看護師が一人で転職活動をやると失敗するのはなぜ？

看護師求人が売り手市場であることから、自分一人でも簡単に転職先が見つかるだろうと考える看護師は少なくありませんし、実際に自分一人で転職活動をする看護師も沢山います。ですが、そこには大きなリスクや落とし穴も存在します。

一人で転職活動することでどんなトラブルが起こりがちなのか、求人紹介を受けるとしてもどこを利用するのが良いのか、利用時の注意点も含めて考えてみましょう。

1 トラブル・・・面接で聞いていた条件と違う！
- 1.1 実際にあったトラブル・失敗例
- 1.2 転職失敗の原因、そして失敗のリスクを減らすには？
2 ハローワークや看護協会を利用するのは？
3 紹介会社を利用してリスクを減らそう
- 3.1 紹介会社を利用するとなぜ失敗しない？
- 3.2 紹介会社利用の成功例
4 登録会社選びにも注意

トラブル・・・面接で聞いていた条件と違う！

実際にあったトラブル・失敗例

①夫の転勤を機に転職した看護師

引越し先で、地域で一番大きな病院での看護師募集募集をインターネットで知り、直接応募したところとんとん拍子に話が進み、じきに入職しました。

しかし働き始めてみると、面接時に聞いた月給より2万円も低く、残業時間が聞いていたよりかなり多い、人間関係も良くないなどかなりの悪条件だったのです。

地元では働きづらい病院として有名だったものの住み始めたばかりでその噂も知らず、転職を決めてしまったための失敗でした。

②勤務条件が事前の話と違うクリニック

ある派遣看護師は、派遣では社会的信用が得られにくいことや保障のない状態が不安になり、正規雇用へと転職することに。

自宅近く透析クリニックの正社員として働いてみると、透析時のショック状態への対応や合併症治療の知識など身につく知識やスキルは多く、しっかり休めて残業がなく福利厚生もいい、という好条件でしたが、ひとつだけ残念なことに、給与額が激減してしまったのです。

求人情報の記載は保険や税金を引く前の金額で、手取り額は派遣の頃よりもかなり減ってしまいました。環境はいいのですが、やはりもう少しお金が欲しいので休みの日に派遣を入れているといいます。

③公立病院に勤務していた看護師

結婚での転居で退職したものの、また充実した毎日を送りたいと再就職することに。インターネットで総合病院ホームページでの求人内容を見て問合せし、採用面接のアポイントを取り、面接、入職しました。

勤め始めてみると、看護・医療の知識や技術を修得できた点はよかったのですが、人間関係に問題が・・・。長く勤めているスタッフの権力が強く、プリセプターも顔色伺いをしていたり、頻繁に行われる研修や講義でも恐怖を感じるほどで、質問できる状況ではありません。いじめのような言葉や行動もありました。

転職失敗の原因、そして失敗のリスクを減らすには？

上記のようなトラブル、失敗の原因として下記が挙げられます。

・求人先に関する情報が少な過ぎた
・勤務条件を確認する書類を事前に交わしていなかった
・求人内容の詳細まで確認できないまま入職した
・院内の様子や人間関係について情報を得られなかった

トラブルのリスクを減らすためには、個人で直接求人先と交渉するのではなく、紹介者に間に入ってもらう必要があります。例えば、ハローワークや看護協会のナースバンクセンターで斡旋してもらったり、民間の看護師転職サイトに登録するという方法です。

勤務経験者や知り合いなどに、病院の実際の様子や雰囲気などを聞いておくことも大事です。不案内な土地で知り合いがいなくても、紹介者に入ってもらうことでこういった生の声を確認できることがあります。

ハローワークや看護協会を利用するのは？

ハローワークにもブラック求人は存在

ハローワークは、無料で誰でも利用でき、全国の求人が見られること、強引な誘導をされないというメリットがあり、特に地方での転職活動には強い味方になります。

ただし決して「安心して利用できる」とは言えません。その理由は、ブラックな職場の求人も扱われている点です。公的機関であるがゆえに、依頼のあった求人はどんな企業でも差別なく掲載されます。また掲載料がただであるために、ブラックな病院や施設が依頼しやすいのです。

公共機関でブラック企業を紹介することを社会問題として問題視する声もあり、実際に掲載が制限されます。ですがこれは企業の求人だけであり、今のところ病院や施設と言った看護師に多い求人先は対象外です。実際に行政による対策がなされるのはまだ先であり、今は看護師個人で注意するしかありません。

ハローワークのその他のデメリット

雇用対策法に沿って「年齢不問」と求人に書かれていても、実際には雇用者側で年齢制限を考えていて、それ以上の年齢の看護師が応募しても決して採用されない、というケースがあります。

ハローワークは平日昼間にしか開いておらず、働きながらの転職活動では利用が難しい点、ハローワークの担当者は看護師転職に通じているわけではなく、キャリアについての相談や転職後のフォローは期待できないというデメリットがあります。

実際にあったトラブル、その１

これは、ハローワークで実際にあった話です。ある看護師がハローワークで求人情報を見ていて、気になるところに問合せしてもらおうと窓口に相談したところ、担当女性の対応が冷たく、面倒そうでした。

「辞めたところの会社名を教えてください！」などと他の人にも聞こえるような大声で言われ、こちらは真剣に仕事を探しているのに、クレームをつけたくなるほどの対応でした。

実際にあったトラブル、その２

次に、看護協会で実際にあった話です。ある看護師は、健康上の理由で夜勤が出来ないので日勤常勤を希望したのですが、窓口の女性は「名古屋では日勤常勤の求人はない。夜勤が出来なければ看護師は出来ない」を繰り返すばかり。

クリニック求人の詳細をたずねても「見学に行かないと分からない。給料も配属も分からない」と回答。結局5か所見学に行きましたが、いずれも通勤が片道1時間以上かかるところばかり。

情報が古く実際の求人内容と違っていたり、交通費と時間ばかりかかってまともな紹介を受けることができませんでした。

こういった対応の悪いハローワークや看護協会は一部ですが、残念ながら実在することは確かです。ただ、ハローワークのサービスが全部悪いとも言い切れません。

ハローワークだけにしかない看護師求人案件もありますし、何より地方（田舎部）では紹介会社より頼りになるケースもあります。ハローワークにもデメリットはありますが、距離を取りながら上手に使う分には強い味方にもなりえます。

紹介会社を利用してリスクを減らそう

一人での転職活動はまず避けた方が良く、ハローワークや看護協会の利用でも一定のリスクがあります。一番おすすめなのは、民間の紹介会社の利用です。

紹介会社を利用するとなぜ失敗しない？

看護師が一人で転職活動して、入職後に「聞いていた勤務条件と違う」とトラブルになるのは、面接時の提示される条件が口約束になってしまうからです。勤務先からすれば、言った言わないの「水掛け論」に持ち込めば、チカラの強い勤務先が条件を押し通せます。結果として、看護師の側が泣き寝入りすることになります。

ところが紹介会社を使うと、内定時に「採用内定通知書」を作成することがほとんどで、これに採用条件が記載されているため、働いてみたら違った、という事態を防ぐことができます。

万が一聞いていた勤務条件と違うことがあれば、紹介会社を通じてしっかり交渉してもらうことが可能です。働きながらの転職でも、エージェントが情報収集や交渉を代行してくれる点も助かります。

紹介会社を利用して、手厚いフォローで転職を成功させた例を見てみましょう。

紹介会社利用の成功例

38歳女性、老人ホームから病院看護師への転職例です。まずはハローワークに登録したものの、混んでいて待ち時間が長いので、インターネットで登録する看護師向けの転職サイトに登録しました。

いい口コミが多かった転職サイトを選び登録すると、すぐに確認の電話が。転職の理由や希望などを話すことで、ぼんやりしていた志望動機を上手に聞き出してもらえました。

求人紹介はメールでゆっくりと詳細確認でき、希望に合わないからと断っても快く次の候補を紹介してくれます。日程調整してもらって面接に臨むと、求人先にある程度こちらの情報を伝えてくれているようで、面接がスムーズに進みました。

そのまま病院内を見学させてもらえ、雰囲気の良さを感じることができました。数日後転職サイトから採用連絡をもらい、転職先と入職の手続きを行いました。

働いてみると、看護師としてステップアップしたい、人間関係のいい職場で働きたいという希望通りの転職先で、月収は37,000円アップ、ボーナスは年額で30万円も上がりました。

登録会社選びにも注意

上では、転職紹介会社のメリットについて紹介しました。ですが、どんな紹介会社でも同じようなサービスが受けられる、という訳ではありません。

希望に合わない求人ばかり紹介されたり、活動でのフォローがほとんどなかったりと「これなら一人で活動したほうが良かった」といった、ネット上の口コミも見られます。

実は、一口に転職紹介会社といっても、その実力は会社によって全然違います。また、なかには悪質な誘導をする（＝ブラックの病院と知っていて紹介する）会社もあります。紹介会社であれば、どの会社でも良いという訳ではありません。

オススメの、看護師専門の転職支援会社は下記で紹介してますので、よかったら参考にして下さい。