看護師の「地域手当」って何？

『地域手当』という言葉を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。これは看護業界に限らず、一般企業でも転勤などにおいて採用されている手当です。

看護業界でもこの地域手当を採用している施設が多いので、今後看護師としての転職を考えている方のために、地域手当について調べてみました。

看護師の地域手当について

全国に施設がある場合、各地域の生活水準に合わせて付与される手当

地域手当の考え方は企業によってさまざまですが、看護業界で設けられている地域手当においては、配属された施設の地域に準じて配慮された手当である、という認識が強いです。

これには物価面や生活内容などが関わってきます。例えば、都心など物価が高い地域の施設に配属、勤務する看護師物価を考慮して地域手当がつく、といった具合です。

逆に物価の低い地域においては、地域手当が少ないということもあります。そのほか、寒い地域で暖房を多く使う地域は電気代や灯油などの燃料代がかさむため、これらを考慮して地域手当がつく施設もあるようです。

国立や公立の病院など全国に施設を設けているところは、転勤で各地域に配属される可能性があるため、一律の給与体系に加えて各地域の生活に準じた手当が支給されるよう配慮されています。

一般的に、『地域手当』は各地域の生活水準を配慮して支給される手当、『寒冷地手当』は前述した寒いところなどで暖房の燃料費を考慮して支給される手当と位置づけられています。

ちなみに国立病院では、各地域の等級を6つに分け、その等級に応じて手当を設定し、支給しています。1級地は18％、6級地は3％という具合で設定されているようです。

公立病院では最大で15％の地域手当が支給されます。

地域手当があれば安心というわけではない？

それぞれの配属先に応じて考慮された地域手当が支給されますので、どこに転勤になっても安心かというとそうでもないのが現状です。

暖房の燃料費といっても、季節に応じて必要な燃料代全部を考慮して支給されるかというと決してそうではないため、支給される手当以上に燃料費がかかることも少くありません。

また物価が安いと思われる地域では、地域手当がほとんどつかないこともありますが、『家賃は多少安くても物価が安いわけではない』という地域もあるので、地域手当では物価の差額分がまかなえないこともしばしばです。

逆に、気候が比較的安定していて、冷暖房の燃料費がさほどかからないと思われる地域でも、地域手当として手当が支給されるケースもありますので、勤務している施設の考え方によって、地域手当には大きく差がでると考えてよいでしょう。

手当が多い職場は？

国立病院は手当が多い？

地域手当は施設によって差があると前述しましたが、一説によると国立病院は地域手当がしっかり支給されるといわれています。また、地域手当のほかに、住宅手当、通勤手当、扶養手当など、各手当を採用して支給しているなど充実した手当が魅力です。

病院によっては、これらの手当が一切支給されないところもありますので、各手当が充実しているかどうかも、転職先選びのポイントであるといえるでしょう。

その他注目したい手当

『夜勤手当』……夜勤のある施設のほとんどで採用していると思われる手当です。
夜勤をした職員には、それに準じた手当が支給されるというもの。夜勤手当がなかったら、世の中の看護師で夜勤をする人は激減してしまうかもしれませんね。

『制服手当』……これは、制服であるナース服のクリーニング代として支給される手当です。地域手当同様、クリーニング代をすべてまかなえるかというとそうではなく、自費でクリーニング代を出さなければならないケースがほとんどだとか。

転職時に注意したいこと

看護業界での転職にあたり、地域手当を考慮して転職先を探すのも一つの方法です。

しかし、前述したように地域手当のみで実際の生活が工面できるかというとそうではないこともあるので、基本給など統一して設定されている給与を踏まえた上で、プラスアルファとして地域手当やその他の手当を考慮し、応募先施設を決定されることをおすすめします。

こうした、諸手当などを考慮して転職先を検討する際には、転職サイトを見てみるとよいと思います。転職サイトでは全国の看護業界の求人情報をチェックすることができるので、各地域の給与体系や手当の金額を確認することが可能です。

特に引っ越しなどで転職を余儀なくされている方は、自宅からより多くの求人情報を確認できるため、新天地での収入の目安をつけやすく、応募先施設を決めることにも大いに役立つと思います。

＜看護師の「地域手当」って何？・まとめ＞