中卒でも看護師になれるの？

人生にはいろいろなことがあります。家庭の事情で高校に進学できなかった人、さまざまな問題で高校を中途退学せざるを得なかった人など、中卒学歴の人も少なくありません。そして、中卒だけれど看護師になりたいと考えている人も多く、どのようなステップを踏んでいけばよいのか悩んでいる人もいます。

そこで、ここでは中卒から看護師になる方法やそのメリット・デメリットについて解説していきます。

中卒でも看護師になれる？

結論からいうと、中卒でも看護師に「なれます」。中卒から正看護師になる方法、早速その流れについてご紹介しましょう。

高校に進学して准看護師の資格を取得する

『衛生看護科』という科を設けている高校がありますので、その高校に進学して3年間学ぶことで、准看護師の資格を取得します。

その後、おそらく高校に併設されていると思われる「専攻科」で2年学べば、看護師の国家資格の受験資格が得られ、国家資格に合格すれば晴れて正看護師です。

ただし、高校進学においては中学を卒業して数年と間が開いていない状況ならいいのですが、ある程度年齢を重ねた上で高校に進学するというのは現実的に難しいため、早い段階で決断する必要があります。

准看護師学校で学ぶ

准看護師学校は高校ではなく専門学校になりますが、中卒から入学することができる2年生の学校です。ここで2年間学んで准看護師の資格を取得し、病院で3年間准看護師として働いて実務経験を積みます。

その後『看護師学校養成所』という看護師になるための2年生の専門学校で勉強をして、看護師の国家試験の受験資格が得ます。そして国家資格に合格すれば、正看護師になれるという流れです。

中卒で看護師を目指すメリット・デメリット

中卒で看護師を目指すメリット

少しでも早く働き始めたいという人は、中卒から准看護師を経て看護師を目指すことで、看護学校や大学を出るよりも早く、収入を得られます。また、看護師の資格についても高卒から看護大学を出るより早く取得できるのも、中卒から正看護師を目指すメリットだといえるでしょう。

中卒で看護師を目指すデメリット

小さい頃から将来の夢が決まっているという人もいますが、高校で学びながら将来について考えるという人も多いので、中卒から正看護師を目指すことで、方向性を変えにくくなってしまうのが、デメリットのひとつです。

また、今は正看護師からさらにキャリアアップを目指す人が増えており、専門看護師を目指すにあたっては看護大学院を修了しなければならないという条件があります。

大学に進むには、高校卒業もしくは同等の学歴が必要になるため、中卒から正看護師になった人は、看護大学院を修了するためにまず高校卒業と同等の資格を取得するところから始めなければなりません。

さらに学力的な問題も関係してきますので、キャリアアップが厳しくなるというのは、中卒から看護師を目指す大きなデメリットとなるかもしれません。

中卒は就職で不利になる？

中卒の看護師でも、就職自体に不利にはならない

一般企業の場合、中卒だと就職にかなり不利になる印象がありますが、正看護師においては必ずしも中卒だからといって就職が不利になるということはありません。むしろ、准看護師の間にたくさんの現場を見ているため、即戦力として活躍できるため、就職しやすいケースも多いです。

正看護師の仕事はかなり専門性の高い業務になりますので、学歴よりも、いかにしっかり仕事をこなすことができるかという点が重視されます。

就職は問題ないが、働きにくさを感じることはあるかもしれない

とはいえ、まったく遜色ないかというとそうとも言い切れないのが現実です。例えば、病院など自分が働く医療施設の雇用規定で、学歴によって基本給が定められているような場合、収入が大卒や看護学校卒よりも低いということはありえます。

また、看護師の間で、大卒のほうがえらい、中卒のほうが下という暗黙の了解があるような病院だと、就職してから働きにくいということはあるかもしれません。

けれど、家庭の事情で看護学校に就職することができず、一日も早く働き始める必要があったという人が、中卒から正看護師になり、キャリアアップしながら頑張っているというケースも数多くありますので、自信を持って職務に臨んでいただきたいと思います。

＜中卒でも看護師になれるの？・まとめ＞