がん看護専門看護師の仕事と役割



胃や肺、大腸、乳房、咽頭、皮膚など、全身のあらゆる内臓に「がん」ができる可能性があり、日本人の3人に1人はがんが原因で死亡していて、2人に1人が罹患のリスクを持っていると言われます。

がんの発症には加齢が関係しているため、高齢化の急速な進行は、がんの患者数を確実に増加させますし、現代の不規則になりがちな生活習慣もがん発症の増加に関与します。「がんの早期発見」「的確ながん治療」の充実は、医療においても今後ますます望まれていく分野です。

そこで設けられたのが、がん看護のエキスパートを認定、養成する「がん看護専門看護師」という資格です。


がん看護専門看護師の仕事内容・役割



役割として挙げられるのはまず、がん看護そのものの実践です。がんセンターやそのほか地域拠点となる病院において、外来や病棟などそれぞれの所属先において、専門看護師としての知識とスキルを活かして質の高いがん看護を目指します。

こういった看護業務だけでなく、がん看護専門看護師には、がん看護に関連するすべての要素において、専門家としての役割を果たすことが期待されています。


がん治療は時に強い痛みや副作用を伴うため、出来る限り患者や家族のQOLを尊重した治療を進めること、緩和ケアに努めることが重要です。

がんであることを告知された患者やその家族・親族がショックを受けるのは間違いなく、例え初期の段階であっても不安はぬぐえないのが普通ですし、重症度が高ければ余命に向き合うこともあります。


そんな患者や親族のケアを充分に行い、コミュニケーションを取って悩みを聞いたり相談に応じることもまた、がん看護の重要な仕事のひとつです。

がん看護チーム全体を見、コーディネートするという役割もあります。チームや提供医療のコーディネートを行い、他スタッフの相談に乗ったり、専門知識や技術について必要に応じて指導、アドバイスを行います。

専門看護師には、より積極的に、セミナーや勉強会を通じたがん看護についての普及活動を行う姿勢も求められています。

がん看護専門看護師の仕事・役割は・・・

  • がん看護全体をコーディネート、実践、指導する
  • 質の高い看護業務
  • 患者、家族のQOL向上、緩和ケア
  • 精神面のケア、コミュニケーション
  • 他スタッフへの指導・啓蒙


がん看護専門看護師に向いている人



多種多様な種類の全てのがんについて最新の情報を求め続け提供していくために、看護業務に対する意識の高さ、研究意欲、自分を高めていく意志が求められます。他スタッフの相談に乗ったり指導を進めるときには、指導力・コンサルティング能力も必要です。

さらに欠かせないのが強靭な精神力です。がんと闘う患者さんの不安、恐怖、苦しみ、痛みと向き合うだけでなく、終末期を迎えた患者さんの心に寄り添うのが大切な役割です辛い別れも多く経験することとなりますが、それを乗り越えて業務に打ち込む精神力が求められます。

がん看護専門看護師に求められるのは・・・

  • 研究意欲、能力の上昇志向
  • 指導力、コンサルティング力
  • 苦境に負けない強靭な精神力


がん看護専門看護師のお給料



がん看護に限定しないデータですが、専門看護師になってからの給与・職位の変化に関するアンケートでは、下記のような回答が見られました。

  • 71%→給与・職位に変化なし
  • 15%→資格手当がついた
  • 4%→昇格して昇給した
  • 4%→昇格はないが昇給した

資格手当は、だいたい1~3万円程度と言われます。対応や規定は病院によって異なるため、あらかじめ現在の職場の対応を確認したり、転職の際には手当の有無や職位の変化についても確認しておく必要があります。

せっかく頑張って資格を取っても、7割は給料が変わらないのか・・・とがっかりするかもしれませんが、これは雇用する病院側の「専門看護師の重要性」への意識にかかっています。

がん看護専門看護師を人材として必要とする病院であれば、好条件で転職できる可能性が高いですし、なかには月収が10万円アップしたという体験談もあります。

職場選びのポイントは給与だけではありませんが、能力や働きに応じた報酬を受け取るのは正当なことであり、決しておろそかにしていいポイントではありません。


がん看護専門看護師の勤務先



がん看護専門看護師が必要とされる場所として、がん治療の最前線となるがんセンターや急性期病棟、がん相談支援室などが置かれた病院が挙げられます。

がんは複数の臓器で発症するものであるため、内科、消化器科、循環器科、婦人科などの一般病棟においても活躍が可能です。


がん看護専門看護師として認定を受けるということは、がんに関する幅広い知識やスキルを身につけているのはもちろん、充分なキャリアと看護技術を持ち合わせているということでもあります。そのため、師長・副師長といった管理職に就く可能性を高めるためのアドバンテージにもなることでしょう。

専門看護師の役割として、他の看護師の業務の質を向上させるための教育・指導、知識の普及などが重視されており、教育機関における講師という働き方もあります。


がん看護専門看護師になるには



がん看護専門看護師を目指すには、

  • 日本の看護師免許を持っている
  • 看護系大学院修士課程を修了している
  • 看護師免許取得後の実務研修が通算5年以上
    ※うち3年間はがん患者の多い医療機関にてがん看護分野での
    勤務(常勤・非常勤は問わない)

以上の条件を満たしたうえで、定められた専門看護師教育の所定の単位を取得する必要があります。専門看護師の共通科目である看護理論などをはじめ、がん看護分野を深める病態生理学など、さらに専門選を高める化学療法看護や疼痛看護などの領域から選択し、単位を取得します。

加えて、実務における看護実績報告書2例、コンサルテーション・コーディネーションが各1例ずつ、倫理調整1例、教育活動報告書、修士論文等の研究報告書を提出して、認定審査へと進むことができます。書類審査ののち論述式の筆記試験が行われ、合格すれば認定が行われます。



11ある専門看護師のうち、最も早く設けられたのががん看護専門看護師であり、専門看護師数全体の3分の1を、がん看護が占めています。それだけ高い関心を集め、医療において必要とされる分野であり、スペシャリスト・指導者が求められていることが分かります

スキルアップを考えがん看護専門看護師を目指すならば、まずは認定要件を満たすための環境を整えるのが第一段階。がん患者の多い病院で、がん看護専門看護師が求められ、評価されている職場の求人を探してみましょう。


毎日の忙しい勤務のなかで転職を成功させるならば、まず頼りたいのが看護師専門求人サイトです。

ピンポイントで希望に合った求人を探すことができ、未公開求人を選べること、求人応募や条件交渉、調整を代行してもらえるのも魅力です。将来的な設計も含めて、エージェントに相談してみてください。

<がん看護専門看護師の仕事と役割・まとめ>

  • がん看護全体をコーディネートする
  • 患者や家族のQOL向上、ケアも行う
  • がん看護を重視する職場環境が理想
  • 研究意欲や強靭な精神力が必要

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