ひとつの企業に勤めるという働き方もあれば、副業をしていくつかの仕事をかけもちしている方もいます。常勤看護師でも、副業としてアルバイトをする方が多くなっており、求人検索では「副業・ダブルワークOK」という検索条件があります。
アルバイト同士、パートとアルバイトのかけもちであれば問題ありませんが、常勤看護師でもアルバイトをして大丈夫なのでしょうか?答えとして、一概にOKとは言えません。
常勤看護師がアルバイトを始める事情や、注意しておきたいことをあらかじめ確認しておき、後になって困らないように備えておきましょう。
常勤看護師でもアルバイトして大丈夫?
アルバイトをする動機
常勤看護師がアルバイトを始める動機として最も多いのは「収入アップ」です。国家資格である看護師の平均給与は他業種と比べれば高くなっていますが、勤務先や業種による差もあってなかなか思うように稼げない、というケースがあります。
単純に、希望する生活レベルのためのお金が足りないという理由や、子供が成長するにつれて必要な学費が増えたり、介護のためのお金が必要で、正社員の給料以外に収入が欲しい、といった理由がみられます。
なかには、常勤時間外や休日を利用して、気分転換や息抜きのため、色々な仕事を体験するためにアルバイトをしているという看護師もいます。
常勤看護師のアルバイト先は?
常勤看護師のアルバイト先として多いのは、医院やクリニックの外来、病院の夜勤、老人保健施設や老人病院、デイサービスなどの福祉施設や、イベントナース、健康診断などの単発アルバイトがあります。
看護職以外のアルバイトとして、オフィスでの事務作業や飲食店などでダブルワークする方もいます。
常勤看護師のアルバイトはOK?
常勤の雇用先で副業が禁止されている場合、基本的にアルバイトは出来ません。なかでも公立病院の看護師は公務員としての勤務になり、副業は固く禁止されています。
民間企業である病院などでは、副業を明確に禁止しているところと、特に禁止していないところとに分かれます。禁止している場合には就業規則にその旨が記載されています。
ただし副業が禁止されていても「勤務先にばれなければ」と、職場には秘密にしたままアルバイトをしている看護師もいることでしょう。その場合にはいくつか注意点があるので、この後にまとめていきます。
副業を特に禁じていない職場であっても、上司にアルバイトを知られるといい顔をされないことや、夜間や休日にも働くことで疲れがとれず、常勤勤務中の注意力が散漫になってしまったり、という可能性があります。
常勤看護師がアルバイトする際に注意したいこと
就業規則や職場の事情を確認
副業が禁止されている職場でアルバイトをし、それが勤務先に知られてしまった場合、特にペナルティはないところもあれば、懲戒処分などの罰則を設けているところもあります。
罰則がなくても上司から注意を受けたり、人間関係が悪くなることは十分に考えられますし、始末書を書かされたり、なんとなく職場に居づらくなって結局退職することになってしまったという例もあります。
まずは就業規則を確認してみること、また就業規則に記載がない場合でもアルバイトを認める雰囲気かどうかなど、アルバイトの可否についてよく考えるようにしてください。
またアルバイトをすることで常勤の勤務に問題が生じないよう、時間面・体力面で問題がないかという点もしっかり検討します。
副業と確定申告、マイナンバー制度について
常勤での正社員雇用では企業側でまとめて確定申告をしてくれますが、副業のアルバイト収入については自分自身で確定申告する必要があります。
雑所得として申告が必要なのは20万円以上の収入なので、時給が高い看護師アルバイトでは当てはまる場合が多いでしょう。その結果追加で納税が必要になったり、諸経費との相殺で還付金が戻ってきます。
確定申告をしないでおくと、後になって税務署から追徴金の連絡が来る場合があります。しかし申告時に気になるのが「確定申告をすると常勤の勤務先にアルバイトしていることが知られてしまうのでは?」という不安です。
その答えとしては、「知られてしまう可能性はある」としか言えません。住民税の通知から企業側が税務署に問合せをするなどして副業が知られるケースはありますし、そうならずにばれることがないケースもあります。
こうならないように、副業先での住民税については勤務先で天引きするのではなく、自分で納めるようにしておくことができる自治体もあるので、事前に調べておくといいかもしれません。
「マイナンバー制度で個人の収入を管理されることで、企業側に副業を知られてしまうのでは?」という不安の声も聞かれますが、これについては心配ないと考えられます。マイナンバーによる個人収入の把握は税務署での利用にとどまり、それを企業側に公表することはありません。
こういった注意点を了解したうえで、常勤看護師がダブルワークの求人を探すときには、看護師の転職サイトを利用するのが便利です。
専任のエージェントにダブルワークについて相談することも可能ですし、個人では調べることが難しいような、それぞれの求人先でのダブルワークの状況などについても確認しやすくなります。
- 収入アップのほか気分転換などを理由にアルバイトをする
- 外来や夜勤、健診のほか、事務や飲食店などのアルバイト先がある
- 常勤先の就業規則で副業禁止の場合アルバイトできない
- 副業禁止でばれた場合ペナルティを受けたり人間関係が悪くなる
- アルバイト収入は個人で確定申告する必要
- ケースバイケースで常勤雇用先に副収入がばれる可能性も
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