看護師の約95%は女性です。女性には結婚、出産、育児などのライフイベントをきっかけとして、働き方を見直す機会があります。看護師として就職し、初めに直面する可能性が高い「結婚」を機に、転職や退職を検討する看護師は少なくありません。
ここでは、結婚をする際に転職を検討する理由や、実際に転職する際のポイント、さらに専業主婦になるという選択肢についても、詳しく見て見ます。
目次
結婚を機に転職する理由と注意点
理由1. 通勤の問題
配偶者と一緒に暮らすため、結婚を機に引っ越しをする方は多く、現在の勤務先への通勤が難しくなることがあります。その場合、通勤可能な病院やクリニックへの転職を検討する方は多いでしょう。
求人選びでは、通勤が可能な場所であることはもちろん、結婚を機に夜勤なしのクリニックなど家庭に時間を割きやすいような職場を選ぶのか、むしろ看護師としてステップアップできる職場を選ぶのか、転職における優先順位を明確に持っておくのがポイントです。
目的なくなんとなく転職してしまうと、後になって「こんなにハードに働くつもりじゃなかったのに」「もっと看護師としてキャリアを積みたかったのに」という後悔につながりかねません。
理由2. 家庭との両立
独身のときには自分一人の都合で決められた勤務時間も、結婚すれば、夫との時間の確保について考えることでしょう。子供が欲しい場合には、出産・子育てがしやすいシフトへと変える必要があります。
配偶者やその両親に「夜勤なしの勤務に変えてほしい」「土日にお休みできるようにできないか」と希望されるケースもあります。
家庭との両立のため、夜勤なしのクリニックなどへ転職する看護師もいます。出産・子育てまでを視野に入れるなら、産休・育休制度や託児施設、院内保育所がある求人先を選んだり、ママさんナースが多い病院なら休日の交代も頼みやすいでしょう。
育休取得のためには、その就業先に1年以上勤務していなければならないなど、いくつかの条件があります。事前にしっかり確認しておいてください。
理由3. ワークライフバランス
仕事と私生活とのバランス=ワークライフバランスは、看護師にとっても重要な課題です。このバランスを見直すのに、結婚という大イベントは良い機会と言えます。
これまでの常勤からパート・派遣看護師へと転職すれば、結婚生活に時間を割いたり、何か趣味を始めてみたり、新しい診療科や医療機関をより流動的に体験してみることができ、新しい発見ができりるかもしれません。
結婚を機に看護師を辞める?辞めない?
結婚するタイミングで転職ではなく退職をし、専業主婦になるという道を選ぶ看護師もいます。そのとき、なかには「たくさん勉強し時間をかけてなれた看護師を、辞めてしまっていいんだろうか」と不安に感じる方もいることでしょう。
看護師を辞めるかどうかのチェックポイント
結婚を機に看護師を辞めるかどうか迷ったときには、下記をチェックしてみましょう。
・自分自身は看護師を一生続けていきたいのか?
・結婚相手は看護師を辞めてほしいのか?
・専業主婦になっても経済的に大丈夫か?
・子供は何人ぐらい欲しいと考えているのか?
一番大切なのは、1番目の「自分自身の希望」です。本当は続けたいのに配偶者や家族の希望で看護師を辞めてしまうと、後々後悔の気持ちが大きくなってしまうかもしれません。
一方で配偶者に専業主婦になることを望まれているのに夜勤ありの看護師を続けていれば、配偶者の方の不満が溜まってしまう可能性も。二人でよく話し合っておくことが大切ですね。
現実的に最も大事なのは、3番目の経済的な余裕でしょう。看護師を続けていれば経済的にかなり余裕が出来ることは間違いありません。
子供を2~3人以上欲しいとなると、出産・育児に数年間は必要となります。そのまま看護師を続けるよりもいったんは専業主婦になって、育児が落ち着いてから再就職を検討したほうが良いかもしれません。
専業主婦の生活って?
患者さんの命を預かり、責任を持って忙しく業務に追われる看護師の生活に対し、専業主婦の生活では、ゆとりを持って家のこと、自分のことを整える生活になります。
1日3回の食事の準備に片づけ、掃除、洗濯、お風呂の準備や買い出しなどが一日のスケジュールです。子供がいない夫婦であれば時間にゆとりができます。趣味に時間を費やしたり習い事に行ったり、友人と出かけるといった、看護師のときにはできなかったことをやってみたり、自宅でゆっくりと過ごすこともできるでしょう。
子供が生まれると、先のスケジュールに子供の世話や見送り、お迎え、遊びや学習の時間などがプラスされ、子供が幼いほど時間を取られます。夫婦二人だけのときよりは時間のゆとりはありませんが、見方によっては、時間を忘れるほどの充実した生活とも見れます。
看護師時代の生活時間と、専業主婦の時間とでは、充実度の方向性が違うと言えそうですね。専業主婦になった場合の、メリット・デメリットをまとめておきましょう。
-
メリット
- 家庭のことをしっかりやれる
- 配偶者のサポートや子育てに専念できる
- 心身共にゆとりができる
-
デメリット
- せっかくの資格を生かせない
- 看護師としてのキャリアがリセットされてしまう
- 経済的余裕がなくなる
- やりがいを見出すのが難しい
専業主婦になる前に・・・
専業主婦になるにしても、看護師を続けるにしても、どちらの選択が正しいということはありません。専業主婦になれば家庭が上手くいくとは限らず、看護師を続けたからといって配偶者とのコミュニケーションがうまくいかなくなるとは限らないのです。
結婚を機にいったん看護師を辞めても、資格はあるのだからまた働きたくなったとき、子育てがひと段落したときに再就職すればいい、と考える方も多いでしょう。
これもひとつの生き方ですが、復帰については、決して甘く考えることはできません。資格と勤務経験があっても、日進月歩の医療の現場では、1年のブランクでも追いつくのが難しくなり、3年のブランクでは新人同様に、5年のブランクでは看護学生レベルまで、スキルや知識が減少してしまうと言われています。
いったん専業主婦になり数年後には復帰を、と考える際には、それなりの準備が必要ということです。復帰前の情報収集や勉強をしたり、復職支援サポートがしっかりした求人先を選ぶのがポイントです。
いきなり専業主婦になるのではなく、ワンクッションとして、時間を作りやすい勤務先に転職するという選択肢もあります。
夜勤・残業が少ない施設、例えば病床を持たないクリニックや診療科を選んだり、パートや派遣などシフトの希望を出しやすい雇用も良いでしょう。
ゆとりを持ちながら看護師資格を生かすこともでき、これまでとはまた違ったやりがいが生まれるかもしれません。
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復帰について相談したり、夜勤・残業なしなど負担の少ないの求人先を探す際には、看護師専門の転職サイトを利用してみましょう。復職支援の実際の運用状況や残業の現状など、求人情報には載っていない必要情報を事前に確認することができますよ。
- 通勤の問題や家庭と仕事の両立のため、結婚を機に転職する看護師が多い
- 退職を考えるなら、自分や配偶者の希望、経済的な余裕など十分な確認を
- 専業主婦になると、家事や育児に専念でき、心身のゆとりが持てる
- 看護師としてのキャリアがリセットされ、やりがいが見いだせないことも
- 復職前には自分で勉強したり、サポートが充実した求人を探す
- まずは夜勤、残業なしのところへ転職する選択肢も
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