがある

例えば末期がんの患者が緩和ケア病棟に入ったとき、その患者が入院当初はかなり沈んでいたとします。

しかし、心を込めた看護やケアを続けることで、最期までしっかりと生きていこうという気持ちになってくれたら、それは大きなやりがいに繋がるのではないでしょうか。緩和ケアを行う看護師は、患者の疾患だけではなく人生に携わっているといっても過言ではありません。

その患者が前向きな気持ちになってくれればとてもうれしいですし、感謝の気持ちを伝えられることもままあるため、看護においては多くの場面でやりがいを感じることができます。

チーム医療にやりがいを感じることも

緩和ケアでは、担当医はもちろんメンタルケアを行うカウンセラーや薬剤師など、多くの医療従事者と連携を取りながら看護していきます。その分密なコミュニケーションが必須となりますし、チームワークにおける気遣いなども重要になりますが、チームで協力し合うことにやりがいを感じる看護師も多いようです。

特に看護師は人間関係が難しい職場だといわれていますので、関係者が協力し合えるということにやりがいを感じるのもうなずけますね。


緩和ケアの求人募集、注意点は?


自分の携わりたい緩和ケアについてよく検討する

前述したように、緩和ケアにはさまざまな形があり、必ずしも病院内で看護業務を行うというわけではありません。自分がどのような形で患者と向き合いたいのかをよく検討し、希望に合った職場を見つけましょう。

求人募集の表記が一律ではないので注意

緩和ケア病棟の場合は、そのような表記で募集が行われていることも多いですが、訪問で緩和ケアを行っている施設では、『訪問看護師』という名目で募集しているところがあります。

また訪問看護師については緩和ケアに特化している場合とそのほかの看護業務を行う場合がありますので、こちらもしっかり確認しなければなりません。

転職サイトでの情報検索がわかりやすい

緩和ケアの看護師募集については情報がわかりにくい部分がありますが、転職サイトを活用することでより明確な情報を得られますのでぜひ利用してみましょう。

例えばキーワード検索などで「緩和ケア」と入れると、緩和ケアに特化した情報のみを抽出できます。さらに、地域や収入から情報をより細かく絞り込むことができますので、とても効率的です。

この記事のまとめ

  • 緩和ケアでの看護師の仕事は、一般的な看護業務に加え患者の快適な暮らしをサポートすること
  • 緩和ケアでは高度なコミュニケーションスキルや洞察力、幅広い医療スキルが求められる
  • 多くの医療従事者と協力し合いながら行うチーム医療にやりがいを感じられる
  • 緩和ケアの募集は表現がさまざまなので、よく確認して応募する
  • 緩和ケアの求人情報を探すには転職サイトがわかりやすい


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