看護師が各分野での専門性をより高め、スキルアップするために用意されている資格は数多くありますが、そのひとつが『臓器移植コーディネーター』です。医療従事者であれば聞いたことがあるという人も少なくないかもしれませんね。
ここでは、臓器移植コーディネーターについて掘り下げていきたいと思います。
臓器移植コーディネーターの役割・やりがいとは
多くの人が関わりながら行われる臓器移植
臓器移植は、大きな事故や病気などで命の危険がある患者に対し、臓器の移植を行なうことで回復する場合に取られる医療手段です。この臓器移植において、提供者(ドナー)とのやりとりや、希望者との調整を行なうのが臓器移植コーディネーターの仕事になります。
ドナーや希望者はもちろん、その家族や医療従事者など、多くの人達が関わりながら行われる臓器移植の一連の流れをまとめるのが臓器移植コーディネーターの役割です。
臓器移植コーディネーターの仕事内容とは
患者の死を受け入れたご家族が、臓器移植についての説明を希望しているという連絡が入ると、臓器移植コーディネーターが病院に向かい、説明を行います。
ご家族の理解を得られたら、病院のスタッフと細かな連携を取りながら、臓器に関する検査や移植における調整などの業務に入ります。提供された臓器を運んだり、移植希望者(レシピエント)に関する情報の整理や管理をしたり、ドナーのご家族のケアを行なうことも臓器移植コーディネーターの大切な仕事です。
また臓器移植に関する書類もたくさん必要になりますので、それらを作成するためのデスクワークも多く、仕事内容は実に多岐に渡ります。
臓器移植コーディネーターのやりがい
前述したように、臓器移植は医療機関との連携はもちろん、多くの機関とのやりとりを行いながら進んでいきます。関連機関の中には臓器の搬送に伴う航空会社や警察とのやりとりも含まれるため、人々との関わりは非常に多いです。
こうしたたくさんの人達と協力し合いながら、臓器移植を無事成功させるということは、大きなやりがいを感じるに違いありません。
臓器移植コーディネーターはどんな人が向いてる?
人の話を聞くことが上手な人、気配りができる人
ドナーのご家族は、臓器移植に関して大きな疑問や不安を持っている人も少なくありません。
そのご家族にきちんと臓器移植についての説明をすることももちろん大切ですが、疑問や不安を取り除くために、ご家族の気持ちをしっかり聞き入れ、受け止めることが非常に重要です。
そのため、聞き上手な人や、相手の気持ちを理解し、安心させてあげるためにきめ細やかな対応ができる人が、臓器移植コーディネーターに向いています。
忍耐力の強い人
ドナーのご家族の話を聞いてあげるという忍耐力も必要ですが、臓器移植にはさまざまな仕事があり、多くの書類を作成するためのデスクワークや情報の管理、医療的な検査などたくさんの仕事があります。
それらのひとつひとつの業務を丁寧に、また正確にこなす忍耐力も求められます。
看護師に向いている人と、臓器移植コーディネーターに向いている人は近いものがありますが、さらにきめ細やかな対応が求められるため、適性が大きく分かれる業務だといえるかもしれません。
臓器移植コーディネーターを目指すには
臓器移植コーディネーターの認定資格などは、今のところありません。業務については常に患者の近くにいる看護師がその役割を担うにふさわしいと判断され、臓器移植コーディネーターがいない場合は看護師がそうした業務を行なうケースも多いようです。
臓器移植コーディネーターを目指す人は、『日本臓器移植ネットワーク』という機関に所属したり、こちらの機関と連携を取っている都道府県に所属する必要があります。
資格制度はないのですが、日本臓器移植ネットワークが行っている採用試験に合格することで、臓器移植コーディネーターとして活動することが可能です。
採用試験の受験資格は、医療関係の国家資格を保有していること、普通自動車の運転免許を持っていること、24時間勤務や転勤が可能であることなど、ろいろな条件があります。募集が不定期であることや、募集の際の人員についてもかなり少ないため、臓器移植コーディネーターはとても狭き門だといわれているようです。
- 臓器移植コーディネーターは、臓器移植に関わる一連の流れをまとめる仕事
- 多くの人達と協力し合いながら臓器移植を成功させることのやりがいは大きい
- 聞き上手な人、気配りができる人、忍耐力がある人に向いている
- 臓器移植コーディネーターの認定資格はないが、機関の採用試験に合格する必要がある
- 募集が不定期で募集人員も少ないため、狭き門だといわれている
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