「プライマリーナーシング」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?看護にはいくつかの種類があり、大きく分けると「チームナーシング」と「プライマリーナーシング」に分けられます。
ここでは、プライマーナーシングについて詳しく解説していきたいと思います。
プライマリーナーシングとは
患者と一対一で向き合いながら看護を行なう
プライマリーナーシングは、1人の患者につき専任の看護師が1人つき、一貫して看護業務を受け持つ看護形態のことです。
患者の病状などによって、1人の看護師が責任をもってすべての看護を行なうことで、患者に寄り添い、ニーズに合わせた看護を行なうことを目的としています。
プライマリーナーシングの流れ
プライマリーナーシングの流れとしては、患者の入院が決定したら、プライマリーナースを決めます。
プライマリーナースは患者の看護計画を立て、それに則って入院から退院までの看護を行い、退院後は報告書をまとめるという流れです。プライマリーナーシングといっても、日々の業務で1人の看護しか行なわないというわけではありません。
日勤の場合は受け持ちの患者を看護しますし、お休みの日もありますのでその時は別の看護師が看護にあたることもあります。
プライマリーナーシングのメリット・デメリット
患者と近い距離で看護でき、信頼関係を築きやすい
プライマリーナーシングのメリットは、やはり患者と近い距離を保つことで、信頼関係を築きやすいという点です。プライマリーナーシングが必要な患者は、いろいろな面でナーバスになっている人も少なくありません。
毎日違う人が看護することで、より心を閉ざしてしまうことにもなりかねませんが、毎日顔を合わせて誠意ある看護を続けることで、患者が心を開き、看護師とよい関係を築くことができます。
最終的にそれが回復につながるというメリットもありますね。
看護師によっては看護に差が出てしまうこともある
看護師にはベテランがいれば新米もいて、それぞれの看護能力も違います。
そのため、看護師としてのキャリアがまだ浅い、看護能力がまだそこまで高くない看護師と、ベテランで能力のある看護師と比べると、看護の質に差が出てしまうという点は、プライマリーナーシングのデメリットであるといえるかもしれません。
また、プライマリーナースと患者の関係があまりにも近くなりすぎると、患者がプライマリーナース以外の看護師には一切心を開かない、ということもあるようですので、こうした点もプライマリーナーシングのデメリットといえますね。
プライマリーナーシングとチームナーシング
チームナーシングは、複数人の看護師が担当して患者の看護を行ないます。
プライマリーナーシングとの違いは、プライマリーナーシングは1人の患者に対して質の高い看護を行えるのに対し、チームナーシングは複数人の看護師が担当することで、多角な看護を行えるという点です。
どちらの看護を行なうのかは、患者の病状やタイプによって変わってきますが、いずれにせよ患者にもっとも望ましい看護方法を選択することが重要になります。
プライマリーナーシングに関する疑問
プライマリーナーシングはいつからできる?
新卒の看護師が、いきなりプライマリーナースとして看護を行なうということはまずありません。
看護師として働き始めて、毎日の業務を一通りこなせるようになってからプライマリーナーシングを受け持つことになりますが、だいたい就職して半年はかかると考えてよいでしょう。
またいきなりプライマリーナースに就くわけではなく、最初は先輩のプライマリーナースのサポートを来ないながら業務を覚えたり、看護計画の立て方などを勉強し、プライマリーナーシングにおいてもある程度の経験を積んだ上で、1人でプライマリーナースとして看護を行なう流れになります。
看護責任は一人で負わなければならないの?
責任を1人で追わなければならないということはありません。
プライマリーナースといえども、日勤の日もあればお休みをいただいていることもありますので、そういった時は別の看護師がアソシエイトナースとして患者の看護を行いますので、基本的に看護はチームで行なわれていると考えてよいです。
もちろん、明らかに自分1人のミスであれば責任を追わなければならない可能性もありますが、そういったことでない限り、自分1人の責任になってしまうことはないので安心してください。
- プライマリーナーシングは、看護師が1人の患者の看護を専任して行なうこと
- 患者の入院が決まったらプライマリーナースが決められ、看護を行なうという流れになる
- プライマリーナーシングのメリットは、患者とプライマリーナースの信頼関係を築きやすい点
- 患者の病状やタイプによって、チームナーシングかプライマリーナーシングかを決める
- プライマリーナーシングのデメリットは、看護師によって看護に差が出やすい点など
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