（大阪府 28歳 女性）
転職前の仕事
（写真はイメージです)
私は新卒で２００床ほどの小規模な総合病院へ入職しました。
配属先は５０床ほどの名目上内科病棟でしたが、大学病院や国公立病院などの大きな病院とは異なりはっきりと疾患に沿った病棟ではくぎっておらず、混合病棟となっていました。内科も外科も看ることができる、ジェネラリスト看護師を育成するような職場環境でした。
そのため、消化器外科での周手術期などにも携わらなければならなかったり、毎日勉強しても追いつかないような忙しい病院でした。個人病院でしたので、軽症の場合でもとにかく入院要請がきたら、来るもの拒まず。
それ故に、予定していなかった緊急入院が日勤帯が終わるギリギリ（１６時）などに入り残業が続く日が多い環境でした。月収３０万円は手取りで頂けていました。残業は一日平均２～３時間はしていました。
転職理由
全国どこの病院でも、病棟看護師はかなりの激務だということは周知の事実だと思います。
私も例外ではなく、もちろん不定休であったり、残業はあって当たり前、休日にも病棟のカンファレンスが入ったりと、気がつけばオンとオフの切り替えが出来ないほどの状態で、精神的にかなりまいっていました。
プライベートも、溜まった家事をおこない、酷使した体を家で休めるだけで、外出も億劫に。そんな状況では望まなくとも看護師以外の友人と疎遠になります。気がつけば看護師業界以外のことに疎くなっていました。
なりたくてなった看護師でしたが看護業務は、日勤夜勤問わず日々時間との戦いです。医療事故に繋がらないように日々インシンデントの発生防止に努めるという、最低限の意識でいっぱいになっていました。
本来の看護ができるパフォーマンス能力ではなくなっていることを日々感じていました。そんな中、新卒で５年間勤務していた病院が移転改築することが決まりました。
当初は私も移転先の新病院にて勤務する予定でしたが、改めて自分自身を振り返った時、心機一転、職場環境を変え、自分の生き方ができる、すなわちプライベートが確保できる職場を探そう。そんな思いがきっかけで転職活動を行い始めました。
また、激務であったため、勤務中に急性腰痛症を発症し、腰椎椎間板ヘルニアになりました。心身ともに病棟での勤務に限界を感じたのが大きな理由です。
転職活動
まずはネットで求人広告を検索しました。
しかし、病棟勤務はなかなか休みも取りづらいため、一からじっくり情報を収集することが難しいです。自分ひとりでの転職活動は強い意思がないと、やっぱりこのままでいいかなと後ろ向きになってしまいます。
実際に私も求人広告を見ては、思いとどまったりを何度も繰り返しました。そこで人材紹介会社に三社ほど登録しました。どの会社とも登録した当初は今の状況を詳しく電話にて聞いてくれます。
電話でのやりとりが時間的都合でどうしても難しかったので一言その旨を伝え、その後はメールでのやりとりをメインにしてもらいました。
そしてハローワークへの登録にも行きました。
こちらも一般的な求人サイト同様、ネットで求人が見れますが、詳しいこと、例えば、給料日の締め日や支払日などはハローワークにあるパソコン画面にしか表示されません。窓口の方もおられるので相談しやすく、一種の気分転換にもなりました。
もうひとつ登録したのは全国にあるナースセンターです。これはネット上で看護師免許番号や希望条件などを登録します。かなり詳しく求人が調べられるので頻繁に利用しました。
ナースセンターでは元看護師の方が勤務されているので、ざっくばらんに相談できるのも魅力のひとつでした。やりとりはメールが主でしたので時間を気にすることなく相談できた点もお勧めです。
私は病棟勤務の経験から、病棟から病棟へと転職しても、時間的なゆとりは得ることが出来ないだろうなと考えていました。私が検索、紹介されたのは多くはクリニック、次いで健診機関の求人でした。
病棟看護師と比べ、月収５万円から８万円ほど下がる求人がほとんどでした。クリニックの方が今までの経験を少しは活かせるかなと考え、クリニックという方向に固まっていきました。
しかし、ヘルニアがあることを人材紹介会社の方やハローワークの方に伝えると、求人数は減りました。色々な求人のなかから最終的にはヘルニア持ちでも比較的に腰に負担のかからない、皮膚科を３件に絞り、面接をして頂きました。
面接までは書類審査がある場合もあり、私の場合は３件全てから面接へと通過できました。面接ではまずはそのクリニックで看護師の業務内容の説明を受けた後、自分の病棟経験で出来ることを談笑のような感じでお話しました。
あくまで面接ですが、皮膚科クリニックという職場環境上、看護技術よりも、私自身の性格や雰囲気がそのクリニックに合うかどうかを面接でみられていたように思います。（クリニックの面接は院長のみがほとんどでした）
その後ありがたくも面接していただいた３件とも全て採用という結果でした。条件などは全て同じでしたので、ここでは自分のフィーリングに合った先生のもとで働こうと決めました。
転職後の職場の様子
転職後一般皮膚科クリニックで勤務しています。
やはりきちんと曜日で休日が決まっており、休日はもちろん病棟のカンファレンスなども一切ないためしっかり休め、残業もあっても４０分が最長です。
自分が一番求めていたプライベートの確保が出来ており結果としては大満足です。
皮膚科クリニックは病棟とは違い、患者さんは皆、独歩可能な方ばかりです。移乗などはめったにないため腰を酷使することもないですし、自分の腰を労わりながら勤務できています。
職場の人間関係ですが、皮膚科クリニックということもあり、重症な方はこられません。そのため張り詰めた雰囲気ではなく、どちらかといえばゆったりしており、先生、看護師、事務員とみんな仲良く勤務しています。
連休前にはたまに先生が食事会を開いてくれたりと、かなり人間関係に恵まれました。これは勤務しなければ合う合わないかはわからないものですので、私はかなり運が良かったのかなと思っています。
月収についてですが、求人を探す段階で自分の条件としては手取りとして２４～５万円を目安にしていましたがなかなかなく、２２万円ラインがぎりぎりでした。
実際には、諸手当込みで２３万円ほどの月収となってしまい、やはり病棟時代の夜勤勤務手当てがないため大幅なダウンはさけられませんでした。
また、クリニックでは保険等、福利厚生などの部分では病院勤務時代よりやはり不安があります。私が勤務するクリニックは医師国保加入で、年金は国民年金に自ら加入です。厚生年金には加入していません。
今の日本の年金制度を考え、色々バランスを考慮したうえで納得はしていますがクリニックへ転職する際には保険関係の知識も必要だなと実感しました。総合病院での経験を活かせているかといえば、わかりません。
ヘルニアによって皮膚科クリニックを選びましたが内科・外科クリニックであれば経験は活かせたかもしれません。正直キャリアを積む職場ではないといえるのが本音です。
私はキャリアを積み出世したいという思いはもともと一切なかったのでクリニックを選びましたが、そうではない方にはお勧めできないのかなと思います。
これから就職する方へ
私が転職活動を終えて、新たな職場で働いていることを看護学校時代の友人に話すと、みんなやはり転職したいとの思いをもっているんだとわかりました。
友人のなかには精神的にまいってしまい、心療内科に通いながらがんばって病棟で勤務している友人も居ます。私が今思うことは絶対に自分を殺してまでがんばらないでという想いのみです。
正直私自身も、転職をせずにあのまま病棟で勤務していたら、人生を捨てていたかも知れない状況でした。看護師のつらさや、苦しみは看護師にしかわかりません。
私は運よく求人を見つけることができましたが、人材紹介会社の方はノルマがあるのか、もちろん良いと評判のクリニックや病院なども紹介されましたが、あまり評判がよくない求人案件も紹介されました。
日々の忙しさでリサーチせずに面接を受け勤務することのないようハローワークやナースセンターも利用し、徹底的に調べ上げることが自分の理想とする職場をゲットできる秘訣だと私は実感しています。
また、幸いなことに、看護師免許はわが国では一生物です。なので、一度全く看護から離れて自分の興味のある仕事に転職してみるのも手かもしれません。
ヘルニアが理由でもありますが私も一度その考えがあり、クリニックの求人を探すなか、ハローワークのパソコンにて、他業種の求人を検索したりしていました。家庭事情上、看護師での就職を結果として選びましたが、看護師はいつだって出来ます。
また、看護師免許が活かせる職場があるということもわかりました。具体的には健診機関や、治験コーディネーター、レアなものだと空港の検疫官です。これらの求人はナースセンターで紹介していただきました。
私の転職経験上、ナースセンターの情報が一番良かったかなと思っています。いつかは必ず転職したいということでしたら、人材紹介会社、ハローワーク、ナースセンターへ登録しておくことをお勧めします。
あきらめなければ必ず自分が理想とする職場、ひいては生き方ができると信じています。私の経験談をもとになにかひとつでも参考になれば幸いです。
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