外来と病棟勤務、キツイのはどっち?



看護師が病院に勤務する場合、診療科はどこなのか、さらには外来なのか病棟なのかという違いがあり、これによって看護師の勤務体制や仕事内容が大きく変わってきます。

外来と病棟、それぞれの仕事内容や特徴から、どちらの仕事がキツイのかを検討していきます。勤務先選びの参考にしてみてください。


外来勤務の特徴


外来とは

怪我をしたり体調不良を感じた人や疾患を持つ人が訪れ、診断を受けて薬を処方されたり、注射や点滴、手当などの処置を受ける部署が「外来」です。緊急に手術を受けたり、集中治療を受ける必要がある場合には、外来からそのまま入院が決定し、病棟に案内するケースもあります。

外来の看護師の仕事

外来での看護師の主な仕事は、医師の診察をスムーズに進めるための介助です。外来には様々な症状でたくさんの患者さんが訪れます。限られた診察時間内で効率よく、かつしっかり診断していくためには、看護師の適切な介助が欠かせません。

例えば怪我の診察であれば、包帯を外して消毒に必要な器具や薬剤を用意します。腹痛の患者さんであれば診察台に横になってもらい、患部を露出させておきます。


スムーズな介助をするためには、その準備が欠かせません。朝には待合室・診察室を整え物品が揃っているかを点検し、予約診療の場合患者さんの治療内容に合わせて使うものを揃えておきます。診察後には、シーツ交換や物品の片付け、消耗品の補充をします。

入院が必要となった場合にすぐ対応できるよう、常に病棟の空床状況を把握しておきます。患者さんの病歴や疾患の状態、検査結果などを的確に病棟スタッフに申し送るのも、外来看護師の大切な仕事です。

外来勤務のポイント

外来の最も大きな特徴は、ほとんどの患者さんと一期一会の関係であって関わりが「点」であるということです。これに対し病棟では、ある程度「線」の関係を患者さんと築くことになります。

外来患者さんのほとんどは、診察後そのまま帰宅します。看護師は短い対応時間のなかで、ご自宅での服薬や食事、生活のことまで考えて、症状改善のための指導、説明をしていく必要があります。


予約診療でない場合や救急外来ではいつどんな症状の患者さんが来るか分からず、忙しい日があれば落ち着いた日もあります。その都度必要な処置を見極めるフレキシブルな対応力が求められます。

また、混雑のために体調が良くない患者さんをある程度の時間待たせてしまうことになります。何も言われずに長時間待たされることは、患者さんの不満・クレームにつながるので、看護師がこまめに患者さんの表情や行動を確認し、ひと声かけておいたり誘導のタイミングを工夫する配慮が必要です。

また、24時間体制の救急指定病院では外来でも夜勤があり、多くは2交代の当直制となっています。


病棟勤務の特徴


病棟とは

外来での診察の結果、入院治療が必要と判断された場合に病棟へ移されることになります。病棟では24時間体制で治療のための処置やケア、生活の介助などを行います。

病棟にも一般(急性期)病棟、療養(慢性期)病棟、回復期リハビリテーション病棟や緩和ケア病棟といった種類があり、患者さんの症状や病期によって入院する病棟が選ばれます。

病棟の看護師の仕事

病棟では24時間看護を行うため、看護師は2交代制、3交代制といったシフトを決めて、交代で勤務することになります。

朝から夕方までは日勤です。夜勤からの申し送りを受けて患者さんの状態を把握した後、清拭や注射、点滴、ガーゼ交換などの保清、必要な処置を行います。日中はバイタルチェックや検査、手術の準備・移動や入浴介助、カルテ記入を行い、カンファレンスに参加したり、看護について意見交換を行います。


夜勤では、夜の検温、就寝前の投薬やガーゼ交換、着替えの介助などを行います。日中に病状の変化があった患者さんに対して夜中の急変に備えたり、巡回の合間にカルテ記入を行います。

24時間点滴の方や発熱中の方、呼吸器をつけている方など、患者さんの就寝中も気を抜くことは出来ません。朝食前には血液検査や尿検査を行い、検温、配膳、投薬といった仕事があります。

病棟勤務のポイント

病棟は医療施設であるとともに、患者さんの生活の場でもあります。それぞれの患者さんと共有する時間が長く、ご家族も含めてより深い人間関係を築くことになります。患者さんたちの不安をできる限りとりのぞき励ますのも、病棟看護師の仕事です。

担当患者が決まっていて自分で立てた看護プランに沿って仕事を進められること、様々な症例を扱うことで勉強できるのが病棟勤務の魅力です。小規模病院の病棟では、夜間の緊急外来を病棟看護師が兼任するケースもあります。


外来と病棟勤務、どちらがキツイ?


外来・病棟でキツイ点とは

外来での業務範囲や忙しさは施設によって異なります。看護と並行して伝票整理や電話応対などの雑務もこなさなければならないケースは多く、これをデメリットと感じる方もいます。

忙しさ、待ち時間の長さゆえに患者さんからクレームを受けたり不機嫌な対応をされることが珍しくなく、ストレスと感じる方は多いでしょう。

病棟勤務の看護師からキツイという声が多いのが、夜勤ありのシフト制です。夜勤と日勤を不規則に繰り返すことで生活リズムができにくく、眠ったつもりでも十分に休養できず、疲労がたまってしまいます。

ナースコールがあれば常に駆けつけて対処しなければならず、少ないスタッフで対応することで休憩も満足にとれず、心身へのストレスが重なりがちです。入院患者さんやその家族との人間関係で悩む方もいます。

【看護師の仕事比較】

外来勤務 病棟勤務
主な仕事 診療介助 処置、生活介助
患者との関係 一時的 長期的
デメリット
  • 雑務が多い
  • クレーム対応
  • 夜勤がある
  • ナースコール対応

  • キツイかどうかは看護師の適正による

    ただしこれらの点をデメリットとは感じない、という方もいます。雑務が苦にならないという方や、夜勤明けにゆっくり眠れるのがいい、逆に日勤のみになると体が辛いという声もあるのです。

    一般的に見てどちらかが楽でどちらかがキツイ、ということではなく、「どちらの方が自分に合っているか」という適性の問題と言えるでしょう。先に述べたような特徴を考え、自分はどちらの勤務が得意か、合っているかを考えてみましょう。

    病棟に就職したものの自分は外来の方が合っているように感じる場合や、外来勤務だけど病棟を経験してみたい場合、外来もしくは病棟への異動を希望したり、それが難しいときには転職を検討することができます。看護師専門の転職サイトに登録すると、豊富な求人から条件に合うものを選びやすいです。

    <外来と病棟勤務、キツイのはどっち?・まとめ>

    • 外来は診察介助を中心に、その準備や入院の申し送りをする
    • 外来では短時間で適切に対応し待ち時間にも配慮する
    • 病棟では24時間シフトを組んで看護にあたる
    • 病棟は患者とより深く関わり様々な症例を経験できる
    • 外来では看護以外の雑務など、病棟では夜勤などが辛い
    • キツイと感じるかどうかは適正次第、転職も視野に


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