自分が持っている能力はできれば活かしたいものですし、それが仕事になれば有難いですよね。看護師の資格と英語力というと、それほど関連がないように感じるかもしれませんが、この2つを活かせる勤務先がいくつか存在します。
どんな求人先が存在するのか、看護師が英語を活かせる仕事に就くメリット、デメリットについてまとめます。「せっかく転職したけれど希望と違ってしまった」ということにならないよう、転職先を検討するための参考にしてください。
目次
看護師が英語を生かせる求人先、メリットとデメリット
看護師としての資格と英語力の双方が必要となる、もしくは重視される求人先には、医療機器や医薬品を扱う外資系企業のCRC(治験コーディネーター)、CRA(臨床開発モニター)、MR(医薬情報担当者)、DI(お客様相談室)や、美容外科クリニックなどが見られます。
そのほか、国際緊急援助隊(JDR)での勤務や、インターナショナルスクールの保健室、外資系企業・ホテルの医務室、空港や港湾施設、船舶内の医務室、海外旅行をする外国人ツアーの添乗、外国人が病院に行く際のエスコートナースといった仕事があります。
英語を活かせる求人のメリット
まず、持っている能力を充分に活用できることが大きなメリットです。病院やクリニックに勤務するにしても、外国人患者数を意識して求人を選んだりしなければ、英語を話す機会はなかなか訪れるものではありません。
あらかじめ英語力が必要とされる求人を選ぶことで、看護師としての臨床経験を基礎として、英語を使いながら生き生きと働くことができます。
また、外資系企業への転職の可能性が大きくなることもメリットです。看護師の資格だけで外資系企業への就職を目指すのはなかなか困難ですが、相応の英語力があれば、選考で有利にはたらきます。
後述しますが、外資系企業は能力主義で、頑張りによって年収700万円以上といった高収入や昇格を期待することができたり、病院のような夜勤がなく、土日祝日休みなど勤務体制面でのメリットもあり、人気の高い求人先です。
英語力のアピールによって、このような企業への転職が有利になるのは大きな魅力です。
英語を活かせる求人のデメリット
デメリットとしては、求人機会の少なさが挙げられます。上記のような求人情報は、病院やクリニックでの看護師求人に比べれば格段に数が少なくなり、そのなかで勤務地や条件が合うものを絞っていくと、「なかなか機会がない」という方もいるでしょう。いずれかの希望条件を譲歩する必要があるかもしれません。
求人先によっては転職前より給与額が下がってしまう、というケースもあります。例えば総合病院の看護師が、英語力のある看護師を求めるクリニックへ転職する場合、基本給はさほど変わらなくても夜勤手当がつかなくなり、給料が前年よりも割り込んでしまうことになります。
転職前後の勤務条件によりますが「たとえ給料が少なくなっても能力を活かしてやりがいを感じたい」と割り切らなければならないケースがあります。
看護師が英語を生かせる求人先は?
以下では、看護師が英語を活用できる求人先として、具体的にどんな転職先があるのか見ていきます。
医療関連の外資系企業
外資系の医療機器メーカーや製薬会社では、同僚や上司、取引先が外国人であることは当然であり、仕事、コミュニケーションともに英語で行う必要があるため、英語力が重視されます。
なかでも看護師の知識や経験が役に立つのが、新薬開発の最終工程として欠かせない治験、臨床試験において、院内で治験担当者、被験者、製薬会社の調整に当たるCRC、治験がきちんと行われるようチェック、指導に当たるCRAといった業務です。
医師や看護師ら医療従事者に医薬品の情報を適宜提供したり、相談を受けたりするMR、お客様相談室担当のDIもまた、看護師としての経験を活かせます。
オフィスワーク中心で夜勤がなく、土日祝日に休むことができるので、家族や友人とスケジュールを合わせやすい、やりがいがあるといったメリットがある反面、ストレスや残業は決して少なくなく、出張があったり、場合によって給与条件がさほど良くない可能性に注意が必要です。
英語力の目安は、TOEIC600~700程度とされますがそこまで自信がない場合、看護師としての臨床経験やコミュニケーション力のアピールによって、転職が成功するケースも見られます。英語研修を用意している企業もあるので探してみると良いでしょう。
都市部のクリニック
外国人居住者が多かったり、大使館、外資系企業が集中する地域、外国人労働者の多い都市部のクリニックでは外国人の患者さんが多く、看護師の求人条件に英語力がプラスされていることがあります。
診療科としては一般的な内科や外科、婦人科や人間ドッグのほか、美容皮膚科、美容整形外科などの美容系クリニックの求人が目立ちます。TOEICの目安は500~600程度で、問診や治療の説明、介助業務が中心になります。
国際緊急援助隊
世界各地の被災地において救援活動を行う国際緊急援助隊(JDR)でも、英語を話せる看護師が活躍しています。1979年のカンボジア難民の支援活動をきっかけに、1987年にはJDR法が正式に施行され、災害規模や被災国のニーズに合わせて様々な支援活動を行っています。
看護師が協力するのは、被災者の捜索・救出に当たる救助チーム隊員の健康を管理する医療班と、医師や薬剤師らとともに診療・応急処置を行う医療チームです。
必要条件として、心身の健康や5年以上の看護実務経験、英検2級、TOEIC540相当の英語力が挙げられていますが、現地の惨状に対する精神的ショックや厳しい活動条件にも負けないタフさや体力、これらを支える使命感が欠かせません。
登録しておくことで災害発生時に召集され、現地へ派遣される形態なので、普段勤務する職場で、活動に対する理解・承諾を得ておく必要があります。現職ではそのような環境にない場合には、先例があったり承諾が得られる転職先を探してみましょう。
インターナショナルスクール
看護師の勤務先のひとつに学校の保健室・医務室がありますが、なかでもインターナショナルスクールへの勤務では、TOEIC500~600レベルの英語力が求められます。
施設そのものが都市部に集中し求人数が少ないという制限はありますが、日勤のみで業務内容がハードではなく、週末に休めるなど好条件の求人となっています。
そのほかの英語を活かせる求人先
外国人利用者が多い施設での看護師求人では、必然的に英語力が必要とされます。そのような施設として外資系の企業やホテル、空港、港湾施設の医務室、船舶内の医務室があります。
海外旅行客の多いツアーの添乗ナースや、外国人が病院に行く際に付き添いをするエスコートナースのような求人は、派遣として登録しておき、案件発生時に働くことになります。
いずれも求人の機会は少なめで、求められる英語力はケースバイケースです。看護師として、しかも英語を活かせる仕事に就くメリット、デメリットを考慮したうえで転職を希望するときには、看護師専門の転職サイトで相談してみると、効率よく転職活動を行うことが可能です。
- 能力を活かせること、外資系企業への転職に有利というメリット
- 求人機会が少なく、給料が下がってしまうケースがある
- 外資系企業のCRC、CRA、MR、DIなどで活躍できる
- 美容系など外国人患者が多い都市部のクリニック
- 国際緊急援助隊での活動にも英語力が役立つ
- 学校やホテル、船舶やツアーナースなど様々な職場、働き方がある
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