ネットを使って看護師の転職活動をしていると、転職サイトや転職紹介会社を褒める記事をよく目にすると思います。確かに、転職活動において、こうした会社が役に立つこともあります。その一方で、紹介会社を使ったおかげでヒドイ目にあったという方も大勢います。
そこでここでは、紹介会社を使ったばかりに、転職に失敗した看護師・嫌な思いをした看護師を紹介します。普段、ネット上であまり見ることのない悪質な紹介会社の実態を知ってください。
転職先の情報が、担当者の話と全く逆だった!
28歳のAさんの場合(東京、正看護師)
Aさんは看護師の転職サイトで大失敗をして、今も転職を後悔している一人です。
元々は福岡に住んでいたAさんは、昔からジ〇ャニー〇の追っかけをやってて、コンサートとか行ったりファンの友達と交流をするのに、東京に住みたいと考えていました。前の病院を辞めたのを機に東京の病院に転職しようと、転職サイトに登録したのが事の始まりです。
複数の会社から紹介を受けた中で有望に見えたのが、総合病院Bでした。その病院を紹介した担当者が言うには、その病院は4年前に新設したばかりで、設備は新しい。福利厚生がしっかりしてるし、職場内の人間関係も良い。仕事の負担もそれほどではない、離職率も低いとのことでした。
また、その病院には有名な先生がいるらしく、雑誌でも紹介されたことがある。しかも、病院には独身寮があり、寮に住めば生活費も浮くので、地方出身者も大助かりとのことでした。
B病院の面接に行くと、確かに設備や建物は新しくてキレイでした。Aさんが6年間勤務した福岡の総合病院とは大違いでした。面接もそこそも無難に終わり、問題ないように思えました。気になった点を挙げると、面接してくれた看護部長が少し高圧的な感じなところ、くらいでした。
ところがいざ転職してみたら、事前に聞いていた情報との違いにAさんは驚きます。一言で言えば、B病院は「ブラックな」職場環境でした。仕事の負担に耐え切れず、常勤は辞めてばかり。
日中、周りにいるのはパートの看護師ばかりでした。夜勤は夜勤で、周りの看護師は派遣ばかり。状況も分からず来てるため、大事な仕事を任せることもできず、自分(常勤)の負担は重くなる一方です。
あとで聞いて知ったのは、この病院は「ブラックな病院」ということでその地域では有名で、地元の看護師は決して転職して来ないとのことでした。病院側もそれを分かっているので、(Aさんのような)事情を知らない地方出身の看護師を積極的に採用していたのでした。
Aさんはもちろん、B病院を紹介した担当者に猛烈に抗議しました。ですがその担当者は、「看護部長に伝えておきます」とか、「仕事に慣れてくれば変わってきますよ」と、のらりくらりと答えるばかりで取り合ってくれません。
Aさんはこの転職を激しく後悔しています。今は、このA病院をいつ退職するか、その機会をうかがっているそうです。
<コメント>
転職先の情報についてウソをつくのも、NGな担当者(紹介会社)の典型例ですね。転職が決まるまでは調子のいいことを言って、いざ転職すると手のひらを返してくるあたり、誠意のカケラもありませんね。
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担当者にやる気が感じられない
30歳のBさんの場合(北海道、正看護師・助産師)
看護学校を卒業後、助産師の資格を取得したBさんは、助産師として道内の公立総合病院に勤務しました(病床数400床程度)。4年ほど働いたものの夜勤の負担が相当重かったこと、助産師としてのキャリアアップが難しそうなことを知り、キャリアアップを兼ねて転職することに決めました。
以前から新生児ケアに興味を持っていたBさんは、NICUへの転職、また将来的には新生児集中ケア認定看護師の取得を目指すことに決めました。転職も、その方面に強い病院を中心に探すことに決めました。ただ、助産師として仕事をしながらの転職活動でしたので、Bさんは看護師の転職サイトを活用することにしました。ところが、その登録したサイトが大失敗でした。
(注):助産師の転職活動では、看護師の転職サイトを活用します。
転職サイトを運営する紹介会社の担当者から早速電話は来たものの、連絡や相談はすべて電話。担当者とは直接面談して相談できると聞いていたので、Bさんは肩透かしをくらった感じになりました。こちらの希望条件を伝えるなど、最低の用件はこなすことができますが、電話だと細かいニュアンスを伝えることができません。
また、転職会社の担当者は電話口でも、何だかやる気が感じられません。Bさんは日に日に不信感を募らせます。
この紹介会社との関係を切ろうか迷っていたところ、転職先の紹介がありました。道内の小児医療専門の医療センターで、規模は前の病院と同程度でしたが、NICUが60床ありました。また、認定看護師の支援制度が充実していることも分かりました。Bさんはこの病院の面接を受けることを決めました。
ところが、その担当者は面接には同席しないとのことでした。幸い面接はうまくいき、Bさんもこの病院が気に入ったので転職を決めました。その病院を紹介したのは確かに紹介会社ですが、Bさんは感謝する気にはなれませんでした。
転職後に分かったことですが、その病院は1か月後に別の建物に移転することが決まっていました。おかげで1か月かけて覚えた備品の配置を、一から覚え直す必要がありました。こうした細かい情報も、電話でやりとりをしたせいで教えてもらえなかったとBさんは考えました。
しかも後から聞いたら、病院からその転職会社に紹介料が支払われるそうです。結局、1回も会うこともなかった紹介会社に紹介会社に報酬が支払われることに、Bさんとしては納得がいきませんでした。
<コメント>
用件はすべて電話で済ませたいという人もいるので、電話が絶対ダメというわけではないですが・・。一回も会えないというのは、さすがに誠実な会社とは言えませんね。紹介会社の中には、いかに手間をかけずに報酬だけ稼ごうかと考える悪質な会社もあるので要注意です。
転職エージェントの対応がひどすぎる(社会常識がない)
29歳のCさんの場合(神奈川、正看護師)
Cさんは看護大学を卒業後、都内の国立病院に入職しました(病棟・呼吸内科)。病床数800ほどの比較的大きな病院で、知名度もそれなりでしたが、万年人手不足のせいで、過酷な労働環境でした。加えて先輩看護師には短大卒・専門卒が多く、大卒のCさんはいじめ・いやがらせを受けました。
そうした環境下でも、Cさんは「とりあえず3年は頑張ろう」と歯を食いしばって耐え、3年間勤め切りました。その後、実家に帰って2か月ほど休養し、そこから転職活動を始めました。
Cさんの先輩が看護師の転職紹介会社を使って転職したと聞いていたので、Cさんも紹介会社が運営する転職サイトに数社登録しました。この時、先輩にどこの会社を使ったのかまで聞かなかったので失敗だったと、後で知ることになります。
登録した会社の1社から電話が掛かってきたのですが、その電話の主(担当者)がタメ口だったことにCさんは驚きました。とはいえ、転職活動の経験がなかったCさんは「紹介会社の担当者って、これが普通なのかな?」と思いました。その担当者とは、後日喫茶店で打ち合わせをすることになりました。
打ち合わせの当日になって、Cさんはまたビックリします。その担当者は30分も遅刻したのです。しかも、そのことに対して特に謝りもしません。打ち合わせでは、転職希望先として、消化器系で実績のある病院を希望しました。ところが、その担当者がCさんの経歴を見るなり、「あなたの経歴では無理だ。」とこちらの希望に何度もダメ出しをしてきます。
「初対面の人の、しかも看護師資格もない人に、なぜここまで言われなくてはならないのか?」と、Cさんは非常に不愉快になりました。とはいえ、ここで怒るのも大人げないと思い大人しくしていました。転職希望先だけは譲れないと念を押して、打ち合わせは終わりました。
数日後、その担当者から電話があり、希望する病院が見つかったとのことでした(あれ?私の経歴では無理なんじゃなかったっけ?)。都内の総合私立病院で、病床数は前の病院と同じ程度でした。消化器系の医療施設が充実しているのことなので、とりあえず面接を受けに行きました。
面接は相手3人(看護部長含む)と、私一人でした。病院自体は設備も新しく、前の国立病院とは大違いでした。ただ、看護部長がかなり高圧的な人でした。「面接でこれなんだから、実際に働き始めたらもっとヒドい人に違いない」と思い、断ろうと決めました。
ところが、紹介してくれた担当者に断りの電話を入れたところ、今度は「この病院に決めた方がいい」の一点ばりです。しかも、一度断っているのに、何度も何度も電話をかけてきます。ここに至ってCさんもさすがにキレて、担当者の電話を着信拒否にし、二度と連絡を取り合わないようにしました。
<コメント>
質の低い転職紹介会社ほど、質の低い担当者がいます(教育がしっかりしてないのでしょう)。それでも、ここまで常識がない担当者も珍しいです。おまけに、ここまでしつこいと逆効果になる、ということに本人が気づいてないのでしょうか?
転職エージェントにだまされた
29歳のDさんの場合(大阪、正看護師)
Dさんは看護学校を卒業後、新卒で小規模の総合病院に就職しました。小規模だけあって、何でもありの混合病棟で、内科も外科も消化器科もすべてを担当させられるような職場でした。
当然仕事は激務で、1日の残業は平均2~3時間でした。半年前の結婚したばかりのDさんは、もう少し家庭の時間をゆっくり持ちたいと思うようになりました。ちょうど病院が移転改築することになり、そのタイミングで退職することにしました。
出世やスキルアップに興味もなく、その一方で家計のこともあるので、Dさんは看護師としてのんびり働きたいと考えていました。このため、転職先としてクリニックを考えていました。ネットで色々と情報収集をしていたところ、看護師転職サイトなるものがあることを知り、早速2サイトほど登録しました。
そのうちの1社の担当者から電話があり、近くの喫茶店で打ち合わせをすることになりました。その担当者は女性で、礼儀正しく親しみやすい雰囲気でした。Dさんは、「いい担当さんでよかった」と思いましたが、これが後で大きな誤解だったと知ることになります。
打ち合わせでDさんは、こちらの希望を一通り説明します。ところが、Dさんの説明が終わった後に女性担当者が勧めてきたのは、総合病院ばかりでした。
Dさんが総合病院に興味はないと説明しているのに、その担当者は「今はクリニックの求人がほとんどない。あなたは総合病院の方がいい」と求人を紹介してきました。担当者の態度は丁寧でしたが、何だかゴリ押しされているようにDさんには感じられました。
とはいえ、クリニックの求人がないのでDさんとしてはそれ以外の転職先を考える必要が出てきました。そこで、担当者が提案してきたのは総合病院の外来でした。外来でしたら病棟のように激務ではないし、残業がほどんどない病院もあります。
そこで、外来を募集している総合病院を中心に担当者に探してもらい、紹介された病院の一つに転職しました。ところが配属されたのは、病棟の内科でした。驚いたDさんは看護師長に抗議しますが、看護師長は「そんな話は聞いてない」というばかりでした。
「外来に配属されるよう、病院に念を押しておく」と担当者がいっていたのに、話が全然違います。今度は担当者に電話で抗議すると、「いや、私は間違いなく病院に言った」「病院にはあとで抗議しておく」と言ってましたが、Dさんには信用できませんでした。
面接で「外来を希望します」と強く主張しなかったDさんにも落ち度がありますが、Dさんとしては担当者や病院にだまされたという気持ちでいっぱいになりました。
<コメント>
これも、ダメな紹介会社の典型です。こちらの希望を聞かず、ひたすら自社(紹介会社)に都合のよい求人ばかりを押し付けてくるパターンです。こういう職場は、ダメな紹介会社に頼らなくてはいけないほどヒドイ職場なので、絶対に転職してはいけません。
いかがだったでしょうか?これでも氷山の一角で、被害者はもっと沢山います。こんな紹介会社は絶対に使わないようにしてください。仮に使っても、確実に転職に失敗します。
では、看護師転職サイトは絶対に使わない方がいいのでしょうか?先ほども触れましたが、そんなことはありません。ただ、残念ながら良心的と言える看護師専門の紹介会社は数が少ないのが実情です。良心的な会社は10社に1社程度しかありません。
そんな、数少ない良心的とも言える紹介会社を以下で紹介しています。是非参考にしてください。
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