看護師が退職後にもらう失業保険について



看護師が前職で雇用保険に加入し毎月保険料を支払っていた場合、退職後には「失業保険」を受け取る権利があります。

後になって「受け取れたはずのお金があったのに」と後悔のないよう、どのような条件で失業保険を受け取ることができるのか、退職理由による違いや申請に必要なもの、再就職時にもらえるお祝い金についても知っておきましょう。


失業保険とは?


失業保険=雇用保険

失業保険とは公的な保険制度のひとつです。労働者の生活と雇用の安定のための保険であり、雇用保険料を支払っておくことで、失業したときに失業保険(失業手当)の支給を受けることができます。

1ヶ月以上雇用されていて、週に20時間以上働いていれば雇用保険に加入することができますが、加入の手続きをしているかどうかは雇用先次第です。給与明細の雇用保険欄に記載があり天引きされていれば、雇用保険に入っていることが分かります。

ただし、個人病院など小さなところでは雇用保険に入っていなかったり、悪質なケースでは給与から天引きしていながら雇用保険には未加入であった、という事例があり、注意が必要です。

失業保険がもらえる時期と金額

失業保険の金額は、下記の計算式で算出します。

 (退職直前の6ヶ月分の給与総額)÷180×(0.6~0.8)=賃金日額
 賃金日額×28日=1ヶ月の失業手当支給額

 ※給料総額:諸手当を含むがボーナス、退職金は含まない
 ※(0.6~0.8):賃金日額によって異なり、日額が低いほど割合が高い

失業手当の受給期間は、退職理由、雇用保険の加入期間、年齢によって決められており、退職理由が自己都合の場合よりはやむを得ない事情の場合の方が、年齢は高い方が、加入期間が長い方が、長期間失業保険を受給できます。(ただし60歳以上では受給期間は短くなります)


退職理由による違い


自己都合での退職

例えばキャリアアップのためなど、自分の都合で退職した場合には、一般的に、ハローワークでの手続きの4ヶ月後から失業保険を受け取ることができます。

自己都合による退職では、雇用保険加入が1年未満であれば失業保険を受給できないことに注意が必要です。なお1~10年未満では90日、10年以上では120~150日間受給できます。

自己都合以外の退職

自己都合以外の退職として、下記のようなケースが該当します。

・勤務先の倒産
・経営悪化による解雇
・2ヶ月以上給与の支払いがなかった場合
・勤務先の移転により通勤が難しくなった場合

・病気や妊娠、出産、育児、介護のための退職
・親族の死亡や疾病、扶養のための離職
・離婚のほか家庭事情の急変による退職

・同僚や上司からの嫌がらせが原因での退職
・求人内容と実際の勤務条件が違った場合
・退職前3ヶ月間の残業時間が毎月45時間以上


この場合、条件に当てはまれば4ヶ月待つことなく、すぐに失業保険を受け取れる可能性があります。特に最後の残業時間による規定は、看護師で当てはまる方が多く覚えておきたいポイントです。

雇用保険加入が1年未満で90日、1~5年未満・45歳未満で90日、45~60歳未満で180日、5年以上では年齢により120~330日まで受給期間の幅があります。


失業保険申請に必要なもの



失業保険の申請手続きは、各市区町村のハローワークで行います。申請に必要なものは下記の6点です。書類は退職時、忘れずに受け取っておき、平日日中の開所時間中に申請に行きましょう。

・離職票(2枚)(退職後10日以内に発行)
・雇用保険被保険者証(失業保険申請時だけでなく、転職先にも提出)
・認印(シャチハタ不可)
・証明写真(2枚 縦3cm×横2cm正面上半身)
・普通口座通帳
・本人確認書類(運転免許証など)


そのほか、失業保険申請には必要ないものの退職時にもらっておく書類があります。

・年金手帳
・源泉徴収票(確定申告に必要)
・健康保険被保険者資格喪失証明書
・厚生年金基金加入員証


再就職手当(お祝い金)とは?


どうするのが得?

「自己都合で退職して失業保険を申請したものの、給付はあと3ヶ月経ってから。月々いくらもらえるのかを考えると、保険を待つより再就職してしまったほうが得なの?」と悩む看護師の声が聞かれます。これに対しては、退職から再就職までどう過ごすかにもよるでしょう。

すぐに再就職して働けばしっかり収入を得ることができますが、しばらくは失業保険を受給し、給付期間中に再就職する方、給付の条件内で派遣のアルバイトをしながら失業保険を全額受け取り、ゆっくりと次の再就職先を探すという方もいます。

ここで見逃せないのが、失業保険受給中の再就職時にもらえる「再就職手当」の存在です。就職促進のために給付される手当のひとつであり、そのほかにも就業手当、常用就職支度手当があります。

再就職手当を受け取るための条件

何らかの仕事に就いたときに受け取ることができる再就職手当は「お祝い金」とも呼ばれ、失業保険との同時受給は出来ません。給付額は下記のように計算されます。

 失業保険支給残日数×40%×基本手当日額
 ※日額の支給上限は一般的に5,900円前後、60~65歳未満で4,900円前後

失業保険給付期間中に就職した場合、ハローワークに報告せずに失業保険を受け取ることは、不正受給となるので注意してください。


再就職手当を受け取るには、下記の9点が条件となります。

・失業認定を受けたうえで所定給付日数が1/3以上、45日以上残っていること
・1年以上の雇用が確実であること
・転職先の内定通知が失業保険受給資格決定日以後であること
・待機期間経過後であること(自己都合退職の場合保険申請の4ヶ月以後であること)
・自己都合退職の場合、最初の1ヶ月はハローワーク・厚生労働大臣許可の職業紹介事業者の紹介で就業する必要
・離職前の職場への再雇用の場合は対象外
・過去3年以内に就業促進手当を受けていないこと
・雇用保険加入企業への就職であること
・再就職手当受給後すぐに離職した場合、手当を返金すること

そのほか、アルバイトなど非正規雇用に就いた場合にもらえるのが就業手当、障害者や45歳以上の方が就職したときにもらえるのが常用就職支度手当であり、それぞれに受給条件、受給額の算出方法が決められています。

転職先の決定と、退職後どのぐらいで再就職するのかの決定は同時進行で考える必要があります。失業保険や再就職手当の受給も検討しつつ、自分に合った転職時期を考える参考にしてください。

<看護師が退職後にもらう失業保険について・まとめ>

  • 現職で雇用保険に加入しているかどうかをまずは確認
  • 退職理由、加入期間、年齢によって受給期間、受給開始時期が違う
  • 自己理由とならない退職に当てはまるかどうか要チェック
  • 退職時にもらう書類を含め、保険申請に必要なものを準備
  • 受給期間中の就職では再就職手当を申請できる
  • 失業保険や再就職手当と合わせて、転職先・時期を考える必要


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