最近、ケアミックス病院に関するニュースやコラムなどを目にする機会が増え、就職・転職先を探す際にケアミックスであるかどうか、という点を重視する方も増えて来ているようです。
そこで、今回はケアミックス病院の基本的な知識を再確認すると共に、ケアミックス病院で働くメリット・デメリットなどについて考えて行きたいと思います。
目次
ケアミックス病院とは
ケアミックス病院とは、同じ病院施設内において、急性期病棟・回復期病棟・療養病棟など、複数の機能をもった病棟をもつ病院のことを指します。
例えば、急性期の患者を収容する病棟と、療養型病床群や老人病棟などの慢性期患者を収容する病棟を併せ持つ施設形態の病院などは、まさしくケアミックス病院となります。
こういった施設形態では、幅広い治療領域を一つの病院内で担当することができるため、近年、ケアミックスを積極的に取り入れている病院は増えて来ています。
一般人にとって、ケアミックス病院という言葉はあまり馴染みはないかもしれませんが、実はケアミックスの施設形態をもつ病院は、国内に9000ヶ所以上あるとされています。
一般病院との違い
ケアミックス病院と一般病院の大きな違いは、一つの病院施設内で「一般的な診察、治療、手術、術後ケア、看取り看護」など、患者さんの状態や状況に適した医療サービスを提供できるという点にあります。
そのため、看護師も急性期の経験がある方、慢性期の経験がある方、緩和ケアの経験・実績が豊富な方、老人病棟に勤務した経験のある方などなど、様々な人材が求められる傾向にあります。
また、ケアミックス病院はその性質上100床以上の中規模病院が多く、業務もハードなことから、働き盛りの30~40台の看護師が多く活躍しています。
ケアミックス病院は、患者さんにとっては「病状や状況、状態の変化に合わせて転院先を探さなくて済む」という大きなメリットを得られるため、需要が高い傾向にあります。
ケアミックス病院で働く看護師の仕事
ケアミックス病院での仕事
ケアミックス病院における業務内容は、その病院がどのような医療を平行して行っているのか、配属先はどこなのかによって異なってきます。
とはいえ、一般的な病院と仕事内容自体が大きく違ってくることはなく、病棟勤務であれば、患者さんの検査や看護、ご家族への心身的なサポート、医師のサポートなどが主な業務となりますし、外来勤務であれば患者さんの受付や案内、検査や治療内容の説明、医師のサポートなどが仕事の中心となります。
また、急性期医療を実施する病棟に配属された場合は、緊急を要する患者さんの担当となるケースが多いため、迅速な検査や手術、入院を実現するために高度な看護技術や専門知識が要求されますし、慢性期医療を行う病棟へ配属された場合は、患者さんの疾病治癒や在宅復帰、社会復帰のためのリハビリのサポートや、心身のフォローなどを担当することになります。
このように、配属先に適した看護知識や手技・技術、経験や実績が必要となるのはケアミックス病院に限ったことではありませんが、一般的な病院よりもより高度かつ独自のスキルが要求されることが多いと言えるでしょう。
ケアミックス病院で働くメリット・デメリット
ケアミックス病院で働くメリット
・幅広い知識と経験を身に付けるチャンスがある
前述の通り、ケアミックス病院は急性期病棟や療養型病棟、リハビリのための専用施設などが同じ敷地内にある病院です。そのため、勤務を続けることで看護や医療に関して、幅広い知識や技術を身に付ける機会に恵まれます。
例えば、急性期病棟では手術や術後管理や検査データに関する知識や経験を身に付けられますし、老人病棟であれば介護やリハビリに関する技術や知識を学ぶことも可能です。
看護に関する幅広い知識や経験を学ぶ機会が得られるというのは、ケアミックス病院で働く上で得られる大きなメリットの一つだと言えるでしょう。
・ライフスタイルなどの変化に対応できる
女性の割合が高い看護師という職業において、結婚や出産、育児に関わるライフスタイルの変化は、仕事を続けていく上で悩みの種ともなるものです。
職場の都合がつかず、結婚や出産を機に看護師を辞め、育児が落ち着くまで潜在看護師として過ごさざるを得ないという方もいらっしゃいますが、ケアミックス病院の場合はこういった問題にも柔軟に対応できる余地がある場合が多く見られます。
例えば、若く独身の頃は急性期病棟でバリバリと働き、結婚・出産後には残業が少なく日勤が可能な療養病棟へ配置転換したいと願い出るなど、ライフスタイルや家庭の状況に合わせて、同じ病院内で勤務先を変えることができる場合もあります。
看護師は他の業種と比較すると転職のハードルが低いため、ライフスタイルに合わせて職場を変えるといったことも比較的容易です。
しかし、勤続年数を重ねる、職場の環境に慣れる苦労を避ける、築いた人間関係・信頼関係を維持するといった部分を考えるならば、同じ病院内で配属先を変えて働くというスタイルの方がメリットが大きいはずです。
その点、ケアミックス病院は働き方や勤務形態に選択肢がある分、看護師にとって嬉しい労働環境にあると言えるでしょう。
ケアミックス病院で働くデメリット
・希望の配属先に勤務できるとは限らない
入職直後の配属は別として、配置転換となった際に自分の希望が通るとは限らないのが、ケアミックス病院のデメリットの一つです。
急性期病棟に希望を出したのに緩和病棟へ配置されたり、緩和ケアを学びたいのに療養型病棟に配置されたりと、必ずしも希望通りにいかない場合があるということは、ある程度覚悟しておく必要があります。
この点を「自分が対応できる仕事の幅が広がる、興味の持てる分野が増える可能性がある」とポジティブに考えられれば素晴らしいのですが、多くの場合、自分の希望が通らなければストレスを感じるものです。
・人間関係に苦しむ可能性がある
ケアミックス病院はその性質上、100床以上の中規模~大規模病院となっています。そのため、同じ施設内で働く看護師や医療スタッフ、医師の数も多くなり、人間関係が複雑になりやすい傾向にあります。
人間関係の問題や悩みはケアミックス病院特有の者ではありませんが、働く人が多い分、一度関係がこじれてしまうと問題が大きくなりやすく、修復に時間も労力もかかってしまうという点は押さえておきましょう。
ケアミックス病院で働くには
ケアミックス病院の求人情報を集める
ケアミックス病院に勤務したいと考える場合、まず苦労するのが求人情報の少なさです。ケアミックス病院の数自体は少なくないのですが、一般病院と比較して離職率が低く定着率が高いため、新しい求人が出にくいという一面があります。
また、同じ病院であっても「急性期病棟勤務の求人はあるが、療養型病棟の求人はない」など、自分が希望する病棟の求人だけが出ていないといった、厄介な事態に陥ることもあります。
こういった特徴があるために、ケアミックス病院の求人情報を効率良く集めるのは意外に難しいというのが現実です。
そこで活用したいのが、看護師専門の転職支援サービスや求人サイトです。これらのサイトでは、ケアミックス病院の求人を検索できるだけでなく、専任のコンサルタントが担当でついてくれるため、自分の希望に合った求人をピンポイントで紹介してもらうこともできます。
ほとんどの転職支援サービスや求人サイトでは、無料でコンサルタントへ相談をすることができますので、気軽に利用してみて下さい。きっと、自分の希望に合ったケアミックス病院を紹介してくれることでしょう。
- ケアミックス病院とは、複数の機能をもった病棟をもつ病院を指す
- ケアミックス病院の勤務にはメリット・デメリットがある
- ケアミックス病院は求人数が少ないため、入職を希望する場合は情報収集が重要になる
- 求人情報の収集には、看護師専門の求人サイトや転職支援サービスが役立つ
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