看護師の転職準備、希望条件のリストアップ



今の職場で人間関係がうまくいかず辛い、お給料が少なすぎる、シフトがキツい、体力的に続かないといった理由は、看護師の転職理由としてよく見られます。

これらの理由も、よりよい職場環境を求める、より高収入を目指す、看護体制が充実した病院を探すための転職であるという見方をすれば、より充実した毎日のための前向きなイメージを持つことができます。

転職するために準備が必要な理由

大切なのは「何のために転職するのか」その理由をしっかり探り、それに則した求人を探すことです。

漠然と新しい環境を求めて転職すれば、求人情報が精査されていないためにこれまでと同じような不満や問題が生まれ、結局長続きしない可能性が高まります。


求人情報を見る前にまずはその準備として、自分が希望する条件をリストアップしていきましょう。「給与アップ」「日勤のみ」「人間関係」など、大まかな希望で構いません。

さらにリストのうち、どの条件を優先するのかを決めておきます。具体的に①、②・・・と順位づけできなくても、◎、○、△・・・といったマークを付けても分かりやすいですね。


転職条件、チェックのポイント



具体的に希望条件が挙がってきたら、各リストのチェックポイントを確認していきましょう。

1.雇用条件

看護師採用には、常勤、非常勤(パート)、派遣、単発などがあります。常勤としてバリバリ働くのか、子育てや家事の時間のために非常勤を選ぶのか、派遣で集中して稼ぐのかなど、自分に合った働き方を選択します。

希望との合致だけでなく、雇用条件から病院の現状が読み取れる場合もあります。例えば「臨床経験3年以上を限定」「ブランクOKの文字がない」「非常勤募集が多い」という病院では、常にスタッフ不足で勤務内容に余裕がない環境が推測できます。


全ての求人が当てはまるわけではないですが、未経験者やブランク後の復職に対応する余裕がないほど、少ない看護師でハードワークをこなしているとすれば、転職先として好条件とは言えません。

この点は雇用条件だけでなく、のちに説明する勤務体制と施設概要でもチェックが可能です。

2.勤務地



病院の通勤時間は出来るだけ30分以内で探します。夜勤、準夜勤明けの帰り道は辛いものですし、徒歩や自転車であれば女性が出歩く時間としてリスクがあります。

継続して通える上限が30分、と考えてください。どうしても希望に合う病院までの距離が遠くなってしまう場合、家庭の事情が許すならば看護寮に入るのも選択肢のひとつです。

3.施設

看護師が働ける場所は、病院やクリニックのほかに介護関連の施設やサービス、企業看護師や学校保健室と多岐に渡り、病院でも様々な診療科、規模があります。病棟のある病院・クリニックでは夜勤があることが当たり前であり、デイサービスや訪問看護、企業や学校に勤務すれば日勤のみで働けます。

どのような施設を勤務先として選ぶのかによって、仕事の内容や看護師としてのキャリアが大きく変わってきます。

4.勤務体制



夜勤がある場合には、勤務体制の確認が必須です。病院の環境・方針によって、8:30~17:30/16:30~9:00といった2交代制、8:30~17:30/16:30~25:30/0:30~9:00といった3交代制があり、それぞれにメリット、デメリットが考えられます。

2交代制では勤務時間が長く体力的にキツいものの、通勤回数が少なくしっかり体を休められます。一方の3交代制は、体力的に楽で家事をこなす時間が確保できるものの、通勤回数が増え、短い休養を何度かとるというスタイルになります。

<関連記事>
看護師の転職、夜勤なし日勤のみの求人先は?

5.看護師数と病床数のバランス

一人の看護師が何人の患者を担当するのかを表す「看護師配置数」は、病院により7:1、10:1、15:1など様々であり、7:1が理想的です。病院規模にふさわしい看護師数かどうかを確認するための計算式があるので、求人確認の参考にしてください。

平均入院患者数×2もしくは3(何交代制か)×勤務票日数 ÷ 看護師配置数×勤務日数

※平均入院患者数=病床数×0.7
※勤務票日数=ひと月の勤務表の全日数
※看護師配置数=7:1の場合には「7」
※勤務日数=一人の看護師がひと月に勤務する日数


例えば、病床数が400、2交代制で配置が7:1、28日のうち20日勤務という条件の病院であれば、必要な看護師数は112人となり、プラス20~30人の看護師が揃っているのが理想です。

看護師配置数は、看護工数の多少を示すだけでなく、入院代金による利益、ひいては看護師給与にも影響しています。


例えば7:1の病院では入院基本料が15,550円なのに対し、15:1では9,340円にまで下がります。病床に空きがあればそれだけ病院収入が減少し、看護師給与もカット対象となる可能性があります。

6.給与



求人記載の給与は「額面」での金額です。手取り支給は、額面の約18%を差し引いた金額であることを知っておきましょう。

病院規模や扱う診療によりますが、看護師は資格職であり、夜勤や残業の手当てもあることから一般的なサラリーマンよりも高収入となる傾向があります。20代後半以降で年収が400万円を切るようならば、もっと条件の良い転職先を探したほうが良いと考えられます。

7.手当

病院の看護師にとって、手当額は年収を大きく左右します。夜勤手当の平均額は13,000円、準夜勤手当で10,000円です。たとえ1,000円の違いであっても、年収に換算すればその差は大きくなってきます。

都市部か地方かといった条件にもよりますが、手当額が平均を下回るようなら、よりよい条件の求人を探すことをおすすめします。通勤手当の上限の有無・金額や、住宅手当もチェックしておきましょう。

8.休日数



「年末年始、夏季休暇有り」と求人に書かれていたとしても、実際に勤務してみたら年末年始の休みは2日だけというところもあり、具体的日数を確認することが大切です。

4週8休という記載が多く、これを計算すると年間104日の休みとなりますが、長期休暇や有給休暇も合わせて120日は確保しておかないと、体力的、精神的にハードに感じられるかもしれません。

9.福利厚生

転職の際、福利厚生の内容を重要視する看護師が増えています。女性が多い看護職で有難いのは、子育てに関する体制の充実です。これは長期的に勤務できるかどうかにも関わってきます。

院内保育があれば安心です。急な発熱などによる退勤に対応しやすく、同僚の看護師からも子育てへの理解を得られやすくなり、これは人間関係の円滑化に大きなプラスとなります。

産前産後休暇、育児休業期間、勤務時間の短縮が可能かどうかなど、自身の家庭環境と合わせて考えておきましょう。希望条件のリストに合わせ、これらのポイントをチェックしていくと、自分に合った求人がピックアップされていきます。


求人に記載のないことまで知りたくなったり、実際に働いてみないと確認できない事項も出てきます。このようなときに心強いのが、看護師専門の転職サイトで活用できる「コンサルタント」の存在です。

看護師転職のプロとしての意見を聞くことができ、病院の実情についてもいろいろと質問することが可能です。転職準備でまずはアドバンテージをとり、転職を成功させられるよう、活用できるものは活用していく賢明さが大切ですよ。

看護師の転職準備、希望条件のリストアップ・まとめ

  • 転職準備では希望条件をリストアップ、優先順位づけする
  • 求人内容から職場環境が推測できる
  • 勤務時間は30分以内
  • 勤務体制、手当額もしっかりチェック
  • 子育てに関する福利厚生も重要
  • 詳細は転職サイトでコンサルタントに確認できる

<関連記事>
看護師の転職回数、転職の繰り返しは不利?


 看護師の転職サイト、人気ランキング


看護師の転職サイト、おすすめは?

看護roo!
※九州・四国はサービス対象外です

 無料登録はコチラ



マイナビ看護師

 無料登録はコチラ


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です