看護師が転職を考えるとき、常勤と非常勤、いずれかの求人を選ぶことができます。常時勤務する正規雇用の「常勤」に対し、「非常勤」はパートタイムやアルバイト、派遣といった、フルタイムでは働かない非正規雇用の看護師です。
常勤看護師と非常勤看護師、それぞれのメリットと、どんな人が向いているのかをまとめます。働き方を考える際の参考にしてみてください。
目次
常勤看護師のメリット
雇用、収入が安定している
非常勤の場合、経営者側の都合で契約が更新されず仕事を失う可能性がありますが、常勤看護師ではよほどのことがない限り解雇されるということはなく、自分で退職を選ばない限り、安定して仕事を続けることができます。計画的に人生設計し収入を得ていけることは、社会人にとって大きな魅力です。
収入面でも安定を期待できます。常勤では、基本給に夜勤手当のほか、住宅手当や通勤手当などがつき、年に2回ボーナスが支給されるというのが普通です。看護師全体の平均給与は470万円ですから、充分な生活費を確保し、共働きであればしっかりと貯蓄していくことが可能です。
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福利厚生の充実
常勤看護師には各種福利厚生が用意されています。勤務先の規定によりますが、住宅については家賃補助や社員寮、貸付金制度があり、健康保険、雇用保険、団体保険、厚生年金、企業年金、共済年金、財形貯蓄のほか、保養所、社員食堂、社員旅行などが含まれます。
看護師のほとんどが女性であり母親が多いために、保育施設が整った病院は多く、こういった子育て支援もまた福利厚生のひとつです。子育て中の方にとってはかなり重要なチェックポイントですね。
非常勤の場合これらの福利厚生は、勤務時間に応じて一部受けられる、というのが一般的です。
スキルアップ、キャリアアップが可能
施設にもよりますが、新人看護師に対してはプリセプターがついたり研修を実施する病院は少なくなく、転職時には安心して仕事に慣れていくことができます。
これは主に常勤看護師に対して行われるものであり、常に「即戦力として働いてもらう人」と捉えられる非常勤看護師には、こういった研修は用意されないのが普通です。
勉強会に参加したり、認定・専門看護師となるための支援を受けるなど、スキルと経験を高めて管理職へのキャリアアップを目指すことができます。非常勤の看護師の場合には管理職への昇格はまず望めませんし、スキルアップも自主的な勉強で補っていくほかありません。
非常勤看護師のメリット
プライベートと仕事の両立
非常勤看護師という働き方を選ぶ方の多くは、子育てや勉強、趣味、介護などに使える時間の確保のため、というのが大きな選択理由ではないでしょうか。こうしたプライベート時間が確保できる点は、非常勤看護師の一番のメリットです。
ほとんどの場合、講習会や研修、委員会などへの参加は免除され、残業が何時間も続くということもありません。自分の都合に合った勤務先を選ぶことで、例えば子供が学校に行っている時間は仕事をし、子供の下校に合わせて帰宅し家事をすることができます。
シフトの希望を出すため、常勤看護師のようになかなか自分のスケジュールを確認できないという心配がありません。夜勤専従の非常勤でなければ、病院勤務であっても夜勤を避けられる点も非常勤で働くメリットです。
子供が小さい間は発熱などで休まざるを得ないこともありますが、非常勤のほうが突発的な休みを取りやすくなります。
ただし休みがあまりにも多くなるようでは、病院側から「仕事を任せられない」と判断されてしまいます。自身の仕事の幅を狭めることにならないよう気をつけましょう。
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人間関係が煩わしくない
常勤では、一緒に働く同僚看護師の数が多く勤務時間も長くなり、上下関係、同僚との付き合いなど人間関係の悩みが発生しがちです。継続して働く職場ですから、コミュニケーションを軽視することもできません。
一方非常勤では、担当する業務をきちんとこなしていれば特段人間関係に気を遣わなければならないシーンもなく、淡々と仕事に集中することができるのが魅力です。
ただし職場環境によっては、常勤と非常勤のスタッフ間に溝があり、非常勤が冷遇されたり、きつい仕事は非常勤担当とするといった職場もあるといいます。このような事情の有無について、できれば転職サイトを利用して事前にチェックしておきたいところです。
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非常勤としては時給が高め
常勤の給料に比べれば、ボーナスがなく手当分も少なくなり、非常勤の年収はより低めとなりますが、一般のアルバイトやパートに比べれば、国家資格を持つ看護師であるためかなりの高時給で働くことができます。
地域によって差はありますが、一般のパート時給は良くて1,000円前後であるのに対し、非常勤看護師の平均時給は約1,500円です。東京などの都心では、1,700~2,000円といった時給が珍しくなく、換算時給で見れば常勤看護師とそれほど変わりがないこともあります。
しかも看護師は生涯免許であり、40代50代になってもある程度の時給で働き続けることが可能です。ただし、非常勤看護師は社会保険に加入できないなど保障のない部分があり、実際に手元に残る給料は少なくなる点に注意が必要です。
(常勤・非常勤看護師のメリット比較)
常勤看護師に向いているのはこんな人
安定した収入でしっかり稼ぎたい
メリットで挙げた雇用・収入の安定という点から、常勤看護師として勤務していれば、スキル相応のある程度の年収が期待できます。しっかり稼いで子供の教育費に当てたり、将来のための貯蓄を残すこともできるでしょう。
キャリアアップを目指している
常勤と非常勤で実際に行う看護内容に差はないとはいえ、非常勤はあくまで臨時での雇用とみなされます。いくらスキルが高くても、師長など責任ある役職に就けることはありません。
看護師としてのキャリアを無駄にせず高めていきたいと考えている方は、常勤看護師が向いていると言えます。
非常勤看護師に向いているのはこんな人
子育て中、ブランク明けの看護師
日進月歩の医療現場では、数年働いていなかっただけでも治療の方針や手法が変わっていたり、カルテ処理が新しくなっているものです。ブランク明けに復職する場合、「勘が戻るだろうか」と不安になりがちですが、非常勤なら無理をせずに仕事に慣れていくことが可能です。
子供がい小さいうちは育児の時間を充分に取りたいから、と言う理由で非常勤看護師を選ぶ方もいます。
ただし院内や提携の託児所利用は常勤看護師のみ、とする病院もあります。その場合非常勤では、別の保育所を探さなければならず大変です。子供が小さい場合には、事前に託児所の利用条件をしっかり確認してください。
割り切って働ける人
人間関係の煩わしさが少なくて済むのは非常勤のメリットですが、その一方で、非常勤は常勤看護師と区別され、きつい仕事を押し付けられたり、責任ある仕事をなかなかさせてもらえない、といった不満を感じることがあります。
考えようによっては、責任ある仕事は常勤が担当し、非常勤は時間になればいつでも帰宅できる仕事を任せられていると捉えることもできますが、「同じ看護師なのに」「自分も頑張っているのに」と感じてしまう方もいるでしょう。
そんな場合にも気持ちを割り切って、任せられる業務をしっかりこなしていける姿勢が必要です。
待遇に不満があれば改善を求めたり、一定の勤務時間・実績があれば常勤雇用への変更を病院側に打診してみる、という方法もありますが、なかなか思うように改善されないこともあります。
割り切ることができない事情であれば、思い切って非常勤から常勤看護師への転職を検討してみるのも解決法のひとつです。
- 常勤看護師は雇用、収入が安定し、福利厚生、キャリアアップを期待できる
- 非常勤ではプライベートの確保や高時給といったメリットがある
- 収入の安定やキャリアアップを目指すなら常勤看護師
- ブランク明けや子育て中(例外も有り)には非常勤が向いている
- 非常勤として割り切って働ける姿勢も必要
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