看護師としてキャリアアップしたいという志のある人は、ナースプラクティショナーという言葉を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。
ナースプラクティショナーとは、アメリカでは公的な資格として認められているもので、日本語にすると「上級看護師」といったイメージになると思います。
アメリカではかなり活躍している人の多いナースプラクティショナーについて解説していきます。
ナースプラクティショナーとは?
ナースプラクティショナーの役割
ナースプラクティショナーは、その資格を習得し、一定の条件を踏まえた上で、患者を診察したり、薬を処方したり、ある程度までの医療行為を行える資格です。
一般の看護師は、採血などの医療行為は行えますが、診察や処方といったことは行えませんが、ナースプラクティショナーは看護師以上、臨床医より少し手前的な業務を行えるのが特徴です。
ナースプラクティショナーが行えるのは一次診療までとなり、すべての診療や手術を行えるというわけではありませんが、アメリカでは深刻な医師不足や高額な医療費に悩んでいる現状があり、ナースプラクティショナーの存在は非常に有効であると評価されています。
仕事内容について
ナースプラクティショナーの仕事内容は、大きくいうと前述したような一次診療になりますが、ナースプラクティショナーの範疇でできることというのはその州によって異なります。
ということは、ナースプラクティショナーの資格内容は州によって違いがあるため、ある州のナースプラクティショナーの資格を取得して活動していたけれど、転居などで別の州でナースプラクティショナーとして働きたいという時には、またその州の資格試験を受験しなければならないということです。
ナースプラクティショナーの仕事内容としては、例えば子どもが急病で来院してきた際に診療を行い、薬を処方するなどといったことが中心になります。
ナースプラクティショナーには専門分野があり、その分野に応じた資格を習得することになりますので、こういった点からも行える医療行為についてはそれぞれのナースプラクティショナーによって異なります。
放射線検査などを行なうナースプラクティショナーもいれば、精神科で診療を行なうナースプラクティショナーもいるといった具合です。患者の健康管理やバイタルチェックなどは看護師の行える業務ですが、ナースプラクティショナーであればもっと医療的な観点で業務を行なうことができます。
これまでは看護師が患者の容態を診断することはできませんでしたが、一定条件を踏まえた上であれば急病や慢性病における診断を行なうこともできますので、かなり医師に近い仕事ができるということです。
給料や勤務時間について
ナースプラクティショナーは州によって仕事内容などに違いがありますので、一概にいくらということはいえませんが、現在アメリカで活躍しているナースプラクティショナーの年収は、日本円で1000万円を超える人も少なくないそうです。
ただしこれはフルタイムで勤務しているナースプラクティショナーの場合で、クリニックや診療所といった場所では給料も異なってきます。勤務時間についても、その医療施設の勤務時間に則った形です。
ただ、家庭があったり、子どものいるナースプラクティショナーはパートタイムで働いてる人もいます。
看護師の資格のみだと、パートタイムの場合はかなり収入が限られてきてしまいますが、ナースプラクティショナーであればパートでも一定の収入が期待できますので、家庭と仕事の両立がしやすいというメリットもありますね。
ナースプラクティショナーの魅力
看護師も患者の命を預かる仕事であることに変わりはありませんが、ナースプラクティショナーは直接自分で患者の診察を行い、薬を処方するなど、患者の治療にさらに直接的に関わることになります。
自分の判断によって患者の容態が急変することも考えられますので、その責任の重さは看護師とは計り知れません。
しかしその分患者を助けるということにもさらに近づいていくわけですので、看護師の仕事よりもさらに大きなやりがいを感じることができるでしょう。
また資格取得にはかなりの時間と費用がかかるといわれており、経済的にゆとりがないと厳しいといわれているのですが、アメリカでは多くの看護師がナースプラクティショナーの資格取得にチャレンジしているのだそうです。
それだけ需要が高く、将来性のある資格だということが伺いしれます。
日本でもナースプラクティショナーを目指せる?
資格取得は可能だが、ナースプラクティショナーとしての活動はできない
日本には「日本NP教育大学員業議会」という団体があり、こちらでナースプラクティショナーの資格を認定していますので、資格を取得すること自体は可能です。
ただし、日本の法律では看護師の診療行為は認められていないため、アメリカのようにナースプラクティショナーとして活動するということはできません。
では日本のナースプラクティショナーの資格を習得すれば、アメリカでナースプラクティショナーとして仕事ができるかというとそうではなく、前述したようにアメリカでは各州によって資格内容が異なっていますので、それぞれの州で行っている資格試験を受け、合格する必要があります。
また、2015年より看護師が特定の医療行為ができるような制度が整いましたが、これにおいてもナースプラクティショナーの資格が活かせるということは残念ながら現状ではまだなく、これらの行為を行なうにあたり、また特定の研修を受ける必要があります。
アメリカ以外でもナースプラクティショナー制度を採用している国がある
ナースプラクティショナーとして活動できる国はアメリカだけということではありません。現在はオーストラリアやイスラエル、カナダ、イギリスといった国々でもナースプラクティショナーが実際に患者の診療を行っています。
日本でも、今後ナースプラクティショナーが活躍できる時代がきっと来ると思いますので、その時にはぜひ資格を習得し、地域の人々の健康のお手伝いができるといいですね。
- ナースプラクティショナーは、看護師が診療や薬の処方といった医療行為を行える資格
- アメリカでは各州によって内容が異なるため、その州の資格を取得する必要がある
- フルタイムのナースプラクティショナーであれば、年収1000万円を超える人も
- 日本では看護師の医療行為は認められていないため、ナースプラクティショナーとしての活動はできない
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