看護師、50代からの転職、注意点は？

看護師の仕事は『手に職』の代表。ずっと活用できる資格のひとつと言われており、転職にも困らないといわれていますが、それは年齢を重ねても同じなのでしょうか？

看護師は、20代から40代くらいまでは転職に大きく困ることはないという印象があります。一般企業だと40代での転職はかなり厳しいと思われますので、それと比べると確かに看護師は有利なのかもしれません。でも、50代になったらどうでしょう？

ここでは、50代での看護師の仕事について触れていきたいと思います。

1 50代看護師の転職について
- 1.1 なぜ転職したいのか？
- 1.2 業務によって需要は高い
2 50代からの転職先の選び方
- 2.1 医療施設
- 2.2 医療施設以外
3 50代からの転職の注意点

50代看護師の転職について

なぜ転職したいのか？

看護師といえども、50代での転職となると活躍の場は限られてきます。そのため、「なぜ転職したいのか」という理由を明確にすることがとても重要です。

例えば、これまで総合病院や大学病院といった規模が大きく仕事がハード、夜勤もある職場で働いているけれど、体力の限界を感じるので夜勤のない医療施設に転職したい、ということであれば、クリニックなどに転職することは十分に可能だと思われます。

そのほか、医療施設から介護施設に転職したい、というケースの場合も転職に成功する可能性は十分にあります。むしろ、介護業界は人間関係が難しい施設が多いと言われていますので、これまでの看護業務経験と、それに伴った人生経験の豊富な大人の女性が入ることは望ましいかもしれません。

逆に、今からキャリアアップのために転職をしたい……となると、難しい可能性があります。これから新しいことを学んでいくにも時間がかかりますし、せっかく何か資格と取ったり、新しい仕事を覚えても、その専門で一人前になったころには定年退職を迎えてしまうかもしれないとなると、転職先も躊躇してしまうかもしれません。

自分が転職したいと思う理由が転職先のニーズと合っているかが重要になってきますので、「転職したい」と思ったら、まずその理由についてしっかり考えてみましょう。

業務によって需要は高い

50代となると、一般企業での転職はまず無理、という印象がありますが、看護業界では決してそんなことはありません。

都内の病院では50代でも看護師の募集をしているところがたくさんありますし、40代までと求人情報に書いてあっても、「50代の方もご相談ください」といった一言が添えてあったりして、かなり門は広いです。

ただし、正規雇用ではない病院があったり、夜勤がない病院で働きたいと思っても、50代を募集しているのは夜勤可能な看護師のみだったりと、条件と合わないことが出てくる可能性は高いので注意しましょう。

余談ですが、看護師の国家資格自体に40代からチャレンジする方も少なくありませんので、それを考えると50代の転職というのもまったくおかしな話ではないのかもしれません。

50代からの転職先の選び方

若い年代の転職は、キャリアアップや年収アップを目的としたものも多かったかと思いますが、50代からの転職は働き方を考えてのことが多いのではないでしょうか。そこで、50代からの転職先にはどんな施設があるのか、ピックアップしてみました。

医療施設

50代から転職を考える大きな理由として、前述した『夜勤のある病院から夜勤のない病院に転職したい』というものがあります。

主に体力的な理由から、不規則なシフトが体に響くようになったということかと思われますが、この場合は夜勤のないクリニックなどに転職することを視野に入れてみるとよいでしょう。

クリニックといっても内科や皮膚科、耳鼻科などいろいろなクリニックがありますので、これまでの自分の経験を活かして働くことができると思います。

そのほか、夜勤がないところが希望の場合は、前述したようにこれまで働いていた病院で正職員だったところをパートやアルバイトに変えて勤務しているという人もいるようです。自分の働いている病院にそういったシステムがない場合には、クリニック以外でも同じ総合病院のパートなどで働くという手もあります。

医療施設以外

医療施設以外の転職先としては、介護施設や保育園などがあります。特に医療施設から介護施設に転職したいと考える看護師は多いようです。

若いころから看護師として働いてきた方は、介護業界の資格でるケアマネジャーの資格を取得し、ケアマネとして転職する人も少なくありません。ケアマネの受験資格はかなり敷居が高いのですが、長い看護師経験は受験資格に当てはまりますので、我こそはという方はチャレンジしてみては。

そのほか、保育園には看護師を配置しなければならない義務があり、夜勤もないので転職先として検討する看護師が多いです。

しかし保育園の看護師は人数を必要としないので需要が低いことと、仮に転職できっとしても保育補助業務もたくさん入ってきますので、これまで看護業務一辺倒だったという方は業務のギャップに驚いてしまうかもしれません。

50代からの転職の注意点

年収ダウンの可能性

50代でも求人自体はたくさんあると思われますが、これまで働いていたところよりも年収が低くなってしまうことは大いに考えられます。

例えば、新卒で30年近く同じ病院で働いていて、そこから違う病院に移りたいと思ったときに、同じ年収を期待するのは難しいです。こうしたケースはあまりないと思いますが、転職先によって年収が下がる可能性があることは覚悟しておきましょう。

若い年代より職場の人間関係を作りにくい

50代といえども、新しい職場に転職したらそこでは一番後輩になります。そのため、自分の上司が何歳も年下だということも多いでしょうし、その中でまた職場の人間関係を構築していかなければならないので、業務以外のわずらわしさを感じることも。

しかし、逆に年齢と経験を重ねている分、小さなトラブルなどに巻き込まれる可能性も少ないので、人によっては悩まずに済むかもしれませんね。

特に体力的なことを考えて、医療施設から介護施設への転職を検討している場合、若い年代での転職だと人間関係に悩む人が少なくありませんが、50代となると介護士よりも医療知識も多く、介護について実生活から学んでいる人もいらっしゃるので、トラブル少なく業務をこなせるのではないでしょうか。

求人探しには転職サイトを活用してみよう

看護師の求人は本当にたくさんあります。ハローワークやナースバンクにも多くの求人情報がありますが、インターネットがこれだけ普及した今は、転職サイトで多くの求人情報をチェックできるようになりました。

ハローワークなどと比べると求人情報がはるかに検索しやすくなっていますし、気に入った求人情報をサイト上でクリップしておき、後でまとめてじっくり検討するなどの便利な昨日がたくさんあります。

また条件に合った求人情報を探しやすいので、例えば「50代以上」という条件で求人情報を絞り込むことも可能です。転職サイトによっては、会員登録することで非公開求人を見ることができるところもありますので、ぜひ登録して活用してください。

＜看護師、50代からの転職、注意点は？・まとめ＞