少子化も相まって高齢者が増え、今は日本の人口の4人に1人が高齢者であるといわれています。そのため、ターミナルケアの必要性が高まり、ターミナルケアで働く看護師の需要も増えているようです。
ターミナルケアって?
ターミナルケアの「ターミナル」は、「終わり」、「終末」的な意味があり、末期がんなど疾病において回復が見込めない患者のケアや看護業務のことを『ターミナルケア』といいます。
ターミナルケアは、患者のさまざまな苦痛を和らげ、幸せな最期を迎えることができるようにケアを行なうことを目的としており、ホスピス専門病院や緩和ケア病棟といった病院だけではなく、患者の自宅などでも行われているものです。
ターミナルケアでの看護師の役割
肉体的な苦痛の緩和
疾患の末期症状を迎えている患者は、疾患によって激しい痛みや倦怠感など、肉体的苦痛を感じることがままあります。その時看護師は、患者の苦痛を和らげるための看護業務を行なうことが大きな役割のひとつです。
肉体的な苦痛を和らげるには、麻酔など痛みを和らげるための薬を投与するといった医療行為を行なうイメージが強いですが、痛みが続く患者の患部をさすってあげたり、手を握って寄り添うなど、医療行為以外のケアが思わぬ効果を発揮することもあります。
精神的苦痛の緩和
ターミナルケアを受けている患者は、死を迎える恐怖に怯え、不安を抱えています。看護師は、患者のこうした精神的苦痛を癒やすという役割もあります。死の恐怖だけでなく、またいつ激しい痛みが襲ってくるかわからないという不安も同様です。
話を聞いてあげる、患者がマイナス思考に偏っているときに上手に気分転換させるなど、心のこもった看護で患者の気持ちが和らぎます。
家族のケア
ターミナルケアを受けている患者の家族も、精神的に大きなダメージを受けています。その家族の不安や精神的苦痛を和らげるのも、ターミナルケアを行なう看護師の大切な仕事です。
家族のケアを行い、精神が安らぐことは、患者の安らぎにも繋がります。患者の症状を医学的に理解できず、もどかしい気持ちになりがちな家族に、看護師の業務範囲内で病状の説明をしてあげたり、家族ができるケアについてのアドバイスをするなど、看護師ができる家族へのケアはたくさんあります。
一般的な看護業務
ターミナルケアは特殊なケアを行なうため、看護業務も異なるような印象がありますが、バイタルチェックや患者の服薬管理といった、他の病棟でも行われる看護業務はターミナルケア病棟でも同様に行われます。
一般病棟とターミナルケア病棟の看護業務における大きな違いは、一般病棟では患者を「治す」ための看護が行われるのに対し、ターミナルケア病棟では「苦痛を緩和する」ための看護が行われるという点です。
前述したように、ターミナルケアを受けている患者は残念ながらその後回復するということがないため、看護師はその点に気を配りながら患者がストレスを抱えない看護を行なう必要があります。
ターミナルケアで求められる看護師の心得とは
患者に寄り添う姿勢
ターミナルケアを受けている患者は、一般的な疾患で治療をしている患者とは違います。思いもよらないことで大きなストレスを感じるかもしれませんし、看護師の発した何気ない一言で死に対する恐怖や不安を煽ってしまう可能性もあるのです。
そして、看護をする上で言葉をかける際も、心のこもっていないただやさしいだけの言葉は、患者に上辺だけのやさしさとして伝わってしまいます。看護師は、患者が心身共に痛みを受けていることを十分に理解し、患者の気持ちに寄り添った看護を行わなければなりません。
患者を安心させてあげられる看護
ターミナルケア病棟の患者は、自分がもう治らないということを理解して毎日を過ごしています。そのため気持ち的に孤独になりがちで、その孤独がさらなる孤独を引き起こしてしまうということも考えられます。
こうした患者の孤独感を取り除いてあげる、患者を安心させることができる看護が、ターミナルケア病棟の看護師が求められているものです。
やさしい気持ちで患者の側に寄り添う時間を増やすだけでも、患者は安心するもの。こうした気配りは、ターミナルケア病棟の看護師に何よりも大切なものです。
- ターミナルケアとは、幸せな最期を迎えるべく患者に行うケアのこと
- ターミナルケアはホスピスや緩和ケア病棟だけでなく、患者の自宅でも行われる
- 看護師の役割は、肉体的な苦痛や精神的苦痛の緩和、家族のケアなどがある
- ターミナルケアでも一般的な看護業務は一般病棟と同じように行われる
- ターミナルケア病棟の看護師は、患者に寄り添った看護を行なうよう心がけるべき
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