電子カルテのある転職先ってどうなの?



電子カルテの導入は、2001年以降厚生労働省の主導で進められ、新規開業のクリニックなどでは初めから電子カルテが取りいれられていますが、既存の病院では紙カルテから電子カルテへの移行中であったり、既に電子カルテへの移行が完了している場合もあります。

看護師が転職を考えるとき、求人先が電子カルテなのか紙カルテなのかは、これまでの経験も合わせて気になるところです。電子カルテに対し、看護師たちはどんな不安を感じているのか、メリットやデメリット、使いこなし方などの意見や感想を見てみましょう。


電子カルテの病院が増加している理由


電子カルテとは

従来使用されてきた紙ベースのカルテをコンピューターのデータベースに一括管理し、編集・保管していくシステムや記録のことを、電子カルテと呼んでいます。

厚生労働省の策定では、全国の400床以上の病院、全診療所に普及を図っていくことを目標にしています。

導入の目的は、カルテの改ざんや混同を防ぎ責任の所在を明確にする「真正性」、文字を読み間違えることのなくすぐに表示できる「見読性」、必要な期間内保存しておく「保存性」の3点です。

電子カルテ導入のメリット

電子カルテを導入することのメリットは、院内の情報化・効率アップです。具体的には、システムの自動チェック機能によって、ミスのない正確なカルテ・レセプトをすばやく作成できるようになります。

複数のスタッフが同じカルテを検索して編集を加えることが可能なので、看護師と検査技師が別の場所で同時にカルテを閲覧、入力できます。


カルテ出し、搬送、片付けの手間がなくなることで、看護師や事務スタッフの手間を大きく減らすことにつながり、紙カルテのときのような保管スペースが必要ありません。

手書きでの記入ではどうしても読みにくい字が出てきてしまい、判読できずに問い合わせをしなければならなかったり、読み間違えて処置や処方のミスにつながるリスクがありましたが、電子カルテではそのような心配がなく、多くの看護師が「読みやすさ」をメリットと感じています。


電子カルテ、やっぱり不安?



これまで紙カルテだった施設で電子カルテが導入されるとき、また紙カルテの病院でしか働いたことがない看護師が電子カルテの病院へと転職したいときには、対応できるかどうか、やはり不安の声が多く聞かれます。

キーボード入力、操作に慣れない

若い世代では、パソコンやタブレット端末、スマートフォンなどでキーボード入力や操作に慣れていて、電子カルテの使用法もスムーズに覚えていくことができますが、看護師のなかには「パソコンを使ったことがない」という方ももちろんいます。

そのような場合、まずキーボード操作を覚え、画面のどこを開けばよいのか、その操作方法を覚えるのに一苦労です。


一般的には操作に慣れるまでに3ヶ月といいますが、じっくりと使いかたを修得できる環境をつくるのは難しく、「電子カルテに慣れなくて叱られてばかりいる」という看護師の悩みも聞かれます。

これは医師も同じあり、入力や操作に時間がかかり過ぎて診療時間が伸びてしまったり、診察では「患者を診ているのでなくパソコンを見ている」などと言われてしまうケースもあるようです。


電子カルテの転職先、看護師のメリット・デメリット


メリット

カルテを探す手間がない

紙カルテのときにはひとつひとつ取りだしてこなければなりませんでしたが、電子カルテは検索すれば素早く画面に表示できます。誰かがカルテを使用している場合、紙カルテは終わるまで待つ必要がありましたが、電子カルテは同時に開いて編集を加えることが可能です。

業務時間の短縮

検索の手間だけでなく、入力や操作に慣れてしまえば記録時間が短縮されます。検査結果を時系列でみることができ、看護計画も簡単に作成できます。紙カルテのときのように伝票を1枚1枚のりづけしたり、レントゲンを袋に入れて保管する手間がなくなります。

正確に伝わる

手書きでは文字そのものが読みづらかったり、略語で書いている、英語・ドイツ語で書かれているときなどには読み間違えのリスクがあります。コンピューターではこのような読み間違えの心配がなくなり、スタッフ全員で共有できるうえ、誰が入力したものなのかが明確です。

上司とのコミュニケーションツールに

電子カルテを導入したばかりの病院では、今まで役職や年の差に先輩看護師との絡みにくさを感じていた新米看護師が、電子カルテをきっかけに仲良くなったという声も少なくありません。

このように、電子カルテは、ひとつのコミュニケーションツールとしてメリットに感じている方もいます。

デメリット

慣れるまでが大変

慣れれば便利だけれど慣れるまでが大変、という声は多く聞かれます。電子カルテ対策委員会が組織されていても、マニュアルが整備されていなかったり試行錯誤して慣れていくしかない場合が多いようです。

電子カルテ未経験の看護師が電子カルテの転職先を選んだとき、丁寧に操作を教えてもらうことが難しく、再度の転職を考えるほど悩んでいるという体験談もあります。

施設によってはフリーズや順番待ちも

システム環境によっていつも画面がフリーズしてしまって余計に時間がかかってしまうことや、端末台数が少ないと順番待ちの時間がある、という場合があります。

スタッフ全員がカルテを一斉に探すということはないため、端末が足りないというケースはまれですが、転職前には電子カルテの端末台数や使用状況をしっかり確認しておくと安心です。

停電時や故障では使用できなくなる

コンピューターなので電源がなければ稼働しません。そのため震災時には、電子カルテの病院の患者さんが、紙カルテの病院へと転院していたといいます。病床のある医療機関であれば自家発電装置は必須ですが、停電しなくとも、コンピューターの故障で電子カルテが使えなくなる可能性もあります。


電子カルテを使いこなすには?


電子カルテと紙カルテの併用も

師長など管理者側が電子カルテを苦手としている・・・というケースは多いと思います。その場合、無理に電子化を推し進めなくても、紙カルテと電子カルテを併用したり、得意な人が役割分担するというやり方もあります。

やっぱり慣れ

携帯やスマホのように毎日使用していれば次第に慣れてくるものです。最初は苦手意識が強いかもしれませんが、めげずにコツを掴んで扱い方を習得するしかありません。

PCを使ったことがないという人でも、今では紙カルテに戻りたくないほど電子カルテを使いこなせるようになった方もいますので、その点は安心して大丈夫でしょう。

転職前に体験しておきたい

電子カルテをほとんど触ったことがない看護師の転職では不安が大きく、求人先から「電子カルテは大丈夫ですか?」と質問されたとき自信をもって回答できない、という方もいます。

職場見学のときに、実際に使用している電子カルテを少しでも体験させてもらっておくとなんとなくイメージが湧きやすく、より前向きになれるかもしれません。

電子カルテに対する不安を、転職サイトのエージェントに相談してみましょう。対処法についてアドバイスをもらったり、自分の状況に合った転職先を紹介してもらうことができますよ。

<電子カルテの看護師転職先、メリットやデメリットは?・まとめ>

  • カルテをPC上のデータベースで管理し、編集、保存するシステム
  • 導入のメリットは、手間の削減や省スペース、読みやすさなど
  • 入力や操作に慣れることができるか、不安の声は多い
  • 看護師の手間、業務時間を節約でき、読み間違えがない
  • 慣れるまでが大変で故障、停電時のリスクがデメリットに
  • 見学時に電子カルテを体験したり、転職サイトで相談してみる


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