医療は日々進化していきますし、看護のあり方もよりよい方向へと変わっていく傾向にあるため、看護師は常に勉強をして、知識と経験を積んでいく必要があります。そこで活用されているのが看護師の『卒後教育』です。
ここでは、卒後教育についてより詳しく解説しています。
卒後教育とは
卒後教育ってどんなもの?
看護学校でたくさんのことを学び、多くの実習をこなしても、実際に現場に立ってみると、今まで学んできたことが役に立たず、実践で戸惑ってしまう看護師が増えています。
そこで、看護学校を卒業した後により実践に近いことを学び、看護業務に役立ててもらおうと行われているのが『卒後教育』です。
卒後教育は二つの方向性に分けられます。一つは、前述した「より実践に役立つことを目的として行われている卒後教育」で、病院などの医療施設でより実践に役立つ教育を行います。
もう一つは、「看護師がよりキャリアを磨くことができる、ステップアップを目的」とした卒後教育です。こちらは、新卒の看護師に対して一定期間卒後教育をして、その後一段階ずつステップアップしていく形での『ラダーシステム』などと呼ばれる卒後教育を行います。
新人看護師の意識づけやモチベーションアップに繋がる
ゆとり世代を含めて、新人看護師は自分の考える範囲内で無理なく業務に携わっていきたいと考えている人が多いです。そして、「褒めて伸ばす」という教育を受けて育った若者が多いため、ステップアップにも独自の教育方法が必要であると考えられます。
卒後教育を行なうことで、実践に向けて新人看護師の意識改革につなげたり、またステップアップしていく教育を行ない、本人が確実に実力をつけていると認識させることで、「褒めて伸ばす」育成が可能となり、早期離職防止にも繋がります。
病院への定着率アップが期待できる
新人看護師が現場に入ったあともしっかりとした教育を受け、また自分がどれだけステップアップできているかということを確認しながら働くことができれば、自分自身への自信ややりがいに繋がります。
そして仕事にやりがいを感じれば、所属している医療施設への定着率も高くなりますので、病院側にとっても卒後教育を行なうことのメリットは大きいです。卒後教育を行なうことで、近年増えてきている新人看護師の早期離職防止も期待できます。
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卒後教育はどんなことやってるの?
卒後教育はその病院によって異なり、実にさまざまな形で行われています。ここでいくつか実例をを挙げてみましょう。
患者の心身を和らげる看護を学ぶ
患者の心が常に穏やかな状態でいられるような看護を学ぶために、ある病院ではプログラムを組んで卒後教育を行っています。
1年目から3年目以降まで細かなプログラムになっていますので、継続して受けることで早期離職防止にも繋がりますし、教育を受けながら実務をこなすことで、心身ともに一人前のナースへと成長できます。
1年目では野外活動やコミュニケーション研修など、患者の心を癒やす看護について自分自身も楽しみながら学びを深めていき、2年目はその研は修を活かしたケーススタディを行い、その後はOJTを重ねながらこれまでの研修をレポートとして文字にまとめる……という流れで研修が進んで行きます。
経験を積むほど看護業務が事務的になり、患者の気持ちに寄り添うことを忘れてしまいがちですが、こうした研修を受けながら実務に携わることで初心に返って看護のあり方を見直すことができ、ベテランと呼ばれる時期になっても「患者を癒す看護」の意識を忘れずにいられるのだそうです。
重度の障害を持つ患者への理解を深める卒後教育
またある病院では、心身に重度の障害を持つ患者への理解を深め、看護に役立てていけるような卒後教育を行っています。
ただ理解を深めるだけではなく、看護に必要なケアや療育など、実践に役立つ技術についても学び、看護業務に活かせる内容となっています。研修やOJTを通して実践的に学ぶことで、患者が思うことが細かく感じ取れるようになり、看護師にとってもそれがやりがいに繋がるようです。
大規模病院など、大きな医療機関では看護師の育成、教育に力を入れているところが増えてきています。
卒後教育はもちろん、ブランクのある看護師が活躍できるような教育、研修を行っているところも多いので、より看護師としてステップアップしたいと考えている人は、このような病院で働くことを視野に入れてみるのもよいかもしれません。
- 卒後教育は、看護学校を卒業した看護師が所属している医療施設で受ける教育のこと
- 卒後教育は、ゆとり世代の看護師の意識改革や、所属する医療施設での早期離職防止に役立つ
- 実務に役立つ教育と、看護師としてのステップアップを目的とした教育の2種類がある
- 卒後教育は病院によってさまざまな形で行われている
- ある病院では癒やしの看護について、またある病院では障害者への理解を深める教育など、医療施設によって内容が異なる
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