看護師の仕事の多くは、病院やクリニックで怪我や病気の方の治療の介助やお世話をするというものですが、なかにはより多様な目的で、看護師のスキルが必要とされる場所があります。
高齢化社会の進行によって充実・整備が求められている「介護サービス系」もそのひとつであり、同じく病院以外で注目度の高い看護師求人先に「エステ」があります。
看護師が求められるエステサロンは一般的に「メディカルエステ」と呼ばれています。このメディカルエステとはどのような目的の施設なのか、エステサロンとの違いや看護師の実際の仕事内容、看護師に求められる要素などを説明します。
目次
エステサロンとメディカルエステはどう違う?
医療行為を行えるか否かの違い
美を追求するエステで提供する施術には、オイルマッサージのようなエステティシャンが行う行為以外に、医療行為としての処置が必要な場合があります。この医療行為を行えるのがメディカルエステであり、医師や看護師が治療に当たります。一方で医療行為を行うことはできずエステティシャンが対応するのが、一般的なエステサロンです。
例えば脱毛を例にすると、照射パワーの強い医療用レーザーを使用して高い効果を得ることができるのがメディカルエステであり、光脱毛といった比較的低出力で効果の小さい機器のみを使用できるのがエステサロンです。
エステサロンでも「永久脱毛」を謳うクリニックがありますよね。日本医師会では、エステサロンにおける永久脱毛は医師法に抵触している、と警告をしていますが、「実際には出力の弱い光脱毛を利用しているのでOK」という風に、線引きのあいまいな部分があります。
一般的なエステサロンとメディカルエステとで称号の決まりがあるわけではなく、消費者からのクレームをはじめグレーゾーンとして問題にされてきました。が、近年では医療機関ではないサロンで医療行為となる脱毛が摘発された経緯もあり、ある程度の線引きがなされてきているという現状です。
看護師が募集されるのはメディカルエステ
看護師を求人募集の大半はメディカルエステであり、具体的にはメディカルエステの看板を掲げる美容外科・美容皮膚科や、美容外科が併設・提携する施設が多くなります。
エステというよりも美容外科により近いメディカルエステでは、医学的知識とスキル、資格を持つ医師による診察、治療によって、肌トラブルの的確な改善、施術、指導が受けられるほか、術後のケアにおいてもより安心感を得られるようになっています。
しかしメディカルエステと謳っていながら、実際には医師が常駐する医療機関ではない施設もあるので、看護師求人を見極める際に注意するようにしてください。
メディカルエステで働く看護師の仕事内容
医療とエステ、どちらに重点を置いているか
メディカルエステと一口に言っても、施設によって重点に違いがあります。ひとつには、美容整形外科寄りの、整形手術やレーザー脱毛などに力を入れているタイプ、もうひとつは、脱毛のほかリラクゼーション施術にも力を入れている、エステサロン寄りのタイプです。
施設によりますが、扱われる可能性がある施術としては、整形外科手術、医療レーザー脱毛、脂肪吸引のほか、ニキビやシミ、シワを取り除き美肌を促すためのピーリングやフォトフェイシャル、イオン導入、ヒアルロン酸注射、ボトックス注射、疲労にも効くビタミン注射、ニンニク注射などが挙げられます。
看護師の主な仕事は医師の診療・治療の介助であり、オペがある施設ではその介助、準備や片づけを行います。施術方法や術後の経過、ケアなどについてカウンセリングを行うのも看護師の大切な仕事です。スタッフ数の多少によって、受付や電話対応、事務処理や清掃、器具・機械の準備や消毒なども担当します。
接客、営業の仕事
病院勤務経験のある看護師であれば問題なく行える業務内容ですが、メディカルエステの場合、看護だけでなく「接客」「営業」の仕事が加わります。
エステの施術は審美的なものが多いため、ほとんどが自費診療です。治療代が高いということ、患者さんがやむを得ずではなく自主的に通院を選んでいるために、患者さんというよりはお客様として対応することとなります。そのため病院勤務の場合よりも、接遇・ビジネスマナーが重要になります。
勤務先の方針によって、サロン内で販売するスキンケア化粧品の販売や施術メニューの勧誘など、営業を行うところが少なくなく、なかには売上ノルマが決められているところもあります。このような傾向は、エステサロン寄りの施設でより強くなるでしょう。
メディカルエステで働くメリット・デメリット
女性の美を追求する情熱は、時代を経ても減少することはなく、近年では男性も脱毛や化粧をするなど、男女ともにエステ利用が普及しつつあります。自費診療であることもあり、確実に利益を伸ばしつつある業界です。
必然的にメディカルエステの看護師求人は少なくなく、かつ看護師からも人気のある業種です。その背景にはエステティシャンへの憧れだけではなく、勤務条件における魅力も重なっています。
メディカルエステのほとんどで、夜勤や残業がなく、給料も好条件なのです。勉強目的で看護師自身も審美的な施術を経験できることをメリットと捉えることもできます。
ただし、病院で活躍できるような看護師としてのスキルアップは難しく、将来的な看護師キャリアを重視する方には向いていません。
メディカルエステで看護師に求められるもの
メディカルエステで働く看護師に必要なのは?
・関連資格
看護師の免許と病棟勤務経験があれば、十分に対応が可能ですが、関連する皮膚科や形成外科での勤務経験があれば転職時の強みとなります。さらにアロマテラピーをはじめとしたエステ関連の資格を取得しておくと、アピールポイントになるうえ、転職後の仕事の幅が広がります。
・ビジネスマナー
接客や営業の要素がより強くなるという点で、ビジネスマナーを改めて学んでおくといいですし、営業に前向きに取り組めるコミュニケーション力のアピールが大切なケースもあります。
・年齢や容姿も見られる
審美的なものが求められているため、年齢や容姿が重要視される傾向があります。新卒から2~3年後の比較的若い看護師が有利ではありますが、それ以上の年齢の方も、自分をきれいに見せることに注意を払い、清潔感を重視しましょう。
家庭や趣味により時間を割きたい場合には、アルバイトやパートでの転職を検討してみてもいいですね。もともとが高収入の傾向にある業種なので、常勤以外でもある程度の収入を望むことが可能です。
人気の高い業種であるため、転職時の採用倍率は高めになります。条件のいい求人をいち早く見つけるには、看護師専門の転職サイトを利用してみましょう。
職場の雰囲気や離職率はどうなのか、営業にはノルマがあるのかなど、勤務してみないと分からないような情報を、サイト内の専任コンサルタントを通じて確認することもできますよ。
- 医師による審美的医療行為を行えるのがメディカルエステ
- エステサロンとメディカルエステの間にはグレーゾーンがある
- 医師の診療介助を中心に、カウンセリング等の仕事を行う
- 施設が扱う診療や方針、スタッフ数により看護師の業務範囲は異なる
- 接客視点が強く、営業を行う施設もある
- 利用者からも看護師からも人気の業界
- 皮膚科、形成外科の経験やエステ関連の資格がアピールポイントに
- ビジネスマナーやコミュニケーション力、年齢と容姿が重視される
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